2007年11月17日

腹圧性尿失禁

笑ったり、走ったり、くしゃみしたり。いずれもお腹に力が入りますが、このときに起こるのが、腹圧性尿失禁(尿もれ)です。

産後、特に経腟分娩後に一過性に見られたり、しばらく続いたり、また40代、50代、60代と、加齢変化の一つとしてだんだん多くなります。

飲み物を控えたり、努力してもなかなかよくならず、気になって外出を控えたり、女性のQOL(クォリティー・オブ・ライフ)を著しく損ねています。

いったいどれくらい多くの女性が、尿もれに悩んでいるのでしょうか。
年齢や分娩歴によって異なりますが、20〜30%の女性が尿もれに苦しんでいる、とされています。意外に多いと思いませんか?

尿もれに悩んでも、治ると思っていない、どうしたらいいか分からない、特にデリケートな問題なので友達にも相談できない、ましてや医療機関で相談すべきことではない、そう思っている方がいかに多いか。
担当する診療科は、泌尿器科や婦人科です。婦人科で尿もれを心配して相談される方、あまりいらっしゃいませんし、他のことで受診された方にも、我々からあえて、「尿もれはありますか?」と聞けるものでもありません。

なぜ尿もれが起こるのでしょうか。
2つの大きな理由があり、一つは骨盤底筋のゆるみ、衰えです。これは分娩によって過度に進展された骨盤底筋の収縮力が弱くなったり、やはり加齢によります。もう一つの理由は神経の問題です。尿の調節は非常に複雑な神経支配があり、尿をためるときは膀胱がゆるみ、尿道口を締めます。膀胱は筋肉で出来た袋、尿道口は尿道括約筋によって調節されています。また排尿時には、尿道括約筋がゆるみ、尿道口が開き、反対に今度は膀胱が収縮して一気に排尿、となります。筋肉の収縮、弛緩がその調節に必要で、これらの筋肉は当然神経によって支配されています。

次回は治療編を書きます。

posted by 桜井明弘 at 22:59| Comment(0) | TrackBack(1) | 医療一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月01日

インフルエンザ、青葉区にも発生。

とうとう青葉区・青葉台、都筑区・中山にもインフルエンザが発生したそうです。都内でも杉並区で発生があり、いよいよ本格的なインフルエンザシーズン到来、といった感じです。

皆さん、ご自愛下さい。
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2007年10月27日

インフルエンザ発生!

早くも神奈川県内でインフルエンザの発生があったそうです。相模原では学級閉鎖にもなっている、との情報が、非公式ながら入ってきました。

例年の発生よりもずっと早く思います。気温が急激に低くなり、空気も乾燥しているためか、咳のひどい風邪も流行っています。かなり長引く風邪で、気管支炎と診断される方や、風邪のために手術が受けられない、などの患者さんがいらっしゃいます。

風邪やインフルエンザの予防は、第一に規則正しい生活、睡眠、そして手洗いやうがいの励行です。どうぞご自愛下さい。

今年は早いので、ワクチン接種も急いだほうがよいと思い、産婦人科クリニック さくらでも、スタッフへのインフルエンザ予防接種を緊急に行っています。

posted by 桜井明弘 at 00:56| Comment(4) | TrackBack(1) | 医療一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月22日

妊娠、授乳とインフルエンザ

我々がお受けする質問で、よくあるのが「妊娠中のインフルエンザワクチン投与」「授乳中のワクチン」、そして、「これから妊娠を考えているが、今ワクチンを打っても差し支えないか」というのがあります。

内科や他のワクチンを投与している施設でも、「妊娠」の一言があると、「何が起こるか分からないから」とワクチンを使ってもらえないこともあります。妊娠・授乳中は自分の身体だけでなく、お子さんへの影響があるからですね。

さて、多くのワクチンがある中で、そのワクチンに含まれるのが本当のウィルスである「生ワクチン」、本当のウィルスを処理して感染性をなくした「不活化ワクチン」に大きく分けることも出来ます。インフルエンザワクチンはその後者である「不活化ワクチン」です。つまり理論的に言えば、ワクチン接種後に、ワクチンに含まれているインフルエンザウィルスによって、インフルエンザを発症することは無い、といえます。他にB型肝炎ウィルスのワクチンなどがあります。

ただし、人間の体やウィルスというのは何があるか分からない、というのも確かにあります。万一、ワクチンによって思わぬトラブルが発生したら、赤ちゃんに影響があったら、ということを心配して投与を控える、という考え方があります。

