2013年01月01日

妊娠前のトータルチェック 〜子宮美人化計画 2013〜

新年あけましておめでとうございます。

今年の子宮美人化計画、第1弾は、「妊娠前のトータルチェック」です。

今不妊治療に取り組んでいる方、これから妊娠を考える方たちに、妊娠前にご自身の身体をチェックする提案です。

主に妊娠してからの合併症を防ぐ目的に、以下の項目をあらかじめチェックしておきましょう。

スライド1.jpg

主に内科的な疾患、精神・神経疾患、そして婦人科疾患に大別されます。

内科的な疾患で、糖尿病甲状腺の病気は妊娠中に赤ちゃんの異常を引き起こしかねません。
血圧が高いと「妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)」になりやすく、またBMIは適正体重をみるものです。

BMI、って聞いたことがありますか?
ご自分の体重(kg)を身長(m)で2回割り算します。
例えば、体重45kgで身長150cmの方は、
 BMI=45kg÷1.50m÷1.50m=20 この方はBMI 20と計算できます。

やせ過ぎていても、体重が多くても妊娠しにくく、BMI 17.5未満のやせすぎの方や、25以上の体重が多い方では妊娠率が低下し、30以上では妊娠中のトラブルが明らかに多くなっています。

体重は女性にとって悩みの種。増やしたい方も、減らしたい方もそう容易ではないことは十分分かりますが、これから赤ちゃんが欲しい、を一つのきっかけに、生活習慣を見直してはいかがでしょうか。

それは食生活や運動習慣はもちろん、仕事の量や内容にまで及ぶかも知れません。


精神疾患では「うつ」や「パニック障害」などでおくすりを服用されている方、今は服用はしていないけど、と言う方も、是非主治医の先生に妊娠したいことを伝え、現在の精神状態で妊娠をしてよいか、許可を頂いて下さい。

小さな頃から「てんかん」の診断をされている方もあります。服用しているくすりの種類によっては赤ちゃんに異常が出ることもあります。同じように妊娠したいことを伝えて下さい。

婦人科疾患は、まず子宮頸がん検査を必ず行いましょう。
卵巣のう腫や子宮内膜症子宮筋腫、あるいは子宮腺筋症がないかもチェックします。
これらの疾患がある場合、妊娠を考えて良いか、手術も含めた治療が必要となることもありますので、相談が必要です。このブログでも改めて執筆していきたいと思います。

年齢の因子もとても重要です。年齢とともに妊娠率が低下してしまうことはようやく周知されてきましたが、妊娠率の低下とともに流産率の上昇もみられます。
41歳以上で妊娠を考える方たちには、別途お知らせしていきます。

また妊娠を考え始めたら、基礎体温をはかりましょう。自然に妊娠できたらいいと思われるかも知れませんが、妊娠しにくくないか、また妊娠した日がいつなのか、とても沢山の情報が得られます。

風疹、麻疹の抗体検査、またはワクチン、成人してからの有無もチェックしましょう。
ともに妊娠してからの感染は、赤ちゃんの異常を起こしたり、流早産の原因になるため、妊娠前に抵抗力を付けることが必要です。
成人してからの感染やワクチンは感染する心配はないと思いますが、子供の頃の感染、ワクチンによる抗体(抵抗力)は、すでにもうないことも少なくありません。

すぐにお子さんを希望しているわけではない、少し経ってから欲しい、場合は、風疹、麻疹がともに感染予防できるMRワクチンの接種をお勧めします。

詳しくは診察室でも説明していきますし、遠慮なくご質問下さい。

これらを総チェックするための新しい問診票を現在早急に作成し直しています。完成後は改めてお伝えします。
posted by 桜井明弘 at 18:39| Comment(1) | TrackBack(0) | 産婦人科一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月28日

排卵検査薬 〜排卵に関するいくつかの誤解〜 2012年12月28日再アップ

市販の排卵検査薬でタイミングをはかっているのですが、妊娠しないんです

今周期、排卵検査薬がいつも陰性なんですが、排卵しているんでしょうか

いつも検査しても排卵検査薬が陽性になるんです、私、どこか異常があるのでしょうか

こう言った質問を、しばしばお受けします。
実は今日いらした患者さんからも質問されたので、4年ぶりに再度アップします。

そもそも排卵検査薬とは、どのような検査試薬なのでしょうか。

排卵期にLHサージが起こることは記事にしましたが、このLHが尿中に分泌されることを利用した検査試薬です。

排卵の前日(36-40時間前)、血液中に、下垂体から分泌されるLHというホルモンが急激に上昇します。これをLHサージと呼び、これを検査することにより、排卵日を知ることが出来ます。
しかし、毎周期、排卵日を正確に検査できる方もいらっしゃいますが、上にあげたように、せっかく排卵検査薬を買って使っても、うまく排卵が分からない、という方も少なくありません。

そもそも、尿中のLHを測ること自体が、我々からすると、信憑性に乏しい部分があるので、排卵日が分からなくてもすぐに異常、と考える必要はありません。
尿は、腎臓から血液中の老廃物や不要な水分が分泌(濾過)されて作られます。
その中に含まれる、LHもそうですが、その濃度は尿の濃度に比例します。
つまり、尿が濃ければ、LHも濃く出ますし、薄ければ検査薬が陰性になります。

それでは、我々生殖医療に携わるものからみた、排卵予測検査の信頼度は、どのような順番になっているかというと、

血中のホルモン値
超音波所見
尿中LH反応(検査薬)
基礎体温

の順ですが、毎日排卵を知るために採血し続けるわけにも行きませんし、超音波で予測してもLHが分泌されなければ真の排卵日は分からない、日々つけてらっしゃる基礎体温もこれらの検査データを裏付ける大切な目安になる、というように、検査をなるべく少なく、効率よく、そして信頼性の高い予測とするため、総合的に判断します。

