2008年05月13日

性交障害にシアリス処方します。

性交障害について、以前触れましたが、イーライリリー社のHPにリンクしていただける予定になりましたので、当院で行っているシアリス処方についてご案内します。

性交障害の対策の図を再度示します。
性交障害.jpg.jpg

シアリスはED治療薬ですが、「性交障害」に対して処方も可能です。「シアリス」はこれまでのED治療薬と異なり、薬の持続時間が36時間、と圧倒的に延長しました。
これまで数時間の持続だったED治療薬は、性交渉の数時間前に服用しなければならず、反対にシアリスは上記の持続効果があるため、必ずしも排卵日に内服しなくてもいい、そろそろ排卵かな?と言う時期や、「今日ですよ」「明日ですよ」と言われたときに内服しておくことで、直前の内服と異なり、あらかじめ飲んでおいて、性的な刺激が加わると勃起の状態となります。性交渉のプレッシャーがある、「性交障害」に効果的、とされています。


・6月より女性健康外来を開始します。
詳細は今後お知らせしますが、6月から午前の外来、毎日女性医師が外来診療を行います。男性医師の診察に抵抗を感じる方、男性医師には告げられない悩み、様々だと思いますが、どうぞご期待下さい。


さくらトリートメント「アロマテラピー無料講習会」、いよいよ本日行います。
どうぞご期待下さい。
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2008年02月24日

LHとhCG

LHとhCGについて、ご質問を頂き、以前から書こうと思っていたものをアップします。07年06月06日の記事、「月経周期の女性ホルモンの推移、排卵、妊娠」と重複しますが、二つの類似したホルモンをまとめてみました。

LHは脳の一部である下垂体から分泌され、卵巣に発育した成熟卵胞を排卵させます。
またhCGは、妊娠によってできる絨毛膜と呼ばれる組織から分泌され、妊娠を維持する役割があります。妊娠反応とは、このhCGの分泌の有無をみて妊娠の判断をするものです。

これらLHとhCGは分子的に構造が似ているため、少し前の時代では、検査してもどちらのホルモンが高いのか判定できませんでした。
現在LHの製剤が開発中で、実際には臨床的に用いることができないため、この似ている構造を利用して、hCGを薬剤として、LHの代わりに、つまり排卵させるため(排卵のコントロール)に用いられています。

両者に共通の構造はα鎖と呼ばれ、異なる構造はβ鎖と呼ばれる部分です。
今は昔、妊娠反応を見るのに、これらを区別できず、できるようになってからしばらくは、妊娠性ホルモン、hCGを、わざわざβ-hCGと呼んでいました。

このように、少しややこしいですが、似ているホルモンを区別する技術、似ている部分を利用した治療法、と、医療って、様々な先人の工夫とアイディアが蓄積された領域です。医はart(芸術)とされる所以がここにも感じられます。


???????i?????j産婦人科クリニック さくらでさくらトリートメントを担当している竹本昌栄さんのブログ、「冷えチェック」益々好評執筆中です???i?`???L?j

年末にお配りしたクリスマスプレゼント、お使いになるなら、今週限定です。
タグ:hCG LH
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2008年02月21日

性交障害 〜不妊治療との関係〜

奇しくも、1日に3人の患者さんから、「性交障害」を相談されました。

時に女性の性交障害を相談されることがありますが、多くは男性側の相談です。

性交障害は大きな意味では勃起不全を含みます。
勃起不全は男性が勃起しない状態で、最近では「ED」と呼ばれています。
狭い意味での性交障害は、マスターベーションはできるものの性交渉では勃起不全となる状態で、外来ではこの狭い意味での障害をよく相談されます。

多くは心因性のもので、疲れやストレス、そしてプレッシャーが大きな理由だと思われます。
特に一般生殖医療であるタイミング法では、排卵日を予想、または調整して性交渉をご指導します。「今日です」「明日です」と確かに我々は妊娠にベストと思われる日を説明していますが、排卵日はお二人の都合に関係なく訪れます。排卵日調整の場合はある程度ご都合を伺っていますが。
当然排卵日は週末や平日、お二人の忙しい日を問わず、またこの性交渉を逃したら次のチャンスは来月になる、この性交渉は赤ちゃんを授かるために必須である、と言うように、女性のみならず、男性にとって大きなプレッシャーとなります。

