子宮内膜症の3大症状は、月経痛、不妊、骨盤痛で、とりわけ月経痛のある方が多いです。
また反対に月経痛が強いと、子宮内膜症ではないか? と心配されることもあるほど、密接な関係があります。
月経が来れば月経痛も当たり前。鎮痛剤でさえ思春期のお嬢さんに使うことをためらう方もいらっしゃいますし、ましてや婦人科受診など、早過ぎると思っていませんか?
月経痛=子宮内膜症、では決してありませんが、思春期に強い月経痛が見られる女性は、子宮内膜症のリスクが2.5倍高まる、という報告もあり、将来的な子宮内膜症発症予防のため、低用量ピル(LEP/OC)の服用を始めた方が良い、という意見もあります。
また、 若年性の月経痛は、成熟女性に比べて症状が一定せず(無排卵制出血も含まれているからかも知れません)、非周期性(月経期に限らない)、消化器症状が多い(腹痛、胃痛、嘔吐や下痢など)と言った特徴もあります。
一般的には20歳代後半から増加する子宮内膜症ですが、婦人科外来には20歳代前半以下の若い患者さんが通院しているのも決して珍しくはありませんし、この若い世代ほど婦人科受診をためらっているのであれば、潜在的な(婦人科医が把握できない)子宮内膜症患者さんは、もっと多いのではないでしょうか。
子宮内膜症は、上に挙げたように、月経痛や骨盤痛だけで無く、将来不妊の原因となる病気です。
治療可能な子宮内膜症ももちろん少なくありませんが、卵管機能が損なわれたり、卵巣機能が障害される(若いうちに閉経に近くなる)など、治療が出来ない状態になってしまった患者さんも少なくはありません。
妊娠を考える年齢以前に発見できていたら、数年前から治療が出来たらきっとそこまで進行しなかっただろうな、と思われる患者さんも、皆さんの想像を超えた人数、いらっしゃるのです。
また、頻度は決して高くはありませんが、子宮奇形も月経痛の原因となります。
子宮は臓器の中でも比較的生まれつきの異常を持っていることが多く、しかしながら他の異常がほとんど無いため一般的には気付かれません。
中でも手術を要するものもあります。やはり一度産婦人科での診察をお受けになることをお勧めします。