もちろんまだ妊娠を考えたばかりの方では、血液検査を行うにはためらいもあることもありますので、患者さんのご希望で検査を行い、得られたデータでなるべく予測するようにもしています。


画像 1543.jpg

↑クリックすると大きくなります。


・補筆修正いたしました。
D3診察 〜高度生殖医療の実際〜

ラベル:排卵検査薬
posted by 桜井明弘 at 13:00| Comment(1) | TrackBack(1) | 産婦人科一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月23日

不妊治療以外の精子凍結を休止します。

これまでお受けしてきた、不妊治療以外の精子凍結を休止します。

抗がん剤の治療前など、精子が減少することが予測されている患者さんの精子を、凍結保存してきましたが、この度休止することとしました。

理由は
・当院に通院されている不妊患者さんの精子は当院での治療に用いられる予定ですが、通院されていない患者さんは、今後治療に使われることが未定です。
 通院されていない患者さんは、凍結更新のご案内をお送りしてもお返事頂けない場合が多く、更新のご意志、ご希望が確認できないことが余りにも多いのです。

・当院でお預かりしている凍結用のタンクにキャパシティーがあります。
 更新のご希望の確認が取れない方たちが、本来凍結が必要とされている方たちの精子や卵子の保存を逼迫しかねません。

・使われる目途がはっきりせず、万一当院が閉院となった際に、凍結管理が出来かねるためです。

もちろんご希望のある方たちそれぞれの事情があると思います。受付や診療室で真摯に状況をお聞きした植で、個別に対応させて頂きます。
posted by 桜井明弘 at 23:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 産婦人科一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月29日

感動的なメールを頂きました。

当院で治療を受け、念願のお子さんを妊娠、出産された暁に、メールでご報告を頂きました。

とても感動したメールでしたので、ご本人からブログへの掲載を許可して頂いたため、紹介させて頂きます。


産婦人科クリニックさくらの皆さま

2010年の春からクリニックさくらに通院していた○○と申します。
2012年6月○○日に3170gの元気な女の子を出産することが出来ましたのでお伝えしたくて・・・
こちらのフォーム(注・HPのお問い合わせフォームのことです)に記入する事を迷いましたが利用させて頂くことにしました。


通院中は本当にお世話になりました。

最終的に妊娠・出産という形で治療を終えられたことは本当に幸運だったと思います。
治療中は泣く事も多かったけど感動も沢山ありました。
高い技術力を持ちながら
いつも気持ちに寄り添って温かく接してくださった先生とスタッフの方達の存在無くして娘の誕生は無かったと思っています。
そのせいか娘を見ていると私達夫婦の子供と言うよりも
沢山の方の想いをお預かりして育てさせて頂いている・・という気持ちになります。
いつか社会にお返しする時まで大切に大切に育てて行こうと・・・そんな気持ちで接しています。

奇跡の前で私は無力ではありますが私の妊娠・出産がクリニックさくらの実績となり今現在治療を受けていらっしゃる沢山の方達の希望の一つになれば・・と想っています。

溢れるほどの感謝の気持ちをどう表現していいのか分からずにもどかしく思いますが
いつも最善の道に導いて下さった先生とスタッフの皆さま。本当に有難うございました。
いつか娘に私達夫婦の子供で良かったと言ってもらえるように大きな愛情を持って育てていきたいと思います。


お名前、ご主人と奥様。


私の感想をあえて載せずに、皆さんにお読み頂きたく思います。

メールを読んだとき、自分の眼が潤んでしまいました。

○○さん、ありがとうございます。頂いたメールを読み返すたびに、スタッフ一同、これからも皆さんのために努力していきたいと思いました。

ブログ転載も快くご承諾頂き、改めて感謝申し上げます。

posted by 桜井明弘 at 14:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 産婦人科一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月31日

少子化対策には、抜本的な社会改革、そして意識改革を。  〜不妊症の原因 年齢因子〜 ファイナル

前回の記事の続き、一連のファイナルです。

さて、日本の女性が一生のうちに産む子供の人数、合計特殊出生率、と言いますが、日本は世界ではどれくらいの位置にあるのでしょうか。

まとめられたサイトを見つけたのでご紹介します。

これによれば圧倒的に上位は途上国。日本もかつてはそうでした。
日本は175/192位で、国際的にも危うさを感じますが、中韓やアジアの比較的先進国もこのあたりの順位です。

国民の減少を歯止めするには、カップルが二人以上のお子さんを作らなければなりませんが、早世するお子さんや、お子さんを作らない方の分も含めると通常先進国では2.1人以上が理想とされています。

そういう目で上のサイトの2.1人の前後を見てみると、米仏豪をはじめとした各国のデータがうかがえます。

皆さんの周りでお子さんを作らないカップルや、結婚しない方、少なくありませんよね。
日本でも合計特殊出生率は上の通りですが、
「中央値は2.3人、平均値は2.5人」とあります。つまり、産んでいる人は2,3人のお子さんをもうけているのです。

産まない人を非難しているつもりはありません。でもどうして産まないのでしょうか。

様々な理由があり、一概には言えませんが、根底に産みにくい社会があるのではないでしょうか。

結婚、出産は社会の墓場、は大げさな表現ですが、ある意味、的を射ています。

産んだら戻れない、そんな社会を我々は作っていますが、産休に入っても、授乳をしながらも、会社からの仕事をITを駆使すればスキルを落とさずに続けていけるかもしれませんし、ITがスキルアップのカギにもならないでしょうか。

