2014年09月26日

遅延排卵 〜排卵障害〜

排卵障害の中でも最も軽症で、場合によっては異常ととらない、また妊娠も可能であることが多いのが、この「遅延排卵」の状態です。

患者さんは、「月経周期が長い」とか、「なかなか高温期にならない」と感じているのではないでしょうか。

排卵、超音波.jpg

正常月経周期は25-35日と定義されており、そうすると排卵日は大体10-20日目、ということになりますが、排卵日が20日目を過ぎるようであるとこの「遅延排卵」の状態であるといえます。
遅延排卵がある方、いつも遅くなる方と、周期によって遅延するときと20日以内に排卵する、という方もあります。

上に書いたように、遅延した周期でも妊娠は可能ですが、妊娠率は低下する傾向があります。月経からゆっくりと発育した卵子よりも、早い発育のほうがいい卵、と言った意見もありますが、実際には良い卵が排卵できれば早くても遅くても妊娠率には変わりはないと思います。

むしろ排卵日が遅い、または一定しない、と言うことから、妊娠率が低くなる可能性があり、ましてや妊娠されたあとの、赤ちゃんへの良し悪しを言っているのではありません。

遅延排卵があった場合、不妊治療では排卵誘発剤が適応となります。
軽度の排卵障害のため、通常注射剤を用いることは無く、作用の弱い内服薬、クロミッドかフェマーラを最低量服用するだけで十分効果が期待されます。

初出:2008年7月26日
補筆修正:2014年9月26日


posted by 桜井明弘 at 09:09| Comment(2) | TrackBack(2) | 卵巣機能不全・排卵障害 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年03月26日

卵巣機能異常・排卵障害をもたらす疾患 〜卵巣機能不全・排卵障害〜

卵巣機能異常・排卵障害を理解するために、「疾患」と「病態」と「症状」を混同しないようにしなければならない、と書きましたが、いよいよ今回から疾患について触れます。

卵巣機能異常・排卵障害をもたらす疾患には以下のようなものがあります。

・視床下部性卵巣機能不全
・下垂体性卵巣機能不全
 中枢性卵巣機能不全とは
・多嚢胞性卵巣(PCOS)
 インスリン抵抗性
高プロラクチン血症
 薬物性
 下垂体腫瘍
 特発性
・摂食障害(体重減少と体重増加)
ストレスによる異常
・高アンドロゲン血症
年齢による卵巣機能の変化
 早発閉経
甲状腺機能異常糖尿病、膠原病などの内科疾患

卵巣機能異常・排卵障害を考えたときに、これらの全てを一つ一つを検査したら大変です。お話を伺いこれまでの経過を参考に、疑わしいものから検査していきます。またホルモン検査(基礎値)では上に挙げたいくつもの病態をまとめて検査することができます。

また、原因疾患は上に挙げたものを、同じ患者さんでオーバーラップして持っていることもありますし、たとえば多嚢胞性卵巣は高アンドロゲン血症や高プロラクチン血症を合併しやすい、同じく糖尿病やインスリン抵抗性を呈しやすい、などのこともあり、その病態は複雑であることが多いです。

今後このシリーズで、これらの疾患について書いていきたいと思います。

(2013年3月26日 修正)
(2008年12月14日 初出)
posted by 桜井明弘 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 卵巣機能不全・排卵障害 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月18日

高プロラクチン血症

Twitter上で、「下垂体腫瘍のため、脳外科手術を受けた」方のツイートが、多くリツイートされていたため、急遽執筆しました。

高プロラクチン血症、血液中のプロラクチン濃度が高くなる病気で、原因は
・薬剤性
・下垂体腫瘍
・特発性
・ストレス
に大きく分けることが出来ます。

プロラクチン、とはどんなホルモンなのでしょうか。

授乳中に母乳を作るため。乳汁分泌ホルモン、とも呼ばれています。

当然授乳中のお母さんたちは、採血すればとても高い値を呈します。
妊娠中にも高くなってきますが、妊娠前から高い場合が病的とされるのです。

症状は、有名なところで乳漏症。乳首から母乳が出ます。ただし授乳婦さんとは異なり、沢山出ることは少なく、また白と言うよりも透明であったり、よく見ると滓が付着している、程度のことが多いですが、かなりご本人も驚くことが多いようです。