産婦人科クリニック さくらでは、なるべくご主人のご意見を取り入れ、治療法を提示しています。

性交障害.jpg

人工授精(AIH)はご主人がマスターベーションで採られた精液を調整し、良好な運動精子を排卵日に合わせて子宮の中に入れる方法で、一般生殖医療の中でも精子が少ない男性不妊の治療やフーナーテストで所見が良くない方に行われていますが、性交障害もその治療の適応としています。

ED治療は「勃起不全」に対して行われますが、最近登場した「シアリス」はこれまでの製剤と異なり、薬の持続時間が圧倒的に延長しました。
これまでの製剤は数時間の持続だったので、性交渉の直前に服用しなければならず、シアリスは36時間の効果があるため、必ずしも排卵日に内服しなくてもいい、「今日ですよ」「明日ですよ」と言われたときに内服しておく。直前に内服と異なり、あらかじめ飲んでおいて、性的な刺激が加わると勃起の状態となります。性交渉のプレッシャーがある場合に効果的、とされています。

これらの治療とは別に、治療を一時期お休みするのもひとつの重要な選択肢です。
排卵日にあわせて性交を持つのは、プレッシャーとなりうる、精神ストレスとなる可能性があるための選択です。

女性が通院治療に疲れてしまったときにも、同様にお休みを提示することがありますが、男性も少し休憩しながら、自然なスタイルでご夫婦の時間を持つのも決して間違っているものではないと思います。
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2008年02月18日

第21回不妊カウンセラー・体外受精コーディネーター養成講座

少し前になりますが、日本不妊カウンセリング学会第21回不妊カウンセラー・体外受精コーディネーター養成講座が昨年10月6日(土)、7日(日)に行われました。

以前から産婦人科クリニックさくらのスタッフも参加していますが、今回は院長の私は都合で参加できませんでした。スタッフが4名参加し、多くのことを学んできてくれました。

スタッフの参加レポートを、今日は掲載します。


さくらスタッフで21回目のものに参加してきました。
その中から、私達が興味深かったものを少しご紹介したいと思います。

・〈不妊カウンセリングに求められているもの〉の講座の中から
不妊の悩みを主訴としたカウンセリング初期においては、大半の女性が抑うつ感を訴えており、精神科・心療内科を受診内服治療しているとの報告でした。
なかでも流産、死産の経験や不妊治療全般において女性の心理状況は危機的であるとのこと。
このような状況下にある場合、十分なケアと休養が必要となる。しかし、医師から「休んでいる暇はない」と促され十分な感情を表出できずパニック発作に見舞われたり、次々と迫る不妊スケジュールをこなすことになってしまうのは医療の場にメンタルヘルスの観点がかけているためにおこっていると言う。心の状態に耳を傾け、必要であれば院内外の心理カウンセリングや心療内科等の情報を提供するなど多方面からの支援体制を整えていく事が重要となってくるとのことでした。
私達も、日々の治療スケジュールをこなすだけになってしまわないように心理状況にも注目して患者さんにいろいろな情報を提供していけるようにしていきたいと思いました。
産婦人科クリニックさくらでは、医師・看護師をはじめスタッフ全員で情報を共有し、勉強会等にも積極的に参加しています。
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2008年02月17日

黄体機能検査 〜一般生殖医療〜

・ 排卵の1週間後(黄体中期)に来院していただき、基礎体温のチェック、経腟超音波、採血による黄体ホルモン(プロゲステロン)の測定を行います。
・ 黄体ホルモンは、排卵した卵胞が黄体へと変化して産生されます。
・ 黄体ホルモンには体温上昇作用があり、基礎体温が上昇し、高温相が形成されます。また、子宮内膜を成熟させて、受精卵が着床しやすい環境にします。
・ 黄体ホルモンは血液検査、子宮内膜の状態は経腟超音波で分かります。
・ 黄体ホルモンの絶対量だけでなく、この時期のエストロゲン(E2、エストラジオール)の分泌値との比も重要です。
・ 黄体ホルモン値が低い場合(黄体機能不全)、排卵後に黄体ホルモンの投与(内服、注射)、または排卵誘発剤の投与が必要です。
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2008年02月16日