ワクチン接種によるインフルエンザ発症予防効果については後日触れますが、接種によるトラブルの頻度は、予防効果と比べれば桁違いに低く、米国などは考え方がドライなので、ほんの僅かのトラブルがあろうと、大多数の人が予防効果で快適に過ごせれば、裏を返せば医療費抑制効果もある(もっと裏を返せばワクチン製造の製薬企業の売り上げにつながる)ので、皆さんやろう、という考え方になります。日本は対照的ですね、ワクチンアレルギー(本当のアレルギーではありません)ともいうべき反応。僅かのワクチンによるトラブルが自分の身に降りかかったらどうしよう、受けなければいいのではないか、と考えます。でも自分だけ受けないと発症したときに大変。確かに当事者であったら大変なことだと思います。ただ流行を予防する目的では、自分だけワクチンを受けたらいい、という考えではだめで、ほとんどの方が受けていないと流行は防げません、今年のはしか(麻疹)の大流行がこれを裏付けています。
ワクチン、受けないと心配、受けても心配、といったジレンマがあり、わが国は、過敏症、という意味で、ワクチンアレルギーだな、と思います。

話は脇に逸れましたが、では妊婦さん、授乳婦さん、またこれから妊娠を考えている方、はワクチン接種はどうするべきでしょうか。

2年前に前任地の賛育会病院で、産婦人科の指針を作成し、公表していたので、その頃のものも引用します。

・インフルエンザワクチンは不活化ワクチンのため、胎児、乳児に対する影響は理論的に無いと考えられます。
・厚生労働省HPによると、国際的には安全であるとし、国内では妊娠初期の安全性についてのデータに乏しく、慎重に対応するよう勧め、文末に米国健康保険局(NIH)のHPへのリンクが貼られていました。このHPは現在デッドリンクのようですが、代わりの新しい指針も見当たりません。
・そのNIHのHPでは、妊婦さんはインフルエンザが重症化することがあり、幼児、高齢者と同等のハイリスクである、として、むしろ妊娠中、これから妊娠を考える方へのワクチン接種を推奨しています。この接種時期は、日本では安全性が確認されていない、とされている妊娠初期でも構わない、としています。
・国内のいくつかの論文では、妊娠可能年齢は、幼児、高齢者に比べて健康体であり、インフルエンザ発症後、重症化することは少なく、ワクチンを受けるリスクが分かっていないのであれば、むしろ接種を避けてもいいのではないか、としているものもあります。

確かに米国では妊婦は重症化、としているものの、私自身の経験では重症化した方はありませんでしたが、高熱のため、解熱と脱水予防の目的に入院された方は少なく無かったです。

以上を踏まえて、リスク&ベネフィット、利点・欠点を理解した上で接種を受けるか考えてください。少しでも心配な点、不安な点はご質問いただければ回答致します。
posted by 桜井明弘 at 00:41| Comment(15) | TrackBack(4) | 医療一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月19日

インフルエンザの診断

先日のインフルエンザとは、で、「ワクチンとキットについて」と題しましたが、予定変更で「インフルエンザの診断」とします。

インフルエンザは、現在では非常に簡便なキットが多種類開発され、咽頭ぬぐい液や鼻腔ぬぐい液で、3〜15分ほどで院内で診断が出来ます。

以前は流行状況を背景に、症状から診断するしかありませんでしたが、非常に効果のある抗インフルエンザ薬が開発されたため、いかに早くいかに正確に診断できるかが重要となりました。抗インフルエンザ薬については、「タミフル」が話題になったばかりですので、後で触れたいと思います。

インフルエンザ、罹ったかな?と思われたら、のどを綿棒でこする、または鼻の穴をこする、といったことで診断が出来ます。自分の経験からはのどよりも鼻のほうが抵抗が少ないですね。
検査は保険適応されますので、3割負担の方で自己負担800円強です。
陽性の判定でインフルエンザ診断が確定しますから、感染拡大を予防するため、休職、休学、となり、内服薬の処方、となるわけです。
内服薬はほとんどの方に効果があり、内服した翌日くらいから解熱、諸症状の緩和がみられてきます。
posted by 桜井明弘 at 22:35| Comment(2) | TrackBack(4) | 医療一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月17日

いよいよインフルエンザシーズン到来 〜インフルエンザとは? 新しい知見は?〜

早くもインフルエンザワクチンの接種について、お問い合わせ頂いております。

このブログでも、数回のシリーズとして、インフルエンザの話題を取り上げていきたいと思います。

インフルエンザ、もういまさら説明の必要が無いほど、皆さんご存知だと思います。高度の発熱と強い感冒症状、ひどい風邪、といった症状です。
これまでに何度も大流行し、近年でもお年寄りを中心に沢山の方が亡くなっています。