そして月経不順。最も悪ければ無月経。無排卵のことも、また単に月経が不順なだけのこともあります。もちろん無症状で産婦人科でホルモン検査をして初めて分る場合もあります。

また以前より、高プロラクチン血症の患者さんから得られる卵子、高度生殖医療の場合に分るのですが、受精しても良好胚でない、つまり卵の状態があまり良くない、ということもよく言われています。

さて、血液検査の結果、プロラクチンが高い場合はどうすればいいのでしょうか。

上にも挙げたように、プロラクチンが高くなる原因の一つに、ストレスがあります。
これは当院の患者さんでプロラクチンを研究されている先生がいらっしゃいますが、プロラクチンの話題で診療中に盛り上がりました。マウスなどでもストレスをかけることで、プロラクチンが上昇します。
この場合のストレス、とは、精神的、肉体的いずれも含みますが、プロラクチンが高い時には再検査が必要です。

再検査をしてもほとんど同じレベルのプロラクチンの値であれば、脳のMRI検査が必要です。
高プロラクチン血症の原因の一つに、脳にあるホルモン中枢、下垂体にプロラクチンを産生するプロラクチノーマ、という良性の下垂体腺腫があるからです。

妊娠を希望されていない、下垂体腺腫もない、月経もほとんど順調であれば、治療対象とならないこともあります。

しかし大きな下垂体腺腫は脳外科で手術が必要となることもありますし、小さな腺腫は薬物療法を行います。

症状のある、また妊娠を希望されている方の高プロラクチン血症も、薬物療法を行います。

薬物療法については、また記事を書きたいと思います。
posted by 桜井明弘 at 00:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 卵巣機能不全・排卵障害 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月15日

中枢性卵巣機能不全 〜視床下部性卵巣機能不全・下垂体性卵巣機能不全とは 卵巣機能不全・排卵障害をもたらす疾患〜

視床下部、下垂体が原因で起こる卵巣機能不全は、「中枢性卵巣機能不全」とも呼ばれます。視床下部、下垂体、ともに脳の一部にあり、卵巣機能を司る、まさに「中枢」といえます。

この病態を理解するためには、視床下部―下垂体―卵巣の機能を理解しなければなりません。

視床下部は卵巣から分泌されるエストロゲン(E2;エストラジオール)の血中濃度を敏感に察知し、エストロゲンが低下しているときにLH-RHというホルモンを分泌して下垂体を刺激します。下垂体はその刺激によりFSHと少量のLHを分泌し、卵巣を刺激し始めます。これが月経期から排卵前に起こる現象です。主にFSHの刺激により、卵巣には卵胞が発育し、卵胞の中には卵子が育ち、卵子を取り巻く顆粒膜細胞からE2が分泌されます。やがて卵胞が充分成熟し、E2がそれにともない高値に達すると(自然周期では200pg/ml)、再び視床下部が察知し、下垂体を刺激、今度は下垂体からLHの分泌が起こります。これがLHサージです。
LHサージにより卵胞は排卵し、卵子が卵胞から卵管内に取り込まれることにより、その頃卵管内に達した精子と出会い、受精が起こり、やがて妊娠にいたるわけです。

卵胞は排卵後、内部に出血を来たし、黄体化します。黄体から黄体ホルモンであるプロゲステロンが分泌され、高温期が作られ、これが2週間すると消褪するため月経が起こります。
月経期にはE2値が最低値になるため、再び視床下部が働き始め、LH-RHを分泌して下垂体を刺激。。。
と、視床下部に起因し、下垂体を介した卵巣の働きにより毎月月経が起こる、妊娠の機会を迎える、という流れがお分かりでしょうか。