受精方法 〜一般生殖医療・高度生殖医療〜

生殖医療のもっとも大きなポイントは、いうまでもなく「排卵に合わせて受精させる」ことです。基本的なことですが受精方法は、大きく以下の3つに分けることができます。

1.タイミング法
通常の性交渉による受精法です。

2.人工授精(AIH)(IUI)
ご主人の精子を人工授精用の柔らかいチューブで子宮に注入する方法です。できるだけ多数の運動精子、特に高速直進運動精子を、人工的に子宮腔内に到達させることが目的で、運動精子100万個を回収できれば妊娠する可能性があります。そのため、精液を処理し、元気な精子を集めて注入する精子洗浄濃縮法を行います。
治療周期あたりの妊娠率は全国的に5〜8%です。院長の前任施設でも8%を超えていました。AIHで妊娠する8〜9割の方が5〜6周期までに妊娠されます。人工授精そのものは強い痛みや出血はほとんどなく、外来で短時間に繰り返し受けられます。また、費用は自費診療になりますが、当院では、1回あたり1万2千円です。

3.高度生殖医療(体外受精、顕微授精)
卵管性不妊や原因不明不妊、男性不妊が主な対象です。
受精する場所である卵管の閉塞や卵管摘出術後、また明らかな不妊原因がないもののタイミング法で妊娠しない場合、さらに精子減少症などで行われます。詳しくは今後執筆します。


関連記事
・デッドリンクになっていました。本日修正しました。
不妊治療のステップアップ 〜原因不明不妊〜
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2008年01月15日

映画製作の学生さんたち 〜AIDの現実を直視する〜

映画製作を勉強している日本映画学校の学生さんたちから、「映画を撮るので待合室で撮影させて欲しい」と持ちかけられ、数回のミーティングを持ちました。
学生さんの製作ですから、全部でおよそ40分程度の作品だそうですが、取り上げるテーマが「AID」。

どうしてあえてこういう重厚なテーマを選んだのか。

AIDは私も1月に生殖医療カウンセリング学会で、AIDで産まれた当事者の生の声を拝聴し、大変考えさせられ、ブログにも書きました

20代の若者たちが選ぶテーマとして、あえて社会問題に取り組もうとしているのか。万一にもAIDをただの素材として取り上げるに過ぎないのか。
彼らに会う前は、正直賛否を付けかねる気持ちでした。

数回の会合を重ねるに従って、彼らのAID、精子バンク、ドナー、AIDで産まれた人たちへのまっすぐなスタンスに共感を覚えました。
不妊治療やAIDなど、どうしても負のイメージがぬぐえない現代社会ですが、彼らの目線は全く曇らず、AIDと言う治療を通して、新しい家族のカタチに温かな目を向けます。
そして、私も全く同感なのですが、こういう治療がある、こういう治療を必要とする人たちがいる、こういう治療によってこの世に生を受ける人がいる、この事実をもっともっと社会に直視して欲しい、「裏を返せば、誰でもみんな何らかの意味でマイノリティーな部分を持つ」、そんな真摯な態度に接し、彼らのことを評価し、彼らの作る映画を期待し、その映画が少しでも多くの人に観てもらうことでこの問題に目を向けて欲しい、と私も思いました。そして若い世代には我々が想像もつかない目を持つ人たちがいることに喜びを感じました。

と言っても、台本を見せてもらったところ、色調の暗い映画、社会問題作、ではなく、とても明るいタッチの、テンポのよい楽しい作品のようです。
勿論AIDを楽しく取り上げるのではなく、楽しい作品の中にAIDが素材として活かされ、主題として家族が描かれるのです。