私は、女性に産む性に戻れ、とは言いません。それは日本の経済が破綻してしまいます。
でも産みたかったのに、を後悔させたくないのです。

日本の経済と社会、そして女性の性は、これまでになく大きな変換点を迎えています。それは女性が産む年齢に限界がある、と言うことが明らかになっているからです。

社会、これは男性社会、と言ってもいいかもしれませんが、本当の、真の男女雇用均等の見地から言えば、男性は仕事しつつ育児にも参加、女性は産みたい年齢にキャリアを阻害されずに産める、それにはご両親を含めた社会がバックアップ、会社も応援する、社会は産める環境を醸成しなければなりません。

そして産んだ女性の声を聞くと、預ける施設はあるけれど、施設の都合や、お子さんが少しの不調で預かれない施設が余りにも多い。。。
病児保育が出来る施設を拡充、そこにお金をかけるのは、国家予算から見れば、わずかな投資、努力に過ぎないのに、それが出来ていないものだと思うのです。

最終的には、子供は社会の宝。

あなた達の子供でなくても、他人の子供でも、あなたたちの老後を支えてくれる大切な社会のたからものなのです。

posted by 桜井明弘 at 00:00| Comment(4) | TrackBack(0) | 産婦人科一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月30日

不妊症は現代病、そして社会が作り出した。今こそ社会変革を。 〜不妊症の原因 年齢因子〜

前回の記事にもとても重みのあるコメントを頂きました。
全くこれから私が書きたいと思っていた内容を、先に言って頂きました。

この記事で途中まで触れていたため、なんだか現代女性を敵に回しそうな表現で終わってしまいましたが、意図はもちろん違います。

戦後の日本は、先進国に追いつけ、追い越せ、やがて米国に次ぐ世界第2位の経済大国にのし上がりました。
でもその屋台骨を背負ったのは男性? 男性を支えた女性?

やがて先進国並みに女性が社会進出し、男女雇用均等法が施行され、建前としては男女の社会における役割は撤廃されつつあります。

実際には男女の格差を感じている方も、格差なく社会で活躍している女性もあるでしょう。

でもそこで忘れられてしまったのは、女性が有している生殖機能を有する性。

男性との違いもなく社会の第一線で働いている女性は、我々の母親の世代と格段に増えています。

が、産む性である女性のアイデンティティーや、産む役割があまりにもないがしろにされて来ました。

男性と同じく学校を卒業する歳には、おばあちゃんは既にお嫁に行って、子供を作っていた。
社会に出て仕事を覚え、仕事する楽しさ、生き甲斐を感じる年にはお母さんは私を産んでいた。

私はまだまだやりたいこともある、将来を約束したパートナーもいて、不自由は無い。だから子供はもう少し待ってから考えたい。

そうしている間に30歳を過ぎ、35歳、まだまだ行ける、先輩も子供を産んだし、今子供を産んてリタイアしたらここには戻れない。

そんな気持ち、無意識に植え付けられているのではないでしょうか。

様々な願いや思いが交錯しつつ、一年一年、時はあっという間に過ぎてゆき、時間や年齢の変化を感じないままに卵巣の機能は低下して行っているのです。

今回も最後まで書ききれず、引っ張っているようですが、私も皆さんに伝えたい思いが噴出しています。

ご批判も甘んじてお受けしますので、遠慮なくご意見を頂けたら嬉しいです。
posted by 桜井明弘 at 00:00| Comment(9) | TrackBack(0) | 産婦人科一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月09日

女性のストレスと月経異常 コンテンツトップページ 〜第8回メディカルモール・たまプラーザ健康講座講演より〜

6月17日、「ストレス」を共通テーマに、第8回メディカルモール・たまプラーザ健康講座を行ないました。

沢山の皆様にお越しいただき、活発なディスカッションも行うことが出来ました。

その後多くの感想やご意見を頂いた中で、残念ながら当日お越しいただけなかった方から、講演内容を是非知りたい、とのご意見を頂戴しました。

メディカルモール・たまプラーザではこの健康講座の専用HPを作り、これまでの講演内容を掲載しています。


ここでは私が講演した「女性のストレスと月経異常」の内容をアップしていきたいと思います。

コンテンツは

・ストレスの原因、ストレッサー。女性特有のストレッサー。
・ストレスが及ぼす様々な女性の症状。
・ストレスと月経異常
・ストレスと月経痛、月経前症候群
・ストレスと不妊、流産
・ストレスの悪循環を断ち切るためには

です。

ご意見やご質問もどんどんお寄せ下さい。
posted by 桜井明弘 at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 産婦人科一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月19日

「市がん検診は危ない」??

別の記事にお寄せいただいたコメントをきっかけに、4年ぶりに記事をアップ致しました。
(初出2008年5月18日)

ある一人の患者さんから気になることをお聞きしました。

別の件で来院された患者さんですが、初診だったのでいつもどおり婦人科の検診、お受けになっているかお聞きしたところ、その方は健康を気遣い毎年ドックに入っている、とのことでした。

都内の有名病院まで行ってらっしゃるようですが、毎回高額がかかるので困っている、との事。横浜市のがん検診などについてご案内し、当院で行っている市の子宮がん検診は自己負担が1360円で済むこと、卵巣に関しては内診だけでなく超音波を使って検査しているので卵巣の検診も同時に行っていること、これらを説明したのですが、聞けばその方の知り合いの市の職員の方が、市のがん検診は危ないから、と言ったそうで、これを信じているため、市の検診は受けたことが無い、疑っている、とのことでした。

健康維持のため、病気の早期発見のために、毎年お金を賭けて自分の体をチェックするのは、良い心がけだと思います。健康を維持するにはお金がかかる、健康・命はお金には代え難い、こういうことをこの方は自覚されていますが、それにしても毎年多大な額を負担するのであれば、市や自治体が行っている検診をうまく利用されたらいいと思います。