少し難しいですね。産婦人科医の中でもこの働きを充分理解できないくらい難しいのです。

これら「中枢」の異常により引き起こされる卵巣機能不全ですが、視床下部の機能が悪ければ下垂体を刺激できない、下垂体の機能が悪ければ視床下部からの刺激を卵巣に伝えられないため、「症状」である無月経や月経不順、不正出血が来たされるのです。

視床下部・下垂体の機能異常を疑うのは、下垂体から分泌されるLH、FSHが低値を示すとき。LH、FSHが正常でも視床下部の機能が異常である場合があります。大切なのは、中枢性卵巣機能不全が疑われた場合、その責任部位が視床下部であるか、下垂体であるかを見極めることです。

まず第一に原因と治療法が異なります。そして重症度が異なります。

次回はこの点に触れたいと思います。


さくらスタッフブログ、「12月のプリザーブドフラワー」、来院された方はもうご覧になりましたか?
これまでのプリザーブドフラワーも、可愛らしい作品が多かったですが、今月のものは必見です。年末にふさわしくゴージャス。手作りしたスタッフをほめてあげたいです。写真を撮って帰る方もいらっしゃいますよ。
posted by 桜井明弘 at 00:00| Comment(3) | TrackBack(0) | 卵巣機能不全・排卵障害 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月23日

卵巣機能異常・排卵障害の検査

卵巣機能の検査、排卵障害の有無を診るのは、

基礎体温
・ホルモン検査(基礎値)
・超音波検査

がベースとなり、必要に応じて

・排卵期ホルモン検査
・黄体期ホルモン検査

を行います。

基礎体温の意味、重要性についてはたびたび触れてきました。
ホルモン検査(基礎値)に関して、不妊スクリーニング検査で触れましたが、このシリーズで詳しく解説します。
超音波検査は経腟的に行い、卵巣の状態・大きさ、卵胞発育の状態、排卵後黄体形成の有無、子宮内膜の厚さや状態・大きさを診ます。
ほとんどの異常は、この3つの検査で診断が可能です。

「LHサージ遅延」は排卵期のホルモン検査が必要です。卵胞が成熟した大きさになっているにもかかわらず、LHサージが起こらない、あるいはLHサージが遅れる病態を診断するためです。
「黄体機能不全」は黄体期ホルモン検査で診断します。不妊だけでなく、黄体期の不正出血、不育症の原因となる病態です。LUFもこの黄体期の血液検査値が重要な決め手となります。

このように並べると多くの検査が必要に感じますが、基礎体温は普段からご自身で付けていただき、ホルモン検査(血液検査)と超音波検査を必要に応じて行ないます。この後、ホルモン検査(基礎値)について詳しく書きます。



おかげさまで、シーサーブログ、500位以内にランキングされるようになってきました。これからも皆さんのご意見を反映しながら、興味深い記事を書いていきたいと思います。

さくらスタッフブログもアクセスが増え、シーサーブログで10000位以内をキープするようになって来ました。
行ってきました! ねむの木 つづき」は、竹本さんのねむの木リポート続編です。
posted by 桜井明弘 at 01:52| Comment(5) | TrackBack(0) | 卵巣機能不全・排卵障害 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月10日

無排卵(卵胞発育不全)

排卵障害の中で、最も重症型になります。

卵胞自体が発育しないため、無月経、あるいは不正出血を繰り返します。
もちろんこのままでは妊娠することができません。

原因疾患を挙げるときりが無いほどで、これらの原因疾患は後日掲げますが、特別な原因が分からないことも多いです。

主な検査は基礎体温、ホルモン検査、超音波検査で、これに内科的な原因を探る血液検査が追加されることもあります。

治療法もまた後日書きますが、排卵誘発剤(内服、注射)やホルモン療法(カウフマン療法、ホルムストローム療法、ピンカス療法)、また内科疾患が基礎にある場合は、その治療も必要となります。


10月のお知らせ
10月23,24日の両日、午後休診であることがわかりにくかったため、修正しました。


さくらトリートメントの竹本さんのブログ「ねむの木便り 〜新宿御苑より愛をこめて〜」に昨日行われた「第3回 なちゅらるHappy Life教室」の模様が載っています。参加された方、したかった方、できなかった方、次回考えている方、皆さんにぜひお読みいただきたいと思います。