幼児や高齢者、免疫不全の患者さんなどと同様に米国ではハイリスクとされているのが、意外と知られていませんが妊婦さんです。米国健康保険局(NIH)では妊娠中の重症化により、妊婦さんが亡くなっている、としています。

予防法は体調の管理や人ごみに出掛けない、手洗い、うがい、といった一般的な事柄ややはりワクチン投与です。ただし、ワクチンが完全な予防効果を持つわけではありません。ワクチンにより、罹った場合でも軽症ですむ、ということも言われています。
またワクチンは1回投与で充分か、2回の必要があるか、といった論議もありますが、2回投与しても予防効果に大差ない、とか、ワクチンの効果はどれほど継続するのか、などなど、インフルエンザについて多くの医学論文や議論がなされています。

これらの報告は、毎年出されるものの、大きな違いは無いのですが、昨シーズン問題となったタミフル内服後の異常行動など、話題は尽きません。

今後以下の内容を中心に、これらの情報を発信して行きたいと思います。
妊婦とインフルエンザ
ワクチン診断キットの案内
当クリニックのインフルエンザワクチン接種
  横浜市のインフルエンザ公費負担
  任意接種
  ワクチン接種の割引制度
・インフルエンザかな?と思った際の受診について。
・インフルエンザ治療薬
  タミフルと異常行動
NEW妊婦へのインフルエンザワクチン投与が新生児感染予防

皆様からのご質問もお待ちしています。
posted by 桜井明弘 at 23:19| Comment(0) | TrackBack(9) | 医療一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月27日

第1回ITヘルスケア学会発表

本日、27日、あと12時間ほどで、第1回ITヘルスケア学会での発表が始まります。
http://ithealthcare.jp/

同学会の理事を務めている、友人、このブログにも何度か書き込んでもらってますが、に勧められて、発表しないか、と持ちかけられました。
正直、学会レベルほど、ITに熟知している自信なんか無く、電子カルテについて話せ、と言われても、悩んでいたのですが、エンドユーザーの視点に立った電子カルテ論は、学会で大変重要だ、とおだてられ、試しに抄録を提出したところ、採用になってしまいました(?)。

で、ここのところ、この発表の準備に追われており、なかなかブログをアップする時間がなかった、と言うわけです。

明日の発表、終わりましたら、また報告します。
posted by 桜井明弘 at 03:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 医療一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月29日

子宮筋腫のDVD作品、撮影終了。

開業して、3週間を終え、GW突入です。
GWはカレンダー通り、5月1,2日は平常通り診療を行います。

あっという間の3週間、大きなトラブルもなく過ぎました。これまで賛育会病院で診察していた患者さんも、遠方から来ていただき、何だか申し訳なく思います。
一日一日来院される患者さんも増えつつあり、早くも顔なじみ、と言った患者さんもいらっしゃいます。
毎日のクリニックでの診察も、楽しみにしています。

さて、昨日ですが、半年くらい前から構想していた作品ですが、女性の健康シリーズの映像作品、「子宮筋腫」の撮影を終えました。
全く産婦人科にかかったことのない患者さんに、産婦人科診察を疑似体験して貰うよう、また、子宮筋腫の新しい治療法を紹介する作品にしたい、というプロデューサー、ディレクターの主意に賛同し、うちの「産婦人科クリニック さくら」を使っていただき、また、私も出演(?)させていただきました。

まだ作品化するまで、いくつかの資料を集めていかなければならないので、すぐに、ではないと思うのですが、作品化された暁には、また皆さんにもご紹介したいと思います。

とはいえ、どんな顔して話してるんだろう、編集でカットされたりして。
posted by 桜井明弘 at 23:37| Comment(2) | TrackBack(0) | 医療一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月20日

健康食品による肝障害

以前に女性ホルモン、エストロゲン作用を有する食品による害について書いたことがありますが、今日は肝障害です。

前回の記事の続編で、そのころから考えていたのですが、友人である池上氏が発刊している、メルマガにもこの話題が取り上げられました。

血液検査の中に、肝臓の機能があります。一般的には、肝臓がどれくらいダメージを受けているか、をGOT(AST)、GPT(ALT)などの数値(異常な高値)で判断します。
アルコールや肝炎ウィルス、脂肪肝とともに、異常の原因としてよく経験するのが、薬剤によるものです。

上に挙げたように、肝機能異常がみられる患者さんは、大抵その原因が予想できるのですが、何人か原因を特定しにくかった患者さんを経験しました。
ある患者さんの例は...。

