2012年05月19日

「市がん検診は危ない」??

別の記事にお寄せいただいたコメントをきっかけに、4年ぶりに記事をアップ致しました。
(初出2008年5月18日)

ある一人の患者さんから気になることをお聞きしました。

別の件で来院された患者さんですが、初診だったのでいつもどおり婦人科の検診、お受けになっているかお聞きしたところ、その方は健康を気遣い毎年ドックに入っている、とのことでした。

都内の有名病院まで行ってらっしゃるようですが、毎回高額がかかるので困っている、との事。横浜市のがん検診などについてご案内し、当院で行っている市の子宮がん検診は自己負担が1360円で済むこと、卵巣に関しては内診だけでなく超音波を使って検査しているので卵巣の検診も同時に行っていること、これらを説明したのですが、聞けばその方の知り合いの市の職員の方が、市のがん検診は危ないから、と言ったそうで、これを信じているため、市の検診は受けたことが無い、疑っている、とのことでした。

健康維持のため、病気の早期発見のために、毎年お金を賭けて自分の体をチェックするのは、良い心がけだと思います。健康を維持するにはお金がかかる、健康・命はお金には代え難い、こういうことをこの方は自覚されていますが、それにしても毎年多大な額を負担するのであれば、市や自治体が行っている検診をうまく利用されたらいいと思います。

ちなみに「市がん検診は危ない」は、どこからどう誤解を招いたのでしょうか。

横浜市で行っている市の子宮がん検診は、各医療機関が独自に子宮がんの細胞診を行って、それに市が一部負担をしている形です。

産婦人科クリニック さくらでは、全ての子宮がん検診を、細胞診を行う外部検査会社に委託しているのですが、市のがん検診が危なければ、当院で行う細胞診すべてが危ない、ということになります。
まったく不本意なご意見で、医療機関で行う検査に対する信頼を根本から覆す誹謗中傷ととられかねません。

他の自治体で行っているスタイルで、自治体内で行われた細胞診の検体を特定の医療機関にすべて集めて判断しているものもあります。悪く解釈すれば、ものすごい検体数をその医療機関の検査室でさばかなければならず、例えば見落としがあったのか。そんなことをその患者さんがお帰りになった後も考えていました。

さらにその方の知り合いの市の職員の方、どんな意図で発言されたのか、どんな根拠があってそんな事を言ったのか、多くの市の職員の中で、市が行う子宮がん検診事業を理解している職員がどれだけいるか、など、こんなデマが流された背景に思いをめぐらしていました。

ここに取り上げたのは、検診がどんな流れ、スタイルで行われているのかをお知らせし、またこういった誤解を抱いている方がないか、と心配になったためです。


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不妊スクリーニング検査 〜内診・経腟超音波検査・子宮頸がん検査〜


以下、初出時の情報です。

遅くなりましたが、「アロマテラピー無料講習会」には、たくさんの方が参加していただき、皆さん楽しんでいただいたようです。
私(院長)も参加予定だったのですが、当日の勤務先で緊急手術があり、残念ながら不参加でした。
講習会の模様はさくらトリートメントの竹本さん、今回の講師ですが、ブログに書かれています。さくらトリートメントでは、今後も、新しい企画をさらに考案中です。

また
産婦人科クリニック さくら スタッフブログ
、にも記事を掲載しておりますので、参加いただけなかった方も、当日の内容や雰囲気をお楽しみください。

おかげさまでこのブログ、アクセスがだんだん増えています。
シーサーブログでいよいよ500位に迫る日もあるようになりました。
決して上位を目指しているわけではなく、読んでいただける方のためになる情報を共有したい、この思いからこれからも皆さんの興味ある記事を書いていきたいと思います。
皆さんから忌憚ないご意見をいただけるととても嬉しいです。よろしくお願いします。
posted by 桜井明弘 at 23:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 産婦人科一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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