・ちょっと予告
メディカルモール・たまプラーザからもブログが発信される!?
乞うご期待です。
(10/2のブログでお伝えしたように、執筆開始しています。どうぞご覧ください)
posted by 桜井明弘 at 23:56| Comment(8) | TrackBack(0) | 卵巣機能不全・排卵障害 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月17日

LHサージ不全

これまであげてきた「排卵遅延」「LHサージ遅延」「LUF(黄体化未破裂卵胞症候群)」よりも重い状態です。

卵胞が発育しない、狭義の「無排卵」とは異なり、卵胞発育は見られます。
しかし「LHサージ遅延」で書いた、排卵のきっかけとなるLHサージが起こらないのです。

下垂体から分泌されるホルモン、LHとFSHがありますが、FSHは卵胞発育に、LHは発育した卵胞を排卵させる働きがあります。

下垂体の機能異常では、LHもFSHも分泌されない状態と、LHだけ、あるいはFSHだけ分泌がよくない状態もあります。

FSH分泌が正常で卵胞発育は起こる、ただLH分泌が異常なためLHサージが起こらず卵胞が排卵しない、といった病態です。

卵胞発育にはFSHだけでなく少量のLHが必要なため、この病態の方は卵胞発育が遅い、排卵遅延を伴うことが多いです。

治療はクロミッドで卵胞発育を助け、hCGのLH作用で排卵させます。
妊娠を希望する前では、クロミッドで卵胞発育のくせをつけるように刺激をしておくか、黄体ホルモン投与だけで毎周期消褪出血を起こしておくか、の治療を選択します。


posted by 桜井明弘 at 22:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 卵巣機能不全・排卵障害 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月16日

LUF(黄体化未破裂卵胞症候群)

一時期、不妊原因のひとつとして、このLUFが非常に注目を集めていました。
LUF、Luteinized Unruptured follicle、日本語では黄体化未破裂卵胞症候群、頭文字から、「ルフ」と呼ばれています。

LUFでは、LHサージは正常に起こり、ホルモン動態は黄体期(高温期)となるのに、卵胞が排卵していない、黄体期になっても大きめの卵胞として残存、そのときの黄体ホルモンの分泌値が低い、と、診断自体は難しくありません。

毎周期LUFになる方と、LUFの周期が時々ある方があります。

卵胞が排卵していないので、中の卵子が卵管内に取り込まれず、不妊になります。

原因としてさまざまな病態が言われていますが、現在では主に
(1) 卵巣周囲癒着
(2) (潜在性)高プロラクチン血症
が挙げられています。

卵巣周囲癒着は、クラミジア感染子宮内膜症、術後癒着などで引き起こされ、卵胞の表面に癒着があるため、機械的に卵胞が破れない、破裂しない状態です。
高プロラクチン血症がなぜLUFを起こすのか、詳しい機序は分かっていませんが、関連があるということです。

治療法は、まずLHサージの代わりに排卵前にhCGを投与することから始めます。
内因性の(ご自身の下垂体から分泌される)LHの分泌量が不足している場合、hCGで強力に排卵を起こします。hCGはその製剤によって、3000単位、5000単位、10000単位、と量が異なるため、少量から徐々に増量して用います。

10000単位でも排卵しない、LUFである場合、卵巣周囲癒着が疑われる方には手術的に癒着を剥離する方法、または体外受精を、高プロラクチン血症の方はプロラクチンを抑える薬、現在ではカバサールが最も多く使われています。
posted by 桜井明弘 at 23:28| Comment(6) | TrackBack(1) | 卵巣機能不全・排卵障害 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月15日

LHサージ遅延 〜排卵障害・卵巣機能不全〜

排卵が起こるきっかけは、卵巣に卵胞が発育し、下垂体からLHが多く分泌される状態、LHサージが起こることによります。LHの刺激で卵胞がつぶれ、卵子が卵胞から卵管内に取り込まれる、これが排卵です。