ちなみに「市がん検診は危ない」は、どこからどう誤解を招いたのでしょうか。

横浜市で行っている市の子宮がん検診は、各医療機関が独自に子宮がんの細胞診を行って、それに市が一部負担をしている形です。

産婦人科クリニック さくらでは、全ての子宮がん検診を、細胞診を行う外部検査会社に委託しているのですが、市のがん検診が危なければ、当院で行う細胞診すべてが危ない、ということになります。
まったく不本意なご意見で、医療機関で行う検査に対する信頼を根本から覆す誹謗中傷ととられかねません。

他の自治体で行っているスタイルで、自治体内で行われた細胞診の検体を特定の医療機関にすべて集めて判断しているものもあります。悪く解釈すれば、ものすごい検体数をその医療機関の検査室でさばかなければならず、例えば見落としがあったのか。そんなことをその患者さんがお帰りになった後も考えていました。

さらにその方の知り合いの市の職員の方、どんな意図で発言されたのか、どんな根拠があってそんな事を言ったのか、多くの市の職員の中で、市が行う子宮がん検診事業を理解している職員がどれだけいるか、など、こんなデマが流された背景に思いをめぐらしていました。

ここに取り上げたのは、検診がどんな流れ、スタイルで行われているのかをお知らせし、またこういった誤解を抱いている方がないか、と心配になったためです。


関連記事更新
不妊スクリーニング検査 〜内診・経腟超音波検査・子宮頸がん検査〜


以下、初出時の情報です。

遅くなりましたが、「アロマテラピー無料講習会」には、たくさんの方が参加していただき、皆さん楽しんでいただいたようです。
私(院長)も参加予定だったのですが、当日の勤務先で緊急手術があり、残念ながら不参加でした。
講習会の模様はさくらトリートメントの竹本さん、今回の講師ですが、ブログに書かれています。さくらトリートメントでは、今後も、新しい企画をさらに考案中です。

また
産婦人科クリニック さくら スタッフブログ
、にも記事を掲載しておりますので、参加いただけなかった方も、当日の内容や雰囲気をお楽しみください。

おかげさまでこのブログ、アクセスがだんだん増えています。
シーサーブログでいよいよ500位に迫る日もあるようになりました。
決して上位を目指しているわけではなく、読んでいただける方のためになる情報を共有したい、この思いからこれからも皆さんの興味ある記事を書いていきたいと思います。
皆さんから忌憚ないご意見をいただけるととても嬉しいです。よろしくお願いします。
posted by 桜井明弘 at 23:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 産婦人科一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月23日

妊娠された方へ 〜当院の方針です〜

妊娠の診察について、当院の方針をお伝えします。

当院は、分娩施設がないために、正常妊娠の確認ができたら早いうちに
(妊娠5週〜7週)、分娩施設へ、または里帰り出産ご
希望の方は検診施設へご紹介しております。

妊娠判定陽性後の受診のタイミングについてお伝えします。

主に、自然妊娠の場合と、タイミング法や人工授精、体外受精など高度生殖医療をお受けになった場合で異なります。

新しいホームページの「産婦人科診療」で解説しています。

このブログの記事は、随時、ホームページ内の院長ブログなどへお引っ越しする予定です。

2017年2月7日更新
ラベル:妊娠
posted by 桜井明弘 at 00:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 産婦人科一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月16日

排卵の時にはおりものが増えるの? 子宮頚管粘液 〜排卵に関するいくつかの誤解〜

このシリーズ、根強い人気です。

タイトルが取っ付きにくかったので、よりマイルドな表現にしてみました。


通常排卵期では、子宮頚管粘液が増加します。これを排卵の目安としてタイミングを計ったり、排卵がちゃんと起こってるな、と考えている方も多いと思います。

排卵期の粘液ですが、排卵日の1,2日前から増加し、排卵後も1日くらい多いようです。ただ、ご自身の自覚としては、1日だけのこともあるでしょうし、全く自覚されない方もあります。
この粘液は、腟内に射精された精子を子宮内腔に送り込む役割がある、とされ、極端に粘液の分泌が少ない方は不妊の原因となりえますが、自覚症状の多い、少ない、はいずれも病的な状態を表すものではありません。

これまで書いてきた排卵痛基礎体温と同様、この日が排卵、と思っているのと、実際の排卵は異なることもあります。
人の身体に起こる様々な症状は、原因不明で説明のつかないものもありますし、また身体は大変複雑な構造のため、この症状が出たらこれ、という風に単純に言い切れないことも多いです。


このシリーズ、一覧です。

基礎体温
排卵痛
排卵検査薬



・補筆修正いたしました。
HPV検査
いただいたコメントから、補筆いたしました。


ねむの木ブログで、11日に行われたハンドクリーム教室、紹介しています。


posted by 桜井明弘 at 00:57| Comment(2) | TrackBack(1) | 産婦人科一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月22日

健生ニュースのカンジダ腟炎の記事を監修しました。

初夏からずっとこの時期多い病気ですね。

不快な症状を解決するため、自己判断で治療せずに、是非産婦人科を受診して下さい。

健生ニュース カンジダ.jpg
posted by 桜井明弘 at 01:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 産婦人科一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月04日

黄体ホルモン剤「デュファストン」の供給不足が解消されました。 〜震災後の当院採用医薬品の供給不足に伴う対応と被災地からのご質問に対する回答(2011.8.4更新)〜

当院で処方している医薬品の、震災による供給停止が解消されました。

主な薬剤は以下の通りです。
・デュファストン(黄体ホルモン製剤)