女性体温計」で物を創り出す苦労、能力について触れましたが、映画作りも全く同じ。無から一つの完成された映像作品を仕上げるには並大抵の努力ではないでしょう。

最初にあったように、彼らとの出会いは撮影場所として提供するか、でしたが、残念ながら産婦人科クリニック さくらでの撮影は行われないことになりました。ただ私にとってはそんなことはどうでもよく、この問題に目を向け、映画をを創る彼らの役に少しでも立てれば、と、医療の現状や不妊治療などについて、話をさせてもらっています。

一般公開もされるようなので、その際にはまた紹介したいと思います。
タグ:AID
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2008年01月10日

排卵の予測 〜一般生殖医療 診療のポイント〜

排卵の予測は、
基礎体温
・卵胞計測
ホルモン検査
などから総合的に判断します。

・最初の周期は、月経開始後12〜14日目くらいに受診して頂きます。基礎体温をつけている方は大体の排卵日が分かるため、受診に適した日程を外来でご相談ください。
・基礎体温では高温期になる頃に排卵することが知られています。
・卵胞計測は経腟超音波で行います。卵胞とは卵巣にできる卵子の入った袋のことで、自然周期で約20mm、クロミッドを服用した周期で約30mmに発育した頃に排卵します。
・ホルモン検査は「LH」「E2(エストラジオール)」「P4(プロゲステロン)」の3項目を行うことが多いです。ホルモン検査は外来では通常、超音波検査の後に行うことが多く、排卵日を予測するには、院内で迅速検査を行います。採血後、約20分で結果が出ます。排卵日がおおよそ一定している場合、数日前の診察で予測できる場合は、先に採血を行うことがあります。

・これらを総合して排卵を予測することができます。ただし初めての周期や、卵胞の発育が遅いと排卵日の予測が難しいこともあり、翌日または何日か後に数回受診していただくこともあります。
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2008年01月09日

不妊治療のステップアップ 〜原因不明不妊〜

生殖医療では、不妊原因の検索がとても大切です。いくつかの原因は、それに対する治療を行うだけですぐに妊娠できる場合があります。
しかし、妊娠は様々な条件が整って始めて成立するもので、まだその多くの条件は医学的に解明されていないとさえ考えられています。

女性にも、男性にも明らかな不妊原因がない場合、「原因不明不妊」とされ、通常はタイミング法のご指導から行います。
しかし妊娠に至らないときは、数周期をめどに排卵誘発剤を用いたり、人工授精を行ったりします。
これをステップアップといいます。

何周期くらいの治療でステップアップをすべきか、様々な意見もありますが、概ね3周期、多くて5周期くらいと考えられています。これは統計的なデータに基づいており、同じ方法を繰り返して妊娠にいたる例は、ほとんどが3周期、多く見て5周期くらい、と考えられるからです。

ステップアップを順序だてて行う場合は、

自然周期 +タイミング法

排卵誘発剤+タイミング法
または
自然周期+人工授精

排卵誘発剤+人工授精

高度生殖医療(体外受精)

となるのが一般的です。順序を踏まえて治療を行うと、体外受精などの高度生殖医療にいたるまで、約1年かかります。

正常排卵周期を有する方への排卵誘発剤の投与、正常精液検査所見の方への人工授精に、治療効果が疑問視もされています。我々もこのあたりのデータを綿密に検討していきたいと思います。

治療に対するお二人の考えや価値観を重視しながら、ステップアップについては個々に相談したいと思います。
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2008年01月07日

不妊スクリーニング検査 〜超音波下卵管造影検査〜

卵管の通過性を調べる不妊スクリーニング検査です。

腟内の子宮口から子宮の中にチューブ(ヒスキャス、住友ベークライト社)を留置し、超音波用の造影剤(レボビスト)を注入しながら超音波検査を行います。

この検査は従来のレントゲンを使った造影検査(子宮卵管造影検査、HSG)に比べて、

・検査日程が厳密ではない
・放射線被曝の危険性がない
・ヨード性造影剤を使わないので、アレルギーの可能性がきわめて低く、痛みが少ない
・1日の検査ですむ、その場で結果が分かる

などのメリットがあります。

以前書いた、クラミジア抗原検査で陰性であることを確認してから行います。
一般的には月経終了後から排卵の前に行いますが、妊娠の可能性がない(月経後性交渉がない)周期であれば、排卵後でも施行は可能です。当院ではこの検査は月・水・木・金・土曜日(金・土は午前中)に行っており、検査時間は約10分です。予約外で行うこともできます。

ヨード性造影剤に比べ、安全性が高いのが特徴ですが、レントゲンで行う子宮卵管造影をお受けになった患者さんは、ほとんど、この本法の方が痛みが軽くすんだ、とおっしゃっています。

検査料金は約8000円です。

超音波検査と造影剤は保険適応となりますが、子宮内チューブ(ヒスキャス)と、検査後の感染予防のために内服していただく抗生物質は自費でご負担いただきます。


関連記事
 クラミジア感染症
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2007年11月25日

新しい精子分析レポートできました

新しい精子分析機器SQA-Vによる精子分析レポートを作成しました。

本機器の輸入販売元の「ジャフコ」社から提供されたレポートを、産婦人科クリニック さくらの患者さん向けに加筆修正し、さらに異常所見が見られた場合の治療指針を呈示しています。

以下に掲載します。


精 子 特 性 分 析 レ ポ ー ト

検査日:
ID:
名前:

精液量:    ml
白血球数(正常・異常→精液培養実施)

              WHOによる正常値    
精子濃度:    XM/ml [20XM/ml以上]
運動率:       % [50%以上直進]
前進運動率
速度が速く直進する精子:              % [25%以上直進]    
速度が遅い又は直進性が不良な精子:       %
頭部又は尾部の動きはあるが前進していない精子:      %  
非運動精子:         %
正常形態率:         % [30%以上正常]
*正常形態率は精子の運動性から解析により算出された推定値になります。
正常形態率が30%未満でも、PMSC(a)やSMIが高ければあまり心配は要りません。

運動精子濃度       XM/ml SQA-Vの判定基準
PMSC(a) 高速前進運動精子濃度:      XM/ml [5以上正常]
PMSC(b) 低速前進運動精子濃度:      XM/ml [(a)+(b)が10以上正常]
機能性精子濃度:      XM/ml [3以上正常]
平均精子速度:        mic/sec [5mic/sec]
SMI(Sperm Motility Index)精子自動性指数:           [80以上正常]
受精能力を判定するには運動精子濃度にスピードも考慮して数値化したSMIを判定に用います。

精液検査所見は体調やストレス等により大きく左右されることがあります。

今回異常所見が見られた場合、以下に今後の方針をお示しします。
1.再検査:精液の所見は日々変化し喫煙、飲酒、睡眠不足、ストレスなどを減らし再検査を受けることで正常値を得られることがあります。再検査は概ね、2週間以上の期間を置いてください。
2.薬物療法:漢方薬、ビタミン剤、血行改善剤により、精巣血流を増やしますが、即効性に乏しいことが多いです。
3.人工授精(AIH) 後述するように、元気な運動精子(上記の高速運動精子)のみをできるだけ抽出して、子宮内に注入します。

その他、以下の検査もお勧めします。
・ホルモン検査 下垂体から分泌されるホルモンによって精子形成が妨げられていることがあります。
・泌尿器科受診 「精策静脈瘤」などの疾患の診断をしてもらいます。

重度の乏精子症の場合、以下の治療が必要な場合があります。
・高度生殖医療(顕微授精・ICSI) 重度の乏精子症や精子無力症の場合適応となることがあります。
・精巣上体・精巣精子顕微授精 特殊な機器を用いるため適応となる方は当該施設を紹介します。

これに検査結果を記入してお渡ししています。

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2007年11月08日

新しい精液検査のご案内 〜SQA-V Goldを用いたより詳細な検査〜

診察室5番の電子カルテ画面の横に、見慣れない器械が置かれているのに気付かれた方も多いと思います。
新しい精液検査機器、SQA-V Goldです。
これまで試験的にお借りして精液検査に使ってきたのですが、従来の精子濃度、運動率だけをみる精液検査から、格段に詳細な検査ができるようになりました。