排卵障害の中でも、前回の排卵遅延は、卵胞発育が遅い状態。
今回のLHサージ遅延は卵胞が成熟した大きさになっているにもかかわらず、なかなかLHサージが起こらない状態です。

たとえば、自然周期での排卵する卵胞径、卵胞の大きさですが、平均的には20mmとされています。実際に臨床的に見ても大体18mmから22,23mmくらいでしょうか。

ただ、いつも25mmくらいを超えないとLHサージが始まらない、これをLHサージ遅延、としています。尚、このLHサージ遅延は、認知された病名ではありません。
他のさまざまな因子が関与するため、一概には言えませんが、20mmくらいの排卵と、25mmを超えてからの排卵では妊娠率が異なります。

体外受精で得られた卵子を見ると、やはり至適な大きさの卵胞から得られた卵子のほうが受精率が高く、これから考えると、大きくなってしまった卵胞内の卵子は、「過熟」の状態で、受精率が下がってしまう可能性があります。

もちろん、25mmで排卵になっても絶対に妊娠しない、のではなく、相対的に妊娠しにくい可能性がある、という意味です。

数周期LHサージ遅延の状態が確認され、他に不妊因子が無い場合、LHサージ遅延が原因ではないか、と考えますが、治療法は難しくなく、卵胞径が20mmくらいで排卵させるのです。排卵調整に用いるhCG製剤を投与することで可能です。
一方で、排卵自体は起こっているので、妊娠を希望していないうちは、治療の必要がない、ともいえます。


産婦人科クリニック さくら スタッフブログ、連載中です。
前回のさくらトリートメントアロマ講習会レポートです。私の知らぬ間に「なちゅらるHappy Life教室」って名前に変わったんですねえ。いい名前です。
第3回のご案内もしています。
posted by 桜井明弘 at 23:46| Comment(0) | TrackBack(1) | 卵巣機能不全・排卵障害 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月18日

排卵障害 〜卵巣機能不全・排卵障害〜

卵巣機能不全について書いていますが、今日は卵巣機能不全の中でも「排卵障害」のラインナップをご紹介します。

「排卵障害」というと、排卵してないこと、と理解されやすいですが、我々の概念ではそれは狭義の排卵障害です。
広義の排卵障害には以下の病態が含まれています。
軽症の状態から並べると、

排卵遅延
LHサージ遅延
LUF(黄体化未破裂卵胞症候群)
LHサージ不全
無排卵(卵胞発育不全)

となります。
それぞれが「疾患名」として認知されているものではなく、あくまでもさまざまな排卵障害の病態を示した名称で、どの産婦人科の先生も同じ呼び方をしているわけではありませんのでご注意ください。

次回以降、これらの病態について書いていきます。


・関連記事修正
排卵障害・卵巣機能不全


・さくらトリートメントの竹本さんのブログで「月経期の過ごし方」が書かれています。


産婦人科クリニック さくら スタッフブログ、連載中です。
院長ブログを抜きました!」です。院長ブログを抜いたとは? シーサーブログ、ランキング10,000位までもうすぐ!
posted by 桜井明弘 at 23:56| Comment(0) | TrackBack(3) | 卵巣機能不全・排卵障害 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月06日

卵巣機能異常とその診断 〜卵巣機能不全・排卵障害〜

卵巣機能異常、と言っても、一言では言い表せない、多くの症状、そして多くの原因があります。
起こっている症状から、予測される原因を追究し、治療を行っていく、という順で治療は進みます。

前回のイントロダクションで述べたように、正常卵巣機能、
・排卵日が月経開始後10〜20日目に起こっていること
・高温期が10日以上持続していること
を逸脱している場合や不正出血、月経期間が長い遷延月経、出血量が少ない過少月経などの症状が見られる場合、排卵障害や卵巣機能不全を疑います。

もちろん、これまでずっと順調だったのに、今回初めて上に挙げたような異常が見られた、私は異常なのか? と思い悩むことはないです。1年に数回、位の割合で異常が見られることがすなわち「異常」ではないからです。

ただ、自分ではどうしても正常と思い込もうとしている、反対に異常と判断している、というように、ご自身で「正常」「異常」を見極めることは難しいことが多いです。このあたりは我々の出番だと思います。ぜひお手伝いしたいと思います。

ご自分で出来る最も有用な検査は、言うまでもなく基礎体温です。基礎体温だけで全てが分かるわけではありませんが、日々の変化、排卵の有無、卵巣の機能をある程度評価できます。基礎体温はどうしてもつけられない、続かない、という方、体温を測った日だけでも表にしませんか? もっと譲って(?)出血のある日付だけでもメモしてみてください。
診察所見と併せて診断に役立てることが出来ると思います。

次回は排卵障害について触れたいと思います。

posted by 桜井明弘 at 23:22| Comment(7) | TrackBack(2) | 卵巣機能不全・排卵障害 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月27日

排卵障害・卵巣機能不全

月経不順や不正(性器)出血、月経期間が長い遷延月経、出血量が少ない過少月経などの症状は、排卵障害・卵巣機能不全によるものも考えられます。

そもそも卵巣機能が正常、とは?

毎月規則正しく月経が訪れること、こういう方は「ほとんど」の場合、卵巣機能は正常、といえます。
では反対に月経が早くなったり遅くなったりします、これは卵巣機能が異常?
そうともいえますが、必ずしもそうではないこと多いです。

この二つの質問、解答は排卵をしているか、排卵後の高温期(黄体期)が正常であるか、を知ることで正常、異常を説明できます。

正常卵巣機能は、

・ 排卵日が月経開始後10〜20日目に起こっていること
・ 高温期が10日以上持続していること

と規定できます。
ある程度、周期によるばらつきは異常ととりません。上の正常の状態が数ヶ月に一度くらいずれてしまってもすなわち異常ではありません。

これらを知るのはやはり基礎体温が一番だと思います。通院、診察を受けない期間に、排卵しているか、高温期は正常か、といったことをご自分でも知ることができますし、ご自身では判定できない場合、受診時に見せていただければ一緒に読みながら判定することができます。

受診時には、子宮や卵巣に異常がないか、これは子宮筋腫や卵巣のう腫などの器質的疾患がないか、卵巣の機能ではなく、こういった病気で最初に挙げた症状が出ているのではないか、といったことを内診、経腟超音波で確認をします。
その上で初めて卵巣の機能に絞った検査、治療を考えて行きます。

ここまで書いて、このテーマも多くの内容が含まれているため、やはりシリーズ化して書いていったほうがよさそうだな、と思います。
以下に思いつくままに内容を書いてみます。その記事を書いたら順次リンクしますが、コンテンツは後で加筆、修正することがありますのでご了承ください。

卵巣機能異常の概念
卵巣機能異常とその診断
排卵障害
 ・排卵遅延
 ・LHサージ遅延
 ・LUF(黄体化未破裂卵胞症候群)
 ・LHサージ不全
 ・無排卵(卵胞発育不全)
・ 卵巣機能異常・排卵障害と不妊
卵巣機能異常・排卵障害の検査
卵巣機能異常・排卵障害をもたらす疾患
  多嚢胞性卵巣(PCOS)
  高プロラクチン血症
  摂食障害(体重減少と体重増加)
  ストレスによる異常
  高アンドロゲン血症
  年齢による卵巣機能の変化
・ 卵巣機能異常・排卵障害の治療

これまでの子宮内膜症シリーズなどのように、皆様からのご質問も随時受け付けますので、お気軽にコメント、書き込んでください。皆様からのコメントで、予定する記事内容も随時変えて行きたいと思います。


産婦人科クリニック さくら スタッフブログ、連載中です。
今回は「健康維持つづき」と題して、前回の「健康維持」の続編を載せています。この時期にお役に立つ情報、と思っています。
posted by 桜井明弘 at 23:54| Comment(10) | TrackBack(5) | 卵巣機能不全・排卵障害 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。