・ディナゲスト(子宮内膜症治療薬)

・ツムラの漢方薬

依然として長期処方を行うことにより、再度供給不足に陥ることが懸念されています。特別な事情が無い限り長期処方は1カ月までとさせて頂いております。


長期処方の制限.jpg

詳しくは担当の医師とご相談下さい。


被災地の患者さんから当院に寄せられたご質問と対策についてです。

・Q. ベセルナクリーム(尖圭コンジローマ治療薬)を患部に塗っていたが、6時間後以降に洗い流さなければならないところ、そのための水が手に入らない。そのうち患部が腫れてきてしまた。

A. 被災地の洗浄用の水の確保状況が分らないのですが、確保できれば洗い流した方がいいと思います。またコンジローマは治療に急を要することがほとんどないので、これから塗ることを避ける、とお答えしました。

今後も寄せられるご質問に出来る限りお答えして行きたいと思います。
posted by 桜井明弘 at 16:46| Comment(10) | TrackBack(0) | 産婦人科一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月17日

カンジダ外陰腟炎にかかりやすい疾患

毎日アクセスの多い、カンジダに関する記事です。外来診療室でも毎日多くの方が訪れます。


カンジダは再発が多い
ことにも触れましたが、今日はカンジダ外陰腟炎にかかりやすい疾患について書きます。
いずれも腟内が常在菌で守られているのを変化させる病態です。

・ 妊娠
・ 抗生物質服用後
・ 糖尿病
・ 免疫力低下

妊娠は病気ではありませんが、妊娠中のカンジダは多く見られます。
抗生物質服用後にも腟内の常在菌が無くなってしまうため、カンジダが増えることがあります。
糖尿病、免疫力を低下させる疾患についても同様で、カンジダを繰り返している方に、試みに血糖値を測ったところ、糖尿病の診断のきっかけとなったこともあります。

多くの方が不快な症状に長い間悩まされている厄介なカンジダ症ですが、罹りやすいきっかけ、原因を探ってみることも必要かもしれません。
posted by 桜井明弘 at 00:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 産婦人科一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月05日

妊婦さんや授乳婦さん、不妊治療中など、妊娠している可能性のある方が風邪を引いてしまった場合は?

妊娠している方、赤ちゃんにおっぱいをあげている方、また不妊治療中であったり妊娠をしている可能性がある場合、風邪を引いてしまった時にはどうしていますか?

おなかの赤ちゃんへの影響を心配したり、お子さんの育児に差し支えるため、早く治してしまいたいですよね。

当院を訪れるこれらの患者さんたちの考えは、大体以下に集約されています。

1.赤ちゃんへの影響を考え、薬は使わない、自力で治す。
2.市販薬を買いに行こうか、市販薬が安全なのか心配。
3.早く治すために、医療機関を受診し、処方してもらう。

まずは風邪に対する基本的な考えをおさらいします。

風邪はウィルスによって引き起こされる病気です。インフルエンザウィルスなど、幾つかのウィルスは特効薬があり、それを使うことで早く治ることもあります。
しかし、ほとんどの風邪の原因となるウィルスには、特効薬はありません。
それでも人体には免疫力があり、ウィルスはやがて身体から駆除されて風邪は治っていきます。誰でも経験のあることですね。

風邪ひいたら薬で治す、は当たり前の様な事ですが、実は基本的に誤っています。

ほとんどの風邪薬は「対症療法」にすぎず、上に挙げた特効薬を除いて、「根治療法」にはなりえないのです。
例えば熱があれば解熱鎮痛剤、咳には鎮咳剤、鼻水は抗アレルギー剤、胃腸障害には胃薬や整腸剤、といった対症療法がありますが、それは症状を軽くして、自然治癒するまでの時間稼ぎに過ぎないのです。

ちなみに風邪のときに抗生物質を希望する患者さん、また処方される先生方も未だにみられますが、既に通常の風邪に対する抗生物質は、なんら効果が無い、とは医学界では通説となっています。何故なら風邪の原因はウィルスであり、抗生物質は細菌に対する薬なので、風邪を治すことが出来ないからです。

もちろん風邪を契機に細菌性の気管支炎や肺炎を予防する目的に抗生物質が処方されることもありますので、あながち誤りではありません。特に黄色や汚い痰が出始めているときには、細菌感染が併発している可能性があり、抗生物質が有用なこともあります。


要するに、「風邪は薬で治る」という「神話」は、誤りと言っても過言ではありません。

では、我慢するしかないのか、と思われるでしょうが、辛い症状、それを我慢して他に困ったことが起こっているときには、どうぞ薬を使いましょう。

熱で眠れない、咳でお腹が張ってしまう、鼻がひどくてぼーっとして危ない、など、それは対症療法を施すべきです。

でも妊娠している、授乳しているんだから薬は使えないのでは? そう思われている方も少なくありませんが、どの産婦人科医も、妊婦さん、授乳婦さんに安全に使える薬、これは風邪薬に限りませんが、大体把握しています。最近では内科の先生方も薬を処方して下さいます。

例えば「アセトアミノフェン」(商品名 カロナールなど)は、アレルギー性がほとんどなく、妊婦さん、授乳婦さん、小児に安全に使える薬として、全医薬品の中でも国際的な評価がとても高い解熱鎮痛剤です。
ただし、処方された使用量を必ず守って下さい。使用量をオーバーすることは厳禁です。

また妊婦さん、授乳婦さんへの投薬の大原則です。

より少ない種類を、最低限の期間だけ投与する。

多くの種類を服用することによるリスクを低減します。また内服量に比例して起こるトラブルを回避します。


また薬を使う時期には、少し注意が必要です。

通常排卵するまでの時期は、薬に限らずレントゲン撮影に至るまで、ほとんど赤ちゃんへの影響はありません。これは薬にもよりますが、排卵から5、6日後の、着床期まで言えることです。