例えば、「高速直進運動精子」の比率です。
運動精子には、まっすぐ早く運動している良好な精子から、動いてはいるもののあまり進みがよくないもの、動いているがその場でくねくねと、ほとんど進まないものなどがあります。妊娠にあずかるのは、この「まっすぐ早く」の精子なのです。
これまでの顕微鏡での観察では、どれくらいを早いとするか、検査を担当する人によって若干異なることがあり、施設内、施設間での成績や治療方針に差が生じていました。
器械でカウントすることは、人間の不得手な客観的な評価を可能にし、また多くの精子を同時に解析できる点が大きなメリットです。

当院で行う新しい精液検査は、この機器を用いるため、通常の保険診療で行うよりも詳細な結果が得られ、治療方針に役立たせることが出来ます。
検査は、自費診療とさせていただき、1回4000円のご負担を頂いております。
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2007年09月24日

不妊スクリーニング検査 〜クラミジア検査(抗原・抗体)〜

クラミジア感染についても以前書きました。
ここでは不妊スクリーニング検査としてのクラミジア感染検査の意義について触れます。

クラミジアは性行為感染症(STD)の一つですが、感染しても症状が出にくく、知らないうちに進行してしまうこともある病気です。
症状としては卵管の閉塞や癒着を引き起こすため、下腹部の痛みや不妊の原因になります。

近年、増加傾向にある為、不妊原因検索の重要な一つとして行っています。
「抗原」検査は子宮頚部のクラミジアを採取し、卵管造影検査などを受ける支障にならないか、パートナーに感染させないか、と言う点から重要ですし、「抗体」検査は血液検査で行い、特に卵管周囲の腹膜炎がないか、以前にも感染した可能性がないか、つまり不妊因子として卵管の因子がないかをみることができます。

クラミジアに感染しているとわかった場合、抗生物質の処方を行います。パートナーと一緒に治療していただかないと再感染を起こしますので、必ずお二人で治療を受けて下さい。
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2007年09月23日

不妊スクリーニング検査 〜基礎体温表・ホルモン検査(基礎値)〜

これまでも基礎体温の役割重要性について、触れてきました。
ここでは、不妊症スクリーニング検査としての役割について書きます。

基礎体温の変化は排卵日や月経の予測、着床期の黄体機能、さらに妊娠の判定に役立ちます。
毎朝、目が覚めたら起き上がる前に(トイレに行く前に)、ふとんの中で婦人体温計で体温を測り記録して下さい。一般的なデジタル体温計が経済的で使いやすく、この体温を表に作ってみて下さい。体温表は薬局などでも安価で購入できますし、クリニックでもお配りしています。メモリー式の体温計を使っている方は、受診前にできれば3ヶ月ほどの体温を表に作ってお持ち下さい。
体温計測は、当初は面倒だったり、上手く測れないこともあるでしょう。毎日の変化が気になったり、自分の体温は異常ではないか、と思われる方も多いですが、外来受診の時は必ず持参して下さい。不妊診療に重要な排卵日の決定や黄体期の評価に用いますで、一緒に日々の変化を見てみましょう。

また、月経期にLH、FSH、プロラクチン、テストステロンのホルモン検査をします。月経期は各種のホルモンが最も低く、この値を基礎値として、排卵障害や卵巣機能不全を起こす基礎的な疾患が無いか、またこの値を参考に排卵期の診断に役立てることが出来ます。
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2007年09月12日

不妊スクリーニング検査 〜内診・経腟超音波検査・子宮頸がん検査〜

不妊スクリーニング検査、ラインナップの詳細です。

内診や経腟超音波検査は婦人科の診察の基本になるもので子宮、卵巣の大きさ、位置、動きやすさなどを調べます。

超音波は検査の精度を上げるため、腟から細い器械(プローブ)を用います。これにより子宮筋腫、卵巣腫瘍などを診断することができます。特に子宮筋腫はその発生した部分が重要です。また子宮内膜症不妊原因として知られており、卵巣チョコレートのう胞子宮腺筋症を形成すると診断できます。超音波はその後の外来でも、子宮の内膜や卵巣にできる卵胞・黄体の状態を確認するため、適時行います。

また、不妊治療に先立ち、1年以内に子宮頚がんの検査をされていない方は、同時に検査することをおすすめしています。
横浜市民の方は、横浜市の子宮頚がん検診もご利用になれます。
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2007年09月04日

不妊スクリーニングラインアップ

不妊症には様々な原因があります。また明らかな原因が見つからない、原因不明不妊もあります。不妊症の原因を知ることは、治療を行っていくために最も重要なこと、と言っても過言ではありません。

不妊スクリーニング検査」とは、根本的に不妊をもたらす原因がないか(絶対不妊)、妊娠しにくい要因がないか(相対不妊)、を調べる検査です。「赤ちゃんが出来にくい」と思ったときに、以下のような検査で、不妊の原因になる病気には治療を行っていきます。
尚、スクリーニング検査のほとんどが、健康保険の適応となります。

1.内診、経腟超音波検査、子宮頚がん検査
2.基礎体温表・ホルモン検査(基礎値)
3.クラミジア検査(抗原・抗体)
4.超音波下卵管造影検査
5.精液検査

それぞれの項目については、改めて書いていきます。
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2007年08月18日

生殖医療カウンセリング

当クリニックの生殖医療コンセプトの一つに、「心に優しく」があります。

生殖医療、不妊治療では、多くの悩みやストレスを抱えると思います。

妊娠への期待感と、上手く妊娠しなかったときの失望感が主な原因だと思います。また家族、職場、周囲の理解が得られないことも大きいですし、自費診療もあり、治療費がかさむことも大きいと思います。

現在「産婦人科クリニック さくら」のスタッフも、生殖医療を基礎から勉強しなおし、またカウンセリングについても勉強しております。

現段階では専門のカウンセリングを行う時間や診療を準備しているところです。

治療に疲れたな、どうしたらいいんだろう、もっともっと詳しく知りたいことがある、どんなことでも構いませんので、院長や桜井加那子医師をはじめ、どのスタッフにでもお声を掛けてください。皆さんとともに真摯に考え、よりよい解決策を見出すお手伝いが出来たら、と思います。
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2007年08月12日

精子凍結保存

当クリニックで行っている生殖医療の一つに「精子凍結保存」があります。

文字通り、ご主人の精液を、液体窒素の中で凍結保存する方法です。

受精卵凍結と同様に理論的には液体窒素中で半永久的に保存することができます。体外受精や人工授精に必要なときに解凍して用います。

主な適応は、
・体外受精や人工授精時に、仕事や出張などで精液を採取できない方。
・精液の所見が採取するたびに異なる、所見が悪いことがある方。
・特に悪性腫瘍のため、手術療法や放射線療法、化学療法(抗がん剤治療)を予定されており、その治療のために将来像性機能が障害される可能性がある方(配偶者の有無を問わず、未成年でも可能)。
です。

女性は採卵や排卵に向けて、排卵誘発剤を使ったり、数回の受診、採血、超音波検査を行って、受精の準備をしていきます。
体外受精・人工授精時にご主人のご都合が悪かったり、精液所見が思わしくないとき、それまでの努力、苦労が無駄になってしまいます。
月に一回のチャンスを無駄にしないためにも、上記の方を対象に、精子凍結保存を行っています。

・精液の採取方法は、精液検査と同様です。滅菌した清潔な容器で採取していただきます。
・精液の所見によっては、数回分に分けて保存することも可能です。
・採卵や人工授精で用いる際に、あらかじめ解凍処理を行います。以後は新鮮精子を用いる場合と同様です。
・費用は以下の通りです。
  精子調整:10000円/回
  凍結管理:10000円/年
  解凍処理:5000円/回

精子は遺伝子が含まれているためとても大切です。あらかじめ承諾書を頂いた上で、慎重に取り扱わせていただきます。詳しくはクリニックでご案内しております。
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2007年07月23日

排卵誘発剤 〜注射剤;r-FSH、u-FSH、hMG〜

高度生殖医療のラインナップでお示しした、r-FSH、u-FSH、hMGについて述べたいと思います。

本稿は、高度生殖医療に限らず、一般生殖医療にも深く関係します。

内服の排卵誘発剤(クロミッド、フェマーラ)で排卵が認められない場合、排卵は正常に起こっても妊娠に至らない場合、また高度生殖医療の採卵で、たくさんの卵子を得たい場合に注射剤が使われます。

FSHとは、「卵胞発育刺激ホルモン」のことで、もともと下垂体から分泌されているものです。これを薬として使うことで、より効果の大きい「排卵誘発」をすることができます。またエストロゲン分泌が盛んになるため、子宮内膜が厚く作られます。

注射剤は従来「hMG製剤」と呼ばれてきましたが、今日では注射剤の中には「hMG」「u-FSH」「r-FSH」の3種類があります。「r-FSH」は今年4月、新しく保険適応となりました。

r-FSH 
リコンビナントとよばれる技術を用い、尿由来ではない、100%純粋なFSHの製剤で、現在国内では「フォリスチム」という薬剤のみが保険適応になっています。下のu-FSH製剤と比べて、若干コストがかかりますが、純粋で夾雑物がありません。LHは「LHサージ」で知られるように、排卵させるホルモンですが、r-FSHには「LH」が全く含まれないため「卵巣過剰刺激症候群」「多胎妊娠」の発生率が低下します。一方で単独で使用した場合の排卵誘発効果が弱いため、「クロミッド」や「フェマーラ」と組み合わせ、より身体に優しく有効な排卵誘発を行います。

u-FSH 
尿由来のFSH製剤で、下のhMG製剤と比べて、「LH」の含有量が極めて少ないです。「LH」は排卵前の卵胞期に投与されると強い卵巣刺激があります。u-FSHはr-FSHと同様に「卵巣過剰刺激症候群」や「多胎妊娠」の発生率を低下させます。、「クロミッド」や「フェマーラ」と組み合わせる方法は、やはりr-FSHと同様です。

hMG 
以前よりあった注射の排卵誘発剤です。製剤によりLHの含有量が異なるため、なるべくLHの量が少ないものを用います。たくさんの卵子を採卵するためには最も効果的ですが、「卵巣過剰刺激症候群」の発生に注意しなければならず、また「胚移植」を行わない、タイミング法、人工授精(AIH)では、多胎妊娠のリスクが高くなります。

この記事をお読みになり、お使いになっている製剤に対する疑問や不安な点など、何なりとご質問下さい。
posted by 桜井明弘 at 20:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 生殖医療(不妊治療)一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月14日

生殖医療の相談・検査・治療

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「産婦人科クリニック さくら」で行う、主な検査、生殖医療(不妊治療)の概念図を示しました。

妊娠の希望、不妊に対する考え、価値観は、皆さんそれぞれ異なったものをお持ちです。当クリニックでは、初診時、または治療中に随時、時間をかけて患者さんの価値観を伺っていきたいと思います。

「不妊スクリーニング検査」は、妊娠できないのではないか、しにくいのではないか、と言った原因を調べる検査で、説明をした上で選択していただいています。

生殖医療(不妊治療)には、大きく分けると「一般生殖医療」と「高度生殖医療」があります。
「一般生殖医療」では、タイミング法を中心に、排卵のタイミングをはかったり、排卵・性交後の状態、またホルモン分泌などの内分泌環境について調べながら治療を進めます。
不妊スクリーニングで妊娠の妨げになる子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣のう腫、卵管閉鎖などが認められた場合、「手術療法」の適応となることがあります。基本的には身体に優しい内視鏡下手術(腹腔鏡・子宮鏡)をお勧めしています。院長が非常勤勤務をしている賛育会病院も紹介対象です。一般生殖医療を進めながら、不妊因子の検索のために腹腔鏡を行うこともあります。

こうして治療を進めつつ「一般生殖医療」「高度生殖医療」と「手術療法」を患者さんと相談して行きます。

posted by 桜井明弘 at 01:40| Comment(2) | TrackBack(5) | 生殖医療(不妊治療)一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする