2018年10月26日

不妊と子宮内膜症 その原因

子宮内膜症シリーズ、不妊との関係を再アップします。

不妊症の原因の一つに子宮内膜症があります
内膜症があっても妊娠される方もあり、内膜症は絶対不妊の因子ではなく、相対的不妊因子です。

なぜ内膜症が不妊因子になるのでしょうか。

新しく記事にしました

このブログの記事は、新しくなった当院のホームページ内の院長ブログへ随時お引っ越ししています。

(初出:2007年11月)
(補筆修正:2008年11月28日)
(補筆修正:2015年3月27日)
(補筆修正:平成30年10月26日)


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卵巣チョコレートのう胞

卵巣に内膜症病変が発生し、卵巣の中に血液がたまる病態があります。古くなった血液が、あたかもチョコレートを融かしたように見えるので、「卵巣チョコレートのう(嚢)胞」と呼ばれます。病気の名前にお菓子の名前が付くなんて、最初は珍しいな、と思いましたが、国際的にも「Chocolate cyst」でも通じます。

チョコレートのう胞は、その血液がたまるため、卵巣が腫大します。しかし、他の卵巣のう腫に比べて、茎捻転は起こしにくいです。茎捻転とは、卵巣のう腫がある程度大きくなると、一般的には5cmくらいからですが、卵巣の付け根の部分を「茎」とし、のう腫が回転(捻転)することで、この「茎」には卵巣を栄養する血管がありますから、卵巣に血液がいかなくなり、悪い言葉で言えば、卵巣が腐ってしまいます(壊死)。このときに非常に強い痛みを突然起こすことがあり、これを卵巣のう腫茎捻転といいます。
チョコレートのう胞は内膜症ですから、前に書いた「癒着」を多かれ少なかれ伴うことが多いです。チョコレートのう胞は、周りの卵管、子宮、骨盤壁、腸管に癒着していることが多いので、茎捻転はほとんど起こしません。

しかし、チョコレートのう胞が出来ることによる圧迫された痛み、周囲の癒着による痛み、茎捻転ではなく破裂する可能性、チョコレートのう胞があると排卵される卵子の質が低下する可能性、わずかながらもチョコレートのう胞のがん化も言われており、チョコレートのう胞は治療の対象となることが多いです。

治療の適応は、症状と大きさによります。
痛みがある場合、まずは鎮痛剤を使いますが、鎮痛剤が効かなければ、内膜症に対する治療の適応です。不妊症の場合、卵巣チョコレートのう胞 また大きさはおおむね5cmくらいを超えた場合に治療の適応となります。

治療は、「子宮内膜症の治療、ラインナップ」をご覧下さい。

その他、最近チョコレートのう胞のがん化がよく言われるようになりました。
年齢や大きさでがん化のリスクが異なります。チョコレートのう胞全体からみると、がん化するのは僅かですが、他方、卵巣がん全体でみると、40〜50歳代でチョコレートのう胞ががん化した方、決して珍しくないのです。
がん化については、別に書きました。

(平成30年10月26日修正)
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2017年02月07日

偽閉経療法の工夫 〜継続のための副作用対策〜

偽閉経療法は、子宮内膜症薬物療法の中で、最もエストロゲンの分泌レベルを低下させる、最も効果が高い治療法です。

反面、副作用としての更年期障害様症状が見られ、このため治療を継続できない方もあります。

この副作用を軽減する治療法について解説しています。

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2017年2月7日更新
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2016年12月28日

OC(低用量ピル) 〜子宮内膜症の治療法〜

この子宮内膜症シリーズも、いよいよ佳境に入ってきました。

現在の産婦人科診療において、非常に大きなウェイトを占めるOC、今さら低用量ピル、と説明しなくてもいいくらい、OCという言葉は市民権を得ています。
子宮内膜症治療としてのOC/LEPについて、更新した記事の続きはこちらをご覧下さい

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2016年12月28日更新


OCの副効用について、こちらのリンク先記事をご覧下さい。
月経痛
PMS(月経前症候群)
排卵痛
不正出血、月経不順
過多月経
にきび、肌荒れ
子宮内膜症(子宮腺筋症も含む)
子宮筋腫
・ 卵巣がん、子宮体がん
・ 良性乳房疾患
など
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「ディナゲスト」 〜子宮内膜症の内服治療薬〜 (2013年2月28日補筆修正)

2008年1月21日に、子宮内膜症の新しい治療薬が発売されました。

内膜症の内服治療薬は、実にダナゾール以来です。

子宮内膜症や子宮腺筋症に用いるディナゲストの更新した記事の続きはこちらをご覧下さい

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2016年12月28日更新
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偽閉経療法

子宮内膜症や子宮筋腫、といったエストロゲン依存性疾患は、エストロゲンが分泌されている年齢に特有の病気です。つまり、月経がある間に悪化し、閉経後は徐々に病変が小さくなっていきます。

「偽閉経療法」は注射や点鼻薬により、卵巣の活動性を停止させ、ひいてはエストロゲン分泌を低下させる方法です。つまり偽りの、一時的な「閉経」状態を作り出しますため、「偽閉経療法」と呼ばれています。

投与法は上にあげたように注射剤と点鼻薬があります。

更新した記事の続きはこちらをご覧下さい

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2016年12月28日更新
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2016年12月25日

ディナゲスト再考 〜子宮内膜症の治療法〜

子宮内膜症治療薬「ディナゲスト」の治療効果と副作用対策について書いています。

ディナゲストは、「ジェノゲスト」という名前の黄体ホルモン製剤で、低用量ピル(OC)に含まれている黄体ホルモンが改良、改善されたいわゆる「第4世代」の黄体ホルモン製剤です。

この黄体ホルモン製剤の開発の経緯は、いかに「アンドロゲン活性がない(=男性ホルモン作用がない)」黄体ホルモン製剤を作るか、に尽きると言っても過言ではありません。
これはニキビや肌荒れ、多毛などの副作用を軽減する、ということです。

記事の続きはこちらをご覧下さい

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2016年12月25日更新
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2016年12月21日

子宮内膜症 〜子宮内膜症って?〜

子宮内膜症は私の専門の一つでもあり、これまで書いてきた記事に対して、大変重い気持ち、責任感を抱いています。生半可なことは書けないな、と思う一方で、一人でも多くの方に読んでいただきたい、といった決意です。

子宮内膜症は主に2つの症状により、女性のQOLを低下させています。
それは「疼痛(痛み)」と「不妊」です。

子宮内膜症と一言で言えないくらい、病気の程度は様々で、病態も多岐にわたり、更に治療法も沢山あります。

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記事の続きはこちらをご覧下さい

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2016年12月21日更新
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2016年01月12日

子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫の治療、ラインナップ、改訂しました。

昨年末の偽閉経療法製剤「リュープロレリン」のジェネリック医薬品の導入に伴い、1年ぶりに「子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫の治療」(旧「子宮内膜症の治療、ラインナップ」)を改訂しました。

子宮内膜症、腺筋症、筋腫の治療法160112.jpg

子宮内膜症治療、このブログでもこれまで度々触れてきました。

治療法は、手術療法、薬物療法、の順に並べ、大まかに治療効果が高い、治療費用が高い、治療による侵襲が大きい順になっています。
効果が高いものほど、治療費用がかかり、やはり身体への影響も大きくなっています。
この治療効果、侵襲、は、それぞれ患者さんの病気などにも大きく左右される為、一般的な目安と考えて下さい。


根治性を求めれば手術療法が、姑息的(医学的には根治的に対する言葉で、一般に使われるような、悪い意味ではありません)な方法で、なるべく治療費用をかけたくない、身体にストレスをかけたくない、のであれば下に並んだ方法を選びます。

手術療法として、「子宮摘出または卵巣摘出」は、内膜症を抱えてらっしゃる世代には当てはまらないことが多いのですが、理論的には最も効果が高い、再発の恐れが全く無い方法で、現在でも産婦人科の成書(権威が執筆し、標準的治療が解説されている、いわゆる「教科書」)には、唯一の根治療法、として紹介されています。ただ、内膜症の世代はこれからお子さんを作る世代であることが多く、事実上治療法のラインナップとして外れることが多いです。

治療効果として我々がEBMをもってお勧めしているのが上からOCまでです。
鎮痛剤の一部にも内膜症の痛みだけでなく内膜症そのものの治療効果の可能性も言われています。
漢方、健康食品にはEBMはありませんが、治療効果が見られることもあり、この辺りも調べてお伝えして行きたいと思います。

治療法の一覧、ごらん頂いていかがでしょうか。分かりにくい、これはどうか、といったご質問などお寄せいただけると嬉しいです。


関連記事加筆修正
子宮内膜症 〜子宮内膜症って? 今後の記事のご案内〜
子宮内膜症って? 〜子宮腺筋症〜


産婦人科クリニック さくらでさくらトリートメントを担当していた温活のエキスパート、竹本昌栄さんが、万病の元、「冷え」について執筆しています。

お気づきですかひらめき
左の「カテゴリ」に皆様の便宜を図るため「子宮内膜症」を新設しました。ご利用ください。

(初出:2008年2月3日)
(補筆修正:2014年9月15日)
(補筆修正:2016年1月12日)
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2013年02月12日

卵巣チョコレートのう胞のがん化 〜2013年2月12日補筆修正〜

ここ数年、卵巣チョコレートのう胞のがん化が話題になっています。

チョコレートのう胞のがん化については、以前より知られていました。子宮筋腫が悪性化しないのと対照的です。

がん化はチョコレートのう胞患者さんの、約1%くらいにみられる、と言われていますが、このがん化はアジア人に特徴的で、欧米人にとってはチョコレート嚢胞のがん化はとても珍しいことだそうです。
問題となるこの頻度ですが、チョコレートのう胞を持っている患者さんの総数が分からないため、この数字はあるいはもっと低いかもしれません。
現在日本産科婦人科学会を中心に、多くの患者さんの予後を追跡する大規模な調査が行われております。
数年後には明らかな確率が出されてくると思われます。

しかし、産婦人科医ならば、一度ならずもチョコレートのう胞ががん化した患者さんを診たことがあると思います。
がん化は大体40歳代が多いようです。50歳を過ぎ、閉経を迎えてからは、内膜症自体が良くなるので、閉経後に内膜症の定期健診に通われる患者さんが少ないため、この年代にも多いのかもしれません。
私も最も若い方は、30歳代の方をお二人診たことがあります。

またがん化はチョコレート嚢胞が10cm以上の大きさの時に多い傾向があるそうです。

卵巣がんには様々な組織型があります。組織型とは、がんの性質を表す、と説明できるかもしれませんが、がん細胞の形により、分類されます。子宮頸がんの多くが扁平上皮がん、と言う組織であるのと、これも対照的です。

チョコレートのう胞のがん化は、「明細胞がん」と「類内膜腺がん」の二つの組織型が知られており、前者は予後の悪いことで知られる組織型です。
もちろん、がんなので、治療が遅れる、また進行がんであれば、どんな組織型でも予後は悪くなりますが、卵巣がんは様々ながんの中でも、比較的予後が良い、と知られており、特に抗がん剤の効果が良いことがその大きな理由です。
類内膜腺がんは、抗がん剤の効果が良く、一般的に悪性度が高い、と言われている明細胞がんも、チョコレート嚢胞からのがん化では、予後が良いとされ、発見が早ければ反対側の卵巣を残すことが出来、手術後も妊娠が可能なことがあります。
いずれにしてもチョコレート嚢胞のフォローをしっかり受けて頂き、がん化を早く発見する必要があります。

この記事では、内膜症、チョコレートのう胞を持つ患者さんの不安を煽るようなつもりは毛頭なく、また、チョコレートのう胞の患者さんに、将来がんになるから早く手術しなさい、と言う意図もありません。がん化率が1%であることが、高いか、低いか。患者さんにとってはとても高く感じるでしょう、100人に一人ががん化、と考えると。チョコレートのう胞を持っていない、近親に患者さんがいない方であれば、99人ががん化しない、ととれるかもしれません。どちらも立場により、解釈が異なると思いますが、われわれ医療者からすると、チョコレートのう胞=手術、とは考えにくいです。

手術を必要とする方へは、お勧めしていますが、もしかしたら薬物療法で改善できるのではないか、また薬物療法もせず、自然経過をみていくだけで済む方もあるのではないか、こういう観点は、必ずしも手術療法が100%でないことを踏まえてです。手術に根治的方法を選択できれば、再発もありませんが、根治的とは、卵巣、ないしは子宮も含めて摘出する方法。内膜症を抱える世代は、ほとんどの方が卵巣も、子宮も、失うことのできない大切な臓器です。
根治的な手術法に対し、(名前は悪いですが)姑息的な手術法が卵巣を残す方法。大体3割くらいの方が再発します。早い方は術後半年以内です。
手術によるトラブル、合併症も皆無とは言えず、手術後の卵巣機能低下もみられます。

これらの観点から、将来がん化?、だったら今のうちに皆さんが手術を、と言い難いのです。

どうぞご心配な方は、お気軽にご相談ください。その方のライフステージにあった、また価値観を尊重した治療法を提示したいと思います。
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2011年06月15日

CA125 〜子宮内膜症の腫瘍マーカー〜 2011年6月15日補筆修正

子宮内膜症の活動性を表す腫瘍マーカーに、CA125があります。

腫瘍マーカーとは、もともと悪性腫瘍、がん細胞が特殊なたんぱく質を作ることに着目し、それを測定することでがんが身体にないか、とか、がん治療後の再発の目安に用いられてきました。

子宮内膜症は悪性腫瘍ではありませんが、CA125が上昇することが知られており、その活動性や治療効果の判定に用いられます。

CA125は「子宮内膜」由来のマーカーでもあり、子宮内膜のがんである「子宮体がん」や、「卵巣がん」やその他の様々な癌でも高い値が示されることが多いです。

よく子宮内膜症の診断の目的にCA125を測定することがありますが、CA125は上に書いたように子宮内膜症の「活動性」を表すもので、CA125が正常値であれば子宮内膜症ではない、とはいえません。また、月経期には異常高値を示すことが知られています。これも上に書いたように子宮内膜由来のマーカーであるため、月経期には高くなる、と考えられています。

偽閉経療法を行い、内膜症の活動性が抑えられ、治療効果が出てくるとCA125値が低下します。
また手術で内膜症病変を摘出した場合も同様です。
反対に再発した場合でも高くなってくるため、治療後の効果判定に用いられます。

さらに卵巣がんチョコレートのう胞のがん化の場合、非常に高い値を示す傾向があり、悪性の診断にも用いられます。


似たような腫瘍マーカーに、CA19-9、があります。
もともとは膵炎やすい臓がんの腫瘍マーカーですが、婦人科領域では一番有名なのが「皮様のう腫」。続いて子宮内膜症、卵巣がんです。

子宮内膜症では、CA125が最も関連性が高く、つまり病気の活動性を表しますが、患者さんによっては、CA125、CA19-9の両方、或いは一方のみが高くなることがあります。



・関連記事補筆
子宮内膜症 〜子宮内膜症って? 今後の記事のご案内〜

振り返ると子宮内膜症シリーズを書き始めて、もうすぐ1年が経ちます。この間子宮内膜症記事をこの記事を含めて26編書きました。
多くのアクセスを頂き、またたくさんの患者さんにも読んでいただいた、反響も大きかったシリーズでした。
ふと気づくと「診断」についてまだ書いていなかったので、これから補筆して行こうと思います。
皆さんから頂くご意見、コメントが大変参考になります。お気軽に書き込んでください。これからもよろしくお願いします。
posted by 桜井明弘 at 00:57| Comment(26) | TrackBack(1) | 子宮内膜症 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月25日

Add-back療法 〜日経ドラッグインフォメーション誌の取材を受けました〜

日経BPより発行されている、日経ドラッグインフォメーション(DI) 2009年9月号(9月10日発売予定)の、人気記事シリーズ「医師が語る処方せんの裏側」で、Add-back療法についての取材を受けました。
このシリーズには、これまで「子宮内膜症の痛みにロイコトリエン拮抗剤」とか「月経時偏頭痛の鎮痛剤」など、婦人科でも興味深いものがあるようです。ちなみにロイコトリエン拮抗剤は、このブログでも前に書きました。

Add-back療法については、一度触れたことがありますが、今回の取材を前に最新の知見がないか、再度調べなおしましたので、少し書きたいと思います。

子宮筋腫や子宮内膜症、子宮腺筋症に対する偽閉経療法は、注射や点鼻薬により、一時的に卵巣の機能を抑制、エストロゲン分泌を低下させ治療効果を得る方法で、薬物療法の中では最も効果が高い方法です。エストロゲン依存性、とされる疾患に対し、エストロゲンを極力低下させるのですから、当然効果が高いものの、一方で更年期様症状をはじめとした副作用が大きな問題となっています。

この副作用には、自覚症状として更年期障害症状が見られます。
主な症状は「ほてり」「肩こり」「いらいら」で、他にも「不眠」などがあります。また、うつ症状が出ることもあります。
症状の種類や程度は患者さんそれぞれが異なります。更年期障害用の副作用は強く出る方と軽く出る方、全くない方、と様々です。

他覚症状として最も重篤とされるのは骨密度の低下、つまり骨粗鬆症(そしょうしょう)です。他にも更年期と同様、高脂血症(高コレステロール血症、脂質異常症)が見られることもあります。

この自覚される副作用を低減させる目的に、鎮痛剤、睡眠剤などの対症療法、漢方療法、注射剤では通常4週間ごとに投与する間隔を、5、6週間と長くするDraw-back、そして少量のエストロゲン製剤を投与するAdd-back療法があります。

Add-back療法にもさまざまな方法がありますが、私は簡便でエストロゲンレベルを上げすぎない、プレマリン(結合型エストロゲン製剤)を、2日に1錠(0.625mg)服用してもらっています。もちろん偽閉経療法の主作用であるエストロゲンレベルは、なるべく上げたくないので、上に挙げたようなさまざまな副作用低減の工夫を行った上ですが。

海外ではエストロゲン製剤の他、黄体ホルモンやボンゾールもAdd-Backに用いられていますが、黄体ホルモンは骨密度を上げないので、骨粗鬆症対策にはなりません。その他、最近国内でも発売になった更年期障害治療薬のジュリナやル・エストロジェルなどのエストラジオール(E2)製剤も、治療に用いることができそうです。

海外での文献は、ほとんどが更年期様症状に対する投与というよりは、骨量減少に対する治療効果を論じているものが多く、「エストロゲン製剤を含むAdd-back療法が、偽閉経療法による骨密度減少の予防効果がある」とされ、特に「若年者のGnRHaの際には、骨密度減少予防のため、Add-backが推奨」されています。
また日本では偽閉経療法は、骨密度減少を危惧し、6ヶ月間の投与しか保険適応が認められていませんが、「Add-back併用により、骨量減少をきたさないため偽閉経療法の6ヶ月を越える延長投与が可能になる」としているものもあります。

偽閉経療法による副作用に困ってらっしゃる方もあると思いますが、その一方で確実な効果も実感されるでしょう。偽閉経療法中はさまざまな工夫により快適に過ごせるのに、6ヶ月が過ぎ投与終了し、月経が再開するととたんに様々な症状に悩まされてしまう、何とか長期投与ができないものか、希望される方も少なくありません。Add-back療法の併用により、6ヶ月を越える偽閉経療法が保険適応されると多くの方がそのメリットを享受できると思います。


また後日、日経DI誌発売の際には皆さんにご一報したいと思います。


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沖縄、読谷村のやどかり君です。

ねむの木ブログの「エコノミークラス症候群の予防に 〜その1〜」シリーズ、旅の前には是非ご一読を。

さくらトリートメントの「9月の営業日について」、
都合により、12日(土)、18日(金)は、お休みさせていただきます。

産婦人科クリニック さくら スタッフブログ、「診察の流れ」シリーズ、是非初診前にご一読いただくと、当日の流れがお分かりになると思います。
すでに受診されている方も、ご存じなかったことがあるかもしれませんよ?
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2009年01月13日

子宮内膜症 「治療の適応」

このブログは、2008年2月、ちょうど1年前に書いたものを一部手直しして再掲します。

子宮内膜症と不妊」と同様、再度読みたいというリクエストがあるものの、ブログでは過去の記事が埋もれてしまうため、ここに再掲する次第です。


良性疾患の進行は、子宮内膜症、再発時の治療で述べたように、階段状、悪くなる時期と変わらない時期を繰り返します。治療を行わない悪性疾患が右上がりに増悪する一方であるのと対照的です。

脱線しますが、上に書いた「増悪」、正しい日本語の読み方と意味は「ぞうお、憎むこと」ですが、医療界には医療専門用語と、医療スラング的に用いられたものが専門用語化したものがあります。
「増悪」はそのいい例で、「ぞうあく、だんだん悪くなること」として使っています。
私自身、大変面白く興味を持っていますので、また気付き次第ご紹介します。

さて、その再発のしつこさから、「子宮内膜症は良性のがん」、と称されていますが、子宮内膜症が良性疾患であることには変わりありません。

良性疾患の治療適応を示します。

良性疾患 〜治療の適応〜.jpg

この適応に沿って、子宮内膜症の治療適応について触れると、

・「症状がある」は、その疾患による症状などが生じている、という意味で、

 例えば、
  鎮痛剤が無効な月経困難症、排便痛、性交痛、慢性骨盤痛。
  内膜症が明らかに不妊の原因となっている。
などがあります。

・ 「近い将来、障害をもたらす可能性がある」。現在は無症状でも、近い将来、たとえば妊娠を希望した場合、妊娠した場合など、障害を生じる可能性が高い場合。これには卵巣・卵管の高度の癒着が考えられる場合、大きなチョコレートのう胞、一般的には約5cm以上を大きい、と表現します。
また、大きさはがん化の指標にもなります。

・ 「大きい、または進行が速い」。上の「近い将来の障害」に通ずるところがあります。これらは上の二つの条件に近い将来達する可能性が高い場合と判断されます。また進行が速い、とは障害をもたらす可能性が高いことと、今現在、悪性なのではないか、という疑問も生じます。

一般的な良性疾患の治療適応を提示し、子宮内膜症の場合、どのように考えるか、代表的な病態をあげましたが、全ての方に当てはまるわけではなく、また患者さんによって、治療方針が異なります。
子宮や卵巣・卵管といった生殖臓器の疾患は、妊娠の希望を踏まえて考えなければならず、また一つひとつの治療にも適不適があるため、大変多くのバリエーションがあり一概には言うことが難しいです。

子宮内膜症に限ったことではありませんが、外来ではどんな症状に困っているのか、どんな所見があるのか、将来どうなる予想がされるか、ということとその方の状況(年齢や妊娠の希望など)を加味して、最も適した治療法を一緒に考えています。どうぞ思ったことを遠慮なさらずにお伝えください。


関連記事
子宮内膜症 〜子宮内膜症って? 今後の記事のご案内〜
卵巣チョコレートのう胞
子宮内膜症 再発時の治療
posted by 桜井明弘 at 23:40| Comment(51) | TrackBack(1) | 子宮内膜症 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月02日

MRI 〜子宮内膜症の検査〜

子宮や卵巣、婦人科疾患の診断に有用なのが、MRIです。超音波検査が外来でいつでもできる診断法であるのに対して、MRIは精密検査的な意味合いを持ちます。

内膜症に限らず、超音波での診断が正しいのか、悪性の所見はないか、他に病変がないか、子宮筋腫や卵巣のう腫の位置はどこか、という視点で、MRIで撮られた画像を読影します。

MRIは磁気を使って行う検査で、CTに似ていますが、その診断性能は、婦人科領域ではCTをはるかにしのぐことが多いです。強力な磁場を発生させるため、体内にペースメーカーや磁石に反応するコイルを埋め込んでいる方は行えません。

当院では近くの「いとう横浜クリニック」にお願いしてMRIを撮っていただいています。
いとう横浜クリニックでは、MRIだけでなく、当院で行っている女性健康外来の乳がん検診もお願いしています。

さてMRIで最も多く診断するのが卵巣チョコレートのう胞。チョコレートのう胞は卵巣内に血液が貯留したのう胞ですが、超音波では内容物が脂肪成分である皮様のう腫と見分けがつかないことがあります。MRIではこのような内容物の違いを表すのが優れています。
また子宮腺筋症の中でも子宮筋腫のように腫瘤状の病変を作っている場合があり、このときにもMRIが鑑別に有用です。

重症子宮内膜症では子宮の後ろ、直腸との間に形成されるダグラス窩閉鎖がしばしばみられ、生理痛、排便痛、性交痛の原因となり、QOLを低下させる重要な病変ですが、内診、超音波で診断ができないことがあります。MRIでは直腸が子宮後面に引きつるような形に描出され、患者さんが見ても非常に分かりやすい画像が得られます。
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2008年08月25日

超音波検査 〜子宮内膜症の診断〜

子宮内膜症の診断に、最も広く有用な検査法です。

超音波は基本的には情報量の多さから、経腟超音波が一般的には行われます。性交経験のない方は経腟では痛みがあるため、直腸から診ます。この方法はお腹から診る経腹超音波に比べ、圧倒的に情報量が多いです。

超音波検査で診断しやすいのが「卵巣チョコレートのう胞」と「子宮腺筋症」です。他に子宮の後ろ、直腸との間に形成されるダグラス窩閉鎖も診断できることが多いです。

卵巣チョコレートのう胞の診断で、超音波で診断しにくいことがあるのが皮様のう腫です。これらを鑑別して診断するには、MRIも有用です。
子宮腺筋症も子宮筋腫と診断に迷うこともありますが、これらはほとんど典型的な形をとることが多いですが、やはり鑑別しにくいときはMRIを行います。

超音波検査は診断のみならず、診断後のフォローアップや治療後の経過観察に最も簡便に行われる方法です。超音波で診断しきれない場合は、やはりMRIが必要です。
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2008年06月14日

健康食品 〜ピクノジェノール、子宮内膜症による月経痛の治療法〜

「ピクノジェノール」というと、男性の私よりも女性の方はずっと耳にする機会が多いかもしれません。

薬品ではなく、さまざまな効果が期待される健康食品で、国内でも多くの種類が販売されています。

持田製薬からも発売されており、同社からピクノジェノールの資料を提供していただき、その効果について調べてみました。

ピクノジェノールは「フランス海岸松」の樹皮より抽出された成分とのことです。既に35年間もの販売実績があり、大きな副作用などの報告は見られていないそうです。

国内に限らず、国際的にも広く使われている傾向がある健康食品で、その効果は
1.抗酸化作用(病気や老化の原因である活性酸素から守る)
2.抗炎症作用(体内の炎症、痛みを和らげる)
3.美肌効果(コラーゲンに結合して保護)
4.血流改善、血小板凝集抑制作用(血管内一酸化窒素産生を促進)
といった機序によりもたらされているようです。

期待できる効果は、話題のメタボリックシンドローム、月経困難症(子宮内膜症によるものを含む)、更年期障害、日焼け、気管支喘息、骨関節炎、創傷治癒、肩こり、浮腫(むくみ)などで、メタボリックシンドロームでは高血圧、血栓症、高脂血症(脂質異常症)、糖尿病、に効果があるそうです。更年期障害ではほてりや発汗を始め、さまざまな身体症状、うつ症状、不安感、不眠症、腰痛、膣の乾燥、性への不満など、すべての症状に効果があるとされています。
実際に私も患者さんから効果を聞かれることもあるのですが、不勉強であったため良し悪しについては触れませんでした。

ここまで書くと、わたしがピクノジェノールの宣伝をしているかのようですが、まだピクノジェノールに対する私の意見は定まっていません。健康食品ではありますが、医学論文も出ており、かといって効果がある、と科学的根拠が確立されたわけではありませんが、もしかしたら今後、効果が期待できる治療法の一つになるかもしれません。

残念ながら医薬品と比べると、健康食品は、医学的検討の対象になりにくく、また製造元も医療機関へのPRをしないため、我々も評価対象としにくいのが現状です。

むしろご使用になられた皆さんのご意見をお聞きして勉強していきたいことの一つ、と思っています。


今回の記事で、長い間書き続けてきた子宮内膜症のシリーズを一旦終えます。
しかしながら、後で考えると書き足りないこと、新しい知見もあり、今後は記事内容を再考しながら補筆修正もしていきたいと思います。


・関連記事修正
子宮内膜症 〜子宮内膜症って? 今後の記事のご案内〜

・桜井加那子医師記事「今月のきらきら人」、アクセス、コメントを頂いています。
今後もブログに登場していきます。乞うご期待ください。


さくらトリートメントの竹本さんのブログで、産婦人科クリニック さくらの待合室の紫陽花、「ミセスクミコ」が紹介されています。


産婦人科クリニック さくら スタッフブログ、連載中です。
「小旅行、」では、楽しい画像が載っています。
またスタッフブログも、おかげさまでアクセス数急増です。
いよいよ1万位台に入ってきました!
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2008年06月06日

子宮内膜症治療薬「ルナベル」薬価決定

子宮内膜症に伴う月経困難症の治療薬、低容量ピル(OC)の保険処方が可能な「ルナベル」の承認についてお知らせしましたが、ようやく薬価が決定したそうです。

1周期21日で服用する計算で、1周期2100円+処方代、となります。約3000円弱、といったところでしょうか。
現在自費処方されている低容量ピルは、大体2000円から5000円で処方されているため、負担が軽くなる方もあるかと思います。

ただ、保険で認められた新薬ですので、処方は1か月分、が処方単位となり、発売から向こう1年間は何か月分も処方できる、ということはありません。
それでも通常新薬は14日が限度。ルナベルに限って、特別に1ヶ月の処方が認められたのは、21日内服、1週間休薬、というOCの特性に合わせて、新薬でも1周期分処方の認可を求め続けてきた日本産科婦人科学会や子宮内膜症協会、製造販売元の製薬会社の尽力の賜物で、通常は考えられない認可だったのです。
本日、早速薬剤シートのサンプルを見せていただきましたが、21日用のシートに作られているので、1シート処方が可能になって本当によかったと思います。

ルナベルについては、このブログでもお知らせしましたし、早くも患者さんの中でも情報が出回っているようで、産婦人科クリニック さくらの外来でもよくあるご質問の一つとなっています。発売され、処方可能となるのはもう少し先になるようですが、保険診療の「ルナベル」と、自費診療で処方されるこれまでのOCと、どちらの処方がいいか、よくお考えの上、外来で相談して下さい。

(2013年9月、「ルナベル」の名称が、「ルナベルLD」に変更されました)


女性健康外来のお知らせ
6月より新しいサービスとして女性健康外来を開始いたしました。既に多くのお問い合わせや検査を行っております。このブログ内や院内でもご案内しております。お気軽にお問い合わせ、ご相談ください。

・関連記事補筆修正
子宮内膜症 〜子宮内膜症って? 今後の記事のご案内〜
OC(低用量ピル) 〜子宮内膜症の治療法〜
子宮内膜症治療の保険適応低用量ピル、「ルナベル」が承認されました。
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2008年04月27日

ディナゲストの効果


4月12日から15日、横浜で日本産科婦人科学会の第60回学術講演会が行われました。

ディナゲスト発売から初めての学会だったため、ディナゲストの話題もありました。

発売元の持田製薬から紹介されている治療効果について、補足したいと思います。
128名の卵巣チョコレートのう胞のある患者さんに24週間(6ヶ月間)投与したデータがあり、月経時以外の各種疼痛症状(下腹痛、腰痛、排便痛、性交痛、内診時疼痛)の改善率が、「著明改善」「改善」をあわせて78.1%にも上ったそうです。
またチョコレートのう胞の縮小度も、「著明縮小」「縮小」をあわせて83.5%とも。

期待していたよりも効果は高そうな印象です。

また気になる治療後の月経回復ですが、約1ヶ月で排卵周期が戻り月経が回復するようです。

数名の方が、産婦人科クリニック さくらで既にディナゲスト治療を行っていますが、内膜症が重く、OCの消退出血(月経として自覚される出血)でさえあまりに重いため、痛くなければ不正出血のほうがよい、とディナゲストを選択された患者さんや、内膜症の再発を繰り返し、以前に行った偽閉経療法の副作用がつらいため、選択された患者さんなどがいらっしゃいます。
今後、処方する患者さんが増えてくると、さまざまな理由で選択する方がいらっしゃると思います。


産婦人科クリニック さくら スタッフブログ
開業1周年に頂いた素敵なプレゼントをご紹介しています。とっても不思議な面白いものです。
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2008年04月21日

鎮痛剤 〜子宮内膜症の治療法〜

子宮内膜症における鎮痛剤の効果、単に月経痛などの症状緩和と思われていますが、一部の鎮痛剤の中には内膜症に対する治療効果の可能性が示唆されているものがあります。

鎮痛剤は様々な分類がありますが、NSAIDs(非ステロイド系消炎鎮痛剤)の中に「COX-2阻害剤」と分類される薬がいくつかあります。
COX-2阻害剤阻害剤は、NSAIDsにみられる胃粘膜障害が軽度で、鎮痛剤の中で注目される薬剤ですが、近年、子宮体がん発生予防に効果があるのではないか、すなわち子宮内膜に対する直接作用が期待出来、これを拡大適応すれば内膜症に直接作用があるのではないか、と考えられ始めました。

勿論、まだEBMが得られているわけではありませんが、子宮内膜症を抱えてらっしゃる患者さんの鎮痛剤の選択の一つになるかもしれません。

このCOX-2阻害剤阻害剤、国内でも臨床的に使用ができます。

一つ難点は、鎮痛効果が他のNSAIDsに比べて弱いと感じられるところです。弱いとはいえ、この薬によって月経痛が緩和される方も多いので、上に書いたように選択肢の一つとして提示することもあります。

これまで書いてきた内膜症治療、そして子宮内膜症シリーズ、そろそろ「大団円」を迎えようとしていますが、読んでいただいた皆さんは感じられていると思います。様々な治療がある中で、ベストな治療は、人それぞれ、また治療してみないと分からないところがあります。今後もEBMに基づき、また患者さんのライフスタイルや症状、そして内膜症の状態をよく把握しながら、治療法を提示して行きたいと思います。


さくらトリートメントの竹本さんのブログ、「リフレクソロジーは怖くない!」は、リフレクソロジーの基本的なことについて詳しく書かれています。
posted by 桜井明弘 at 00:00| Comment(16) | TrackBack(0) | 子宮内膜症 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月19日

漢方療法 〜子宮内膜症の治療法〜

子宮内膜症によく使われる漢方薬に「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」があります。
当帰芍薬散は、主に虚証、どちらかと言うと痩せ型の方に使われる処方で、内膜症をはじめ、婦人科疾患には様々な効果があるとされています。月経困難症やPMS(月経前症候群)、不妊症、妊娠中の流早産予防などです。骨盤内の血流改善効果と考えられています。
その効用の中に子宮内膜症もあるため、実際に処方されたり内服中の方も多いのではないでしょうか。

漢方療法を行われている患者さんの中には、大変効果がある、内服してよかった、と実感されている方もあると思いますが、反対に漢方療法、全く効かなかった、と相談にみえる方も大変多いです。
漢方療法自体、効果発現までに1〜2週間の時間が必要で、効果判定には最低1ヶ月継続しなければなりません。

一方、EBMの観点からは、子宮内膜症に対する漢方療法は、それ自体にほとんど治療効果は証明されず、例えば子宮内膜症の主症状である月経困難症の改善効果はあるかもしれません。漢方療法は他の薬物療法などをサポートする治療で、他の治療と併用するものと位置づけることができるかもしれません。

他に内膜症では、「偽閉経療法の工夫 〜継続のための副作用対策〜」でも述べたように、偽閉経療法の副作用軽減の目的に「桂枝伏ュ丸(けいしぶくりょうがん)」を用いることもあります。

これら当帰芍薬散と桂枝伏ュ丸とともに婦人科3大漢方と称される加味逍遙散(かみしょうようさん)を用いる場合もあり、漢方の効果は証、体質にも左右されるため、ご自身にあったものを探し、試してみる必要があります。

産婦人科クリニック さくらでも漢方療法を行っている多くの患者さんがいらっしゃいます。お一人お一人に適した治療法を提示して行きたいと思います。


さくらトリートメントを担当している竹本昌栄さんのブログや、このブログで紹介しました、竹本昌栄さん、橘誠子さんによる「アロマテラピー講習会」、参加申し込み有難うございます。

(2009年8月18日補筆修正)
現在、さくらトリートメントでは、定期的に講習会を開いておりますので、こちらをご覧ください
posted by 桜井明弘 at 00:09| Comment(4) | TrackBack(1) | 子宮内膜症 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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