20歳代の女性で、基礎疾患は何もない健康な方、卵巣嚢腫があり腹腔鏡手術のため術前検査を行いました。これには肝臓に限らず、心臓、腎臓、肺など、生きるうえでの重要な臓器、ここで手術や麻酔を安全に受けるため、必要な検査ですが、その検査で肝機能異常が見つかりました。当然上の原因を考えるのですが、全く思い当たる節がない。「何か薬を飲んでいませんか? 内科など、どんな薬でも教えてください」、と尋ねても、何も飲んではいないとの答え。ただ異常がみられ、その原因が分からないとすると、これから徐々に悪くなる可能性もあり、このままでは特に全身麻酔の影響で術後に悪化することもあるので、手術が行えない旨を伝えました。
帰り際に彼女が思い出したように、「最近太っちゃったので、やせるためにサプリ飲んでますが」、とのこと。それかも知れない、と考え、とりあえずそのサプリを飲むのをやめてもらい、肝機能の回復を考えて、1月近く手術を延期し、肝機能を再検査しました。
数週間後、案の定彼女の肝機能は全く正常化、これだけでそのサプリが原因、とは断定しませんが、疑いは濃厚ですよね。

数年前、輸入された健康食品で、重症な肝機能異常が多くの人に発症したことを記憶されてる方もいらっしゃるかも知れません。

上の池上氏のメルマガに詳しいですが、健康食品やサプリメントは、医薬品ではなく、栄養機能食品、または保健機能食品とされています。医薬品が動物や健康な人に投与したり、患者さんに使われるようになってからも、何度も何度も安全性を確認されているのに対して、 はこれらの検査、報告が義務付けられていません。時々粗悪なサプリなど、報道されていますね。

そんな悪いサプリなどばかりでは決してありませんが、薬は副作用があるから怖い、それに対してサプリや健康食品は薬じゃないから安全、といった「神話」があります。この「神話」は、一般的には大変受け入れやすいことは理解できますが、医学的にはむしろ逆ではないか、と私は思っています。
ラベル:健康食品 肝障害
posted by 桜井明弘 at 00:31| Comment(0) | TrackBack(1) | 医療一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月05日

MBA交流会

昨晩、都内で行われたMBA交流会で講演をさせて頂きました。

MBA交流会とは、友人の池上さんが主催される勉強会で、医薬品情報提供者、つまりMRさんを中心に、医業種交流が目的の会です。
http://plaza.rakuten.co.jp/mrnet7/diary/20070203/

多くの参加された方々とまさに交流でき、沢山の刺激を受けるきっかけになりました。有り難う御座いました。

参加された方のブログにも書いて頂き、参加、講演をお受けして良かったな、と思いました。
http://fukufuku-pharmacie.mo-blog.jp/medicament/2007/02/post_cafe.html
http://plaza.rakuten.co.jp/sindy724/diary/20070203/

本来、MRさんは、専門知識を有した職業ですが、主たる業務がやはり医薬品、薬の営業になるので、本来の能力を出す機会がなかなか無いように感じていました。しかし、参加された方の多くが、自分を高める努力をされており、非常にレベルの高いMRさん達との交流になりました。

早速、4月にうちのクリニックで交流会を行いたい旨、池上さんから持ちかけられ、私もクリニックを作った理念やこれからのクリニック作りをお話ししたいと思っています。
posted by 桜井明弘 at 00:11| Comment(0) | TrackBack(1) | 医療一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月30日

第1回 NCPミーティング

25日、以前ご紹介した、NCPの第1回ミーティングが、親しくさせていただいているそめやクリニックで行われました。
http://nextclinic.exblog.jp/
http://www.someya-clinic.jp/

ほとんどが面識ある仲間ですが、全く異なる科、異なる勤務先に籍を置く4名の医師と医療コンサルタント3名でフランクに語り合いました。

このNCPをどういうスタイルに作っていくか、どのツールを使うか、など、宿題が山積みですが、何だか面白そうな企画も山積みです。
posted by 桜井明弘 at 00:13| Comment(2) | TrackBack(0) | 医療一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月17日

インフルエンザ流行の兆し

医院、病院のメーリングリストなどで、インフルエンザ陽性患者さんがいました、との報告がちらほら目に付くようになりました。
私自身、外来ではまだいらっしゃらないようですが、皆さんご自愛下さい。

ノロウイルスを中心としたウイルス性の胃腸炎が昨年から大流行しましたね。かく言う私も非常に軽症でしたが、2日ほどやられました。牡蠣が原因のことが多かったようですが、私も思い当たりました。