着床してから妊娠反応が分るまで、つまり排卵後2週間後までは「All or None」と表現される時期です。
この時期、薬や放射線の影響を受けた場合、不幸にも受精卵に悪影響があると、流産となります。
しかし、この時期の受精卵には、DNA、染色体が損傷しても治ることが知られています。そのため、この後の時期と異なり、赤ちゃんに異常を来たして生まれることが無く、流産してしまうか、健常なお子さんが生まれるか、それゆえに「All or None」と言われるのです。

そして妊娠反応が見られる時から約4週間が最も薬、放射線の影響を受ける時期です。
この時期は「臨界期」と呼ばれ、胎児の重要な臓器が形成される時期で、不幸な薬剤の影響を受けた「サリドマイド」の経験から、その時期が規定されたのです。
もちろん、この時期でも、ほとんど影響が無い、と言える薬も少なくありません。ですからこの時期でも、上に挙げた辛い症状、困っているときには遠慮なく相談してほしいのです。

臨界期を過ぎる妊娠週数8週になると、赤ちゃんへの影響はほとんど見られませんが、花粉症などで使われる抗ヒスタミン剤(第2世代以降)では、妊娠16週まで口唇口蓋裂が発症する可能性があります。
ポララミンと言う第1世代の抗ヒスタミン剤では、経験上口唇口蓋裂は発症しませんが、副作用の眠気がとても強い薬です。

授乳中のお薬はどうしましょう。妊娠中と同じように、使える薬、母乳からの分泌がわずかで、赤ちゃんに影響がほとんどない薬も沢山ありますが、心配される薬を服用した場合、おっぱいを搾乳して捨てる、と言う方法もあります。と簡単に言えない面もありますけどね。


最後に、最初に挙げた患者さんたちの考えに対するお答えです。

1.赤ちゃんへの影響を考え、薬は使わない、自力で治す。
辛い症状は我慢せず、使える薬を飲みましょう。

2.市販薬を買いに行こうか、市販薬が安全なのか心配。
市販薬はあまりお勧めできません。通常、総合感冒薬ですよね、これは風邪の諸症状に対して、効果があります。熱だけ困っている方に、咳止めや鼻を抑える薬、必要ですか? 上に挙げた妊婦さん、授乳婦さんへの投薬大原則、です。

3.早く治すために、医療機関を受診し、処方してもらう。
これは実は根の深い問題が孕んでいます。日本では国民皆保険制(だれでも保険診療を受けられる)が整備されているため、医療機関での受診、投薬が諸外国に比べて、とても安く済みます。これは素晴らしい制度なのですが、いわゆるコンビニ受診、気軽に受診することを招きかねないのです。
受診を否定するわけではないのですが、それくらいの症状であったら薬を服用するほどではないでしょう、とお話しすることも少なくありません。
また、今後悪くなりそうだから薬を下さい、という考えにも賛同しかねます。もうお分かりだと思いますが、薬は対症療法に過ぎないからです。症状が現れなければ、対症療法はできません。では諸症状に対する複数の薬を、、。もうお分かりですよね。
posted by 桜井明弘 at 23:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 産婦人科一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月26日

妊娠中・授乳中の水道水摂取は安全なの?? 〜福島第一原発事故に伴う放射線被害について〜

通院されている妊婦さんから質問されました。果たして都内でも検出されている水道水の安全性は、どれくらいのレベルなのでしょうか。

色々な情報が出されています。政府や保安院、そして各自治体。我々産婦人科医のほとんどが所属している日本産科婦人科学会では、いち早く学会としての声明を出しました。少し詳しいですが、良くまとまっていて分かりやすいです。

これによると3/23の東京都金町浄水場の水道水の放射線汚染のレベルは、妊娠中毎日1リットル飲用しても、学会の安全基準の8%程度です。さらに国際的には安全限界を2倍にする動きがあり、また実際に赤ちゃんにはお母さんが取り込んだ放射線がさらに低地となります。影響があるレベルは、学会基準の10倍とする報告もあるようです。

すると、この水道水を妊娠中に飲用しても、お母さんが取り込んだ放射線量でさえ、赤ちゃんに影響のあるレベルの0.8〜4%に過ぎません。これが学会や自治体が、妊娠中に接種しても赤ちゃんへの影響が心配するレベルに無い、としている根拠です。

また実際に3/25には、水道水の放射線は、3/23に比べて低くなっています。

授乳へのレベルは、お母さんの摂取量のどれくらい低くなるか明らかではない部分もありますが、低くなることは間違いがありません。

これを受けて、学会では、妊娠中・授乳中の水道水の摂取は問題が無い、ただし他の飲料水がある場合は、万一のことを考えてそれを飲用するように、としています。乳幼児も同じです。

これらの情報は、今後変化する恐れもあります。特に降雨後は放射線レベルの上昇も予想されますので、最新の情報に注意してください。


このような動きの中で、頭の下がるニュースもあります。

まずは東京都内に持ち込まれた大量のミネラルウォーター。杉並区では職員の皆さんが、乳幼児を抱えるご家庭に、それぞれミネラルウォーターを配布したとのことです。
特に小さなお子さんがいらっしゃるお母さんは、店舗に駆けつけたり、長時間待つことは不可能です。このような優しい取り組みは大いに評価されるべきだと思います。

また実際に最も危険な原発で、放射線被害の拡大を防ごうとしている職員の方々には感謝を申し上げます。この原発事故で東京電力や原発に対する非難も上がってきています。被災された方や、上述したように不安を煽られた皆さんには、心から同情しますが、今この時間も東京電力の職員、作業員の方々は自らの危険を顧みず、まさに不眠不休、カロリーメイトしか摂れない状況で懸命の作業を続けている方たちが大勢いらっしゃいます。実際に被曝された方もいらっしゃいますし、自分の命と多くの我々国民の命を引き換えにするかのような、崇高な意識で作業し続けています。

確かに東京電力が、オール電化を推進し、国もIT化を推奨し、電気に頼る生活スタイルを作って来たことは否めません。が、我々国民がその恩恵を享受してきたのではないでしょうか。

東京圏に住んでいる我々の東京電力の電気を、東京電力圏外の土地に原発を建てさせて頂いて、その事故の直接的な被害を受けるのはその土地の皆さん。
計画停電や電車運行の不便さを日々感じながら、もう一度電力に依存した我々一人ひとりの生活スタイルを、また社会構造を見直して、考える必要を痛切に感じています。
posted by 桜井明弘 at 01:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 産婦人科一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月21日

流産してしまったあなたへ


せっかく妊娠したのに、残念ながら流産となってしまった皆さんへ。

出血があった時、お腹が痛かった時、基礎体温が下がってしまった時、妊娠反応が消えてしまった時、赤ちゃんが見えません、赤ちゃんの心拍が確認出来ません、と医師から告げられた時、絶句し、我が耳を疑い、先生の言葉が信じられず、そして自分自身を責めてしまいませんでしたか?

私が仕事をしてたから、安静にしなかった、様々に反省する声を聴きますが、流産の原因、一番多い、大多数を占める原因をご存知ですか?

その原因は意外かも知れませんが、授かった赤ちゃんの染色体の異常なのです。それは決して貴女に責任は無く、偶然そうなってしまったのです。

赤ちゃんは貴女の卵子とご主人の精子、それぞれの遺伝子が複雑に組み合わされ、漸く一人の人間の設計図である染色体の情報をもとに発生しますが、その組み合わせ作業の時にかなりの頻度で「ミス」が生じるのです。

生命の誕生は、多くのハードルを乗り越え、その成立自体が「奇跡」なのです、「ジーン・ワルツ」の曾根崎理恵先生も医学生に講義してました。貴女の生命も、ご主人も、身の周りの誰も彼も、引いては全ての生物、動植物までも「奇跡」なのです。

だから決してご自身を責めないで下さい。その理由は、妊娠してから寝たきりにしてても、入院してても、普段通りの生活を送っていても、流産になる確率は同じなのです。

繰り返して流産になってしまうのは、習慣流産、反復流産と呼ばれ、内科、婦人科的な異常が無いか調べてみる事も出来ます。

一人にならないで。私たちも全力でサポートします。

自分に自信を持って下さい。貴女は、貴女とご主人は、妊娠出来る身体です。次回はきっと上手く行きますよ、前を向いて歩き出しましょう。
ラベル:流産
posted by 桜井明弘 at 00:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 産婦人科一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月11日

排卵痛 〜排卵に関するいくつかの誤解〜

コメントでもいただきましたが、排卵痛=排卵があった、排卵日だった、と考えられない場合があります。

排卵痛の程度は、「毎月どちらの卵巣から排卵したか分かる」という方も、「これまで全く感じたこともない」という方まで、実に様々です。どちらも病的ではありません。

また生殖医療で通院し、排卵日が特定されるようになってから初めて、これが排卵痛なんだ、と分かるようになった方もあります。

それではなぜ、排卵痛が起こるのでしょうか。
排卵は卵巣の表面に出来た卵胞が破れて、中にある卵子が飛び出て卵管内に取り込まれる現象です。

卵巣の表面が破けることにより、出血をきたします。この出血量は多いことも少ないこともありますが、卵胞が破れるため痛みを感じる、というと、そうではないのです。卵巣には知覚神経がありません。よって、排卵をしても、採卵の際にも、卵巣が痛みを覚えることがないのです。

排卵痛の痛みの原因は、この卵巣からの出血です。そしてこの出血が腹膜の上に落ちて刺激になることで、腹膜が痛みを感じるのです。腹膜は、「腹膜炎」からイメージされるように、とても痛みに敏感な組織で、わずかな出血でもその刺激により大変痛みの症状が強い、ということが起こりえます。

またこの痛みを感じるタイミングですが、出血を痛みとして感じるので、必ずしも出血と同時、ではなく、排卵が起こって少ししてから痛みが出ることもあります。
またその出血が反対側の卵巣近辺の腹膜を刺激していたいこともありますから、これも必ずしも痛いほうが排卵とも限りません。

以前にも書いたように、内膜症の方では排卵痛が強い傾向にあります。また、不思議といつも同じ場所に痛みを感じる方もあります。まだまだ排卵痛、分かっていないことも、きっとあると思います。


排卵痛に関していただいたコメントを、こちらに移動させていただきました。勝手にすみません。


・補筆修正いたしました。
子宮体がん検診
いただいたコメントから、補筆いたしました。


メディカルモール・たまプラーザのブログ、好評連載中です。
今回の記事では、いよいよ出現したインフルエンザ感染情報を紹介しています。

ねむの木ブログで、アロマテラピー、紹介されています。

さくらスタッフブログ、アクセスが増え、シーサーブログで10000位以内をキープするようになって来ました。
シリーズ化している「健康維持Q&A 〜朝のむくみ〜」、最新記事です。
posted by 桜井明弘 at 23:50| Comment(16) | TrackBack(1) | 産婦人科一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月28日

カンジダ腟炎(外陰腟カンジダ症) 〜感染経路と症状〜

婦人科外来診療で、おそらくもっともポピュラーで、診る機会の多い疾患です。
そのため、お問い合わせも多いので取り上げました。

カンジダ、とは、真菌(かび)の一種で、健康な身体でも常在菌として存在しています。特に、肛門周囲や直腸内には多いとされています。他にも腋の下など、温かくて湿度のある場所は、よく検出されます。

たいてい湿度が高く、気温の高い、初夏から今くらいの秋口まで感染が多いですが、年間を通して発症がある、とも言えます。

健康な女性がカンジダに罹患して悩まされるのは、腟炎、外陰炎を起こして現れる「かゆみ」「おりもの」です。

かゆみは腟の入り口、を中心に、腟内、肛門に及ぶことがあります。時にかゆみは長期間に及び、外陰の皮膚が最初は赤みを帯び、長くなると掻いてしまうことにより皮膚の肥厚、白色を帯びてきます。この頃には治療も長期化する可能性があります。

おりものは「ぽろぽろとしたかすのような」「酒かすみたいな」と言う自覚が典型的ですが、細菌と混合感染すると必ずしもそうではなくなります。

罹りやすい方があります。妊婦さん、糖尿病患者さん、免疫抑制剤を使用している方、抗生物質使用後の方です。いずれも腟内の正常細菌叢が乱されるためです。

カンジダに罹ると、「性病ではないか(誰かから感染されたか)」「不潔にしていたからか」という質問を必ずと言っていいほどされますが、ともに「違います」と答えられます。上に書いたように、「健康な身体でも常在菌として存在」しているからです。

性病ではないのですが、パートナーも持っている可能性があるため、実際にはうつされている可能性もないとは言えず、パートナーは普通の石鹸洗浄で再発が防げることがあります。が、カンジダは性行為でしか感染しないSTIと異なります。名前が似ているためか、クラミジアと混同されていることも多いようです。

また稀ではありますし、重症化することはほとんどないのですが、妊婦さんが罹ると赤ちゃんへの感染も起こり得ます(鵞口瘡)。
産道で分娩時に感染すると考えられていますが、赤ちゃんの重症化は少なく、簡単な薬物療法で治りますので、特別な心配は要らないと思います。

関連記事は、
カンジダ腟炎(外陰腟カンジダ症) 治療と再発予防

カンジダ外陰腟炎にかかりやすい疾患

です。併せてご覧ください。
posted by 桜井明弘 at 01:34| Comment(5) | TrackBack(0) | 産婦人科一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月14日

卵巣出血

コメントを書いていただいた、「卵巣出血」について書きます。

卵巣出血は、その名の通り、卵巣から出血をする病態で、月経期の中で排卵後、すなわち「黄体期」に出血することが圧倒的に多く、「黄体出血」とも呼ばれます。しかし黄体期のみに起こるわけではなく、排卵期、卵胞期の順で、月経周期のどの時期でも起こりえます。

排卵した卵胞は、「黄体」化しますが、黄体の形はさまざまで、内部に出血を含んだ「黄体血腫」となることもあります。それは時に8cmくらいに腫大することもあり、それだけで痛みを起こすことがあります。

卵巣出血となるのは、主に性交後が多く、性交の刺激により黄体から出血を来たします。お腹の中にある臓器、卵巣からの出血は、出血している血管を抑えられることが無いため、出血が持続します。
お腹の中にたまった出血は、腹膜を刺激し、このため腹痛の原因となります。

痛みの程度はさまざまですが、救急車で受診するほど痛みが強いことがあります。ほとんどが安静を保つことで止血にいたり、出血が増えないことが確認されれば安心ですが、時々その出血が止まらないため、緊急手術で出血点を止めなければならなかったり、止まりにくくなっていると卵巣摘出の可能性もあります。また出血量によっては輸血をしなければなりません。

時々卵巣出血を繰り返す方があり、その場合には血液の凝固機能を調べ、出血傾向が無いか確認します。

予防法はこれといってなく、黄体期に性交渉を避けることがもっとも頻度を減らすことができますが、おそらくこの時期の性交渉のうち、卵巣出血となってしまう場合はごくわずかで、また黄体期以外、さらに性交渉が無くても起こることがあるため、有効な手立ては無い、と言えます。

いずれにしても、おかしいな、と思ったら、早いうちに受診することをお勧めします。


この記事の掲載に伴い、子宮内膜症のコンテンツトップにいただいたコメントを、勝手ながらこちらに移動させていただきます。コメントありがとうございます。


さくらトリートメントのブログで、好評の「第4回 なちゅらるHappy Life教室」のお知らせです。今回も定員到達必至ですので、お早めにどうぞ。


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9月に行われたアロマ教室、ナチュラルリキッドソープ作りについてのリポート」是非お読みください!
posted by 桜井明弘 at 23:51| Comment(56) | TrackBack(0) | 産婦人科一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月02日

妊婦さんにもシートベルト

自動車に乗ったときにシートベルト、は、6月から道路交通法が改正され、後部座席にも適応、また大型のバスでも全座席での着用が義務付けられました。

先日の報道で、これまで腹部を圧迫するため対象外とされていた、妊婦さんのシートベルト着用義務が、日本産科婦人科学会や研究者により、むしろ胎児への安全を考えると着用すべきである、という考え方に変わってきました。

腹部が圧迫するシートベルトは、妊娠中は苦しかったりしますので、横のベルトは子宮の下、腰骨の辺りに通し、また斜めのベルトも腹部を避けるように着用するようです。

罰則規定はない、とのことですが、万一の事故に備えて、お母さんと赤ちゃんの安全を守るため、着用をお勧めします。

(2008年9月11日 読売新聞を参考に)


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posted by 桜井明弘 at 23:57| Comment(2) | TrackBack(1) | 産婦人科一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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