インフルエンザの予防にワクチン接種が本当に有効かどうか、まだ決着が付いていないのですが、出来ることはやっておきたいというのは、我々の心理としてありますよね。ワクチン接種しておくと、実際にかかってしまっても軽症で済む、と言うのもあるようです。

何よりも人混みは出来るだけ避ける、手洗いうがいの励行、疲労をためない、など、在り来たりのことしか言えませんが、自分で出来る予防は皆さん心掛けて下さい。
posted by 桜井明弘 at 02:02| Comment(7) | TrackBack(2) | 医療一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月05日

尿検査

新年早々、この話題で失礼します。
皆さんが通院される病院、クリニックでの尿検査、どのような流れでしょうか。産婦人科では以下のように、尿検査がとても多いですね。

前に勤務していた病院もそうですが、尿検査、妊娠反応や尿のLHチェックなどで必要な時に、受付で説明して尿カップを渡し、再度受付で受け取る方法を取っています。病院の施設構造上止むを得なかったのですが、これはどうしても抵抗がありますね。
当クリニックでは、診察室で説明します。
内容は、「トイレにカップがあります、マジックでカップに名前を書いて、トイレにある検査小窓に提出して下さい」
となる予定です。
当たり前のようですが、少しでも抵抗なく産婦人科を訪れて頂けるよう、考えていきたいと思っています。
posted by 桜井明弘 at 23:54| Comment(3) | TrackBack(0) | 医療一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月24日

待合室での患者さんの呼び出し

個人情報保護法の施行時に問題化しましたが、待合室で患者さんを呼び出す際の呼び方です。
本来は、名前でお呼びすることがだと思います、温かいですね。しかし、患者さんのお名前を呼ぶこと、それにその患者さんが返答した時点で、厳密には個人情報を非特定の方々に公開したことになります。難しいというか、ちょっと世知辛いですが。
これに対して、この個人情報を問題視すれば、受付順などで、番号を付け、その番号でお呼びする方法があります。ちょっと、よそよそしいですね、また、聞き間違いが起こることもあるでしょう。
同法施行時に問題化し、現在では施設によってどちらかに収束したようですが、皆さんのご意見はいかがでしょうか。
posted by 桜井明弘 at 18:30| Comment(7) | TrackBack(0) | 医療一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年11月21日

学会とは

先日来、学会でどこに行ったとか、国際シンポジウムで発表したとか書き綴っていますが、そもそも学会、って何? 何をしてるの? と友人に聞かれたので、解説してみます。

「学会」には二つの意味があると思います。
まず一つはその学問を探究する研究者の集まる「団体」を指す場合。
私が所属するものでも幾つもあるのですが、「日本産科婦人科学会」が、産婦人科医のほとんどが所属していますから、産婦人科では最も大きな学会です。
そこから、学会の会告、こんな治療はやってはいけない、など出されることもあります。
先日、私も「代理出産」について触れましたが、学会ではこれを禁止する会告を出しています。
http://cl-sacra.seesaa.net/article/25784073.html
http://www.jsog.or.jp/about_us/view/html/kaikoku/H15_4.html

いわゆるギルドのようなものですから、会員に対して、ある程度の規制権を持っている訳です。勿論法的な強制義務はないのですが。

もう一つは、私が良く言うような、「学会」に行って来る、行って来た、の場合。これは正しくは「○○学会学術講演会」とか「○○学会総会」という、簡単に言えば研究発表会です。
ここで発表するために日々基礎研究や臨床研究を重ねるというのもありますが、発表の義務はありません。ただ、他の産婦人科医師に向けて発表する、というのは生半可な研究ではいけませんし、発表内容については詳しく検討しておかなければなりません。この準備が結構大変なんですね。
私も大学の研究室にいた頃は年に幾つも発表があり、更に後輩の発表を指導し、と、年中学会発表に追い回されていました。今の病院に移ってから、発表する機会が少なくなったのですが、これに甘んじると日々の臨床だけになるので、それでもかなり楽です。ただ、そのままでは「呆けて」しまうので、自分に課題を課し、幾つかの発表は続けています。
こういう他の先生や施設からの発表を聞いたり、また「講義」のようなものもあるので、自分の知識を最新に保ち、新しい治療法を導入する良いきっかけとなるのです。

発表の形式は、ほとんどが一般企業などで行われているようなプレゼンテーションのスタイルです。以前はスライドでしたが、今はPCで行えます。
派手な画面を使ったり、最近では動画も見られます。私も腹腔鏡関係の発表をする時は動画を使うことも多いです。
ラベル:学会
posted by 桜井明弘 at 21:40| Comment(2) | TrackBack(0) | 医療一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする