2008年04月21日

鎮痛剤 〜子宮内膜症の治療法〜

子宮内膜症における鎮痛剤の効果、単に月経痛などの症状緩和と思われていますが、一部の鎮痛剤の中には内膜症に対する治療効果の可能性が示唆されているものがあります。

鎮痛剤は様々な分類がありますが、NSAIDs(非ステロイド系消炎鎮痛剤)の中に「COX-2阻害剤」と分類される薬がいくつかあります。
COX-2阻害剤阻害剤は、NSAIDsにみられる胃粘膜障害が軽度で、鎮痛剤の中で注目される薬剤ですが、近年、子宮体がん発生予防に効果があるのではないか、すなわち子宮内膜に対する直接作用が期待出来、これを拡大適応すれば内膜症に直接作用があるのではないか、と考えられ始めました。

勿論、まだEBMが得られているわけではありませんが、子宮内膜症を抱えてらっしゃる患者さんの鎮痛剤の選択の一つになるかもしれません。

このCOX-2阻害剤阻害剤、国内でも臨床的に使用ができます。

一つ難点は、鎮痛効果が他のNSAIDsに比べて弱いと感じられるところです。弱いとはいえ、この薬によって月経痛が緩和される方も多いので、上に書いたように選択肢の一つとして提示することもあります。

これまで書いてきた内膜症治療、そして子宮内膜症シリーズ、そろそろ「大団円」を迎えようとしていますが、読んでいただいた皆さんは感じられていると思います。様々な治療がある中で、ベストな治療は、人それぞれ、また治療してみないと分からないところがあります。今後もEBMに基づき、また患者さんのライフスタイルや症状、そして内膜症の状態をよく把握しながら、治療法を提示して行きたいと思います。


さくらトリートメントの竹本さんのブログ、「リフレクソロジーは怖くない!」は、リフレクソロジーの基本的なことについて詳しく書かれています。


posted by 桜井明弘 at 00:00| Comment(16) | TrackBack(0) | 子宮内膜症 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
先生のブログ、興味深く読ませていただきました。
ありがとうございます。

私は、1年3ヶ月前に腹腔鏡手術をした20代後半未婚の者です。
会社の検診で6センチのチョコレートのう腫が見つかりました。
全く自覚症状はありませんでした。
ネットで色々検索したところ、地方ではあるのですが、
たまたま幸運なことに地元に腹腔鏡手術に関しては有名な先生がいらっしゃることが分かり、そちらで手術をしていただきました。
その後、ありがたいことに体調もよく元気に過ごしています。

今までの検診では全く気になってなかったのですが、
1年過ぎると、再発のことが気になっています。
何しろ私の場合元々生理痛もなかったので、それがバロメーターともならず、
体調は悪くないのに3回目の検診を前にして何となく再発のことなどが気になってきています。
確率のことを気にしても意味がないことは分かっているのですが、やはり気になります。
先生のブログも含めて、ネットで読むことができる論文や、
内膜症治療では名が通った病院や先生のブログを拝読すると
内膜症は閉経まで完治しないと書かれている一方で、
術後の再発率は100%ではなく、大体平均的に30%くらいの数値が出ています。
これはどのように考えたらいいのでしょうか?
閉経までにもう1,2回くらいは覚悟しているものの、自分が30%の残りの方の70%側に属したいと期待しているのですが…
Posted by ai at 2008年04月25日 18:07
aiさん、こんばんは。
内膜症再発については、とても気になるところだと思います。

実際に他の良性疾患に比べて、私も術後の再発について、再三お話をしています。

子宮内膜症が、「良性のがん」と喩えられる一つの理由が、この再発率の高さです。一般に、内膜症の程度が重症であるほど、年齢が若いほど再発の傾向が高く、また手術時に小さな病変が多発している、残存病変がある、なども同様に再発を心配します。

再発率30%が高いのか、低いのか、とらえ方だと思いますが、良性疾患にしては高いでしょうね。

大切なのは、この後お受けになるように、検診です。aiさんのように症状がなかった方も、もともと症状があった方も、再発の時に症状があるとは限りません。
検診で再発を早い段階で発見できれば、増悪する前に手を打つことが出来ますね。
Posted by 桜井明弘 at 2008年04月27日 22:04
桜井先生初めまして。内膜症の癒着のトピにレスしたのですがお忙しいようなのでこちらにレスしました。私は昨年5月に5cmほどの子宮筋腫核手術と右卵巣の1cmほどの腫瘍摘出手術を受けました。しかし子宮腺筋症があったらしく、そこは手をつけられなかったらしいです。その後数ヶ月でCA19-9が200を超えたため、昨年10月から今年2月までディナゲストを試したが鈍痛と不正出血で中止、ルナベルは3月〜4月まで試したが、右卵巣が捻れたかのような激痛に悩まされ、中止、その後も激痛のためロキソニンを一日6〜7錠服用しています。当帰芍薬も自己流で飲んでいますが効果は??てな感じです。もう子宮全摘以外ないのでしょうか?子供が欲しいと思いながら36歳未婚で
Posted by チビ太 at 2009年04月28日 15:33
チビ太さん、失礼しました。前回の書き込みですが、どのようにお答えしたらいいか分からなかったのです。

いろいろと治療を試されて、いずれもうまく合わないようですね。
偽閉経療法を考えてはいかがでしょう。
以下に書いた内容をご参考ください。
http://cl-sacra.seesaa.net/article/87621672.html
Posted by 桜井明弘 at 2009年05月05日 23:18
桜井先生お忙しい中、コメントありがとうございました。実はリュープリンは以前2クール試したことがあります。副作用がひどく、子宮筋腫核手術に踏み切りました。今日診察を受けましたが、癒着による痛みではないか?…と婦人科では言われましたが…。子宮全摘をしても、癒着により、新たな痛みが出る可能性もあるとのことでした。もちろん腺筋症による痛みもあるでしょうが…とのこと。もう不安で仕方ありません。桜井先生のように、腺筋症だけ手術してくれる先生に出会いたかったです。地方では婦人科で結構有名な病院なのですが…。
Posted by チビ太 at 2009年05月08日 11:49
チビ太さん、こんばんは。
腺筋症をお持ちで、さらに様々な治療を試されているので、正直手が無いです。
ただ、これまで行ってきた治療をより快適に過ごすよう、努力はできます。

子宮全摘は最後まで行いたくないですね。

偽閉経療法の副作用軽減の工夫、お読みいただけましたか?
http://cl-sacra.seesaa.net/article/90653128.html
Posted by 桜井明弘 at 2009年05月09日 00:01
桜井先生こんばんは。お忙しい中いつもアドバイスありがとうございます。私の担当の先生も同じく、痛みの原因もわからないし、お手上げのようです。ディナゲストがまだマシかと思い、また始めましたが、今も激痛と闘っています。痛みから少しでも逃れるために筋腫を取ったはずなのに、術後癒着で術前よりも痛みがひどくなるとは思いませんでした。腺筋症があるので仕方ないのでしょうが…私のように、術後のほうが痛みが辛くて悩んでる方はいらっしゃいますか?リュープリンのホルモン調節どころか、漢方薬の話をしただけで鼻で笑われました。医学会も術後癒着の痛みにもう少し力を注いでもらいたいです。
Posted by チビ太 at 2009年05月13日 23:06
チビ太さん、おはようございます。

筋腫核出手術、特に開腹手術、や、腺筋症の存在は、術後癒着が形成されやすいです。特に婦人科では、術後に卵管を初めとした妊娠に必要な臓器への癒着が心配される場合、癒着防止剤を用いることがあります。

現在のチビ太さんの痛みが果たして癒着によるものなのか、他に原因があるのかが分かりませんが、また折角ディナゲストを使いながらも激痛があるのであれば、治療方針を再度検討しなければならないと思います。
Posted by 桜井明弘 at 2009年05月14日 11:52
桜井先生こんばんわ。現在もディナゲストを服用してます。毎日ロキソニンを飲んでますが、ルナベルの時の痛みよりはマシで一日三錠ほどで済んでいます。以前書いたと思いますが、小腸癌の手術も筋腫核摘出と同時にしたので、術後痛がひどいのかと思いましたが外科の先生は痛みが臍より下のほうだから婦人科で間違いないだろうとのことでした。排便後しばらくすると右下腹部の痛みが増すような気がします。軟便等に関係なく。そうなると、ロキソニンもなかなか効きません。もう治療方法はない、と断言されました。桜井先生のところならどうされますか?
Posted by チビ太 at 2009年05月18日 01:17
チビ太さん、こんばんは。

治療法がない、は厳しい一言ですね。ましてや内膜症は良性疾患ですから、さまざまな選択肢がある疾患だと思います。

しつこく偽閉経療法も提案したいですが、チビ太さんには受け入れがたい選択肢なのでしょうか。

他にもボンゾールの低容量法もあると思います。

何より診察し、これまでの経緯、患者さんの治療に対する価値観を踏まえたうえで、治療法は呈示しなければならないと思います。
Posted by 桜井明弘 at 2009年05月18日 23:56
桜井先生お久しぶりです。あれからディナゲストを続けて、一ヶ月程経って出血が始まり、更に一ヶ月程経ったらピタっと出血が治まりました。前回は四ヶ月服用中、三ヶ月間出血し、薬を止めてからも二週間ほど出血し痛みも今よりひどかったのですが、ルナベルの激痛に慣れたからなのか、今回はロキソニンは一日一回、後は市販の痛み止めを一回程度で大丈夫です。二ヶ月前の激痛が嘘のようです。今は気功みたいなのに通ってますので、それのおかげもあるかもしれません。ディナゲストの効用がこうも変わることがあるのでしょうか?だいたい最高でどれくらいの期間服用できますか?ルナベルに比べたら金額は高いですが痛みが減ったので背に腹は替えられません。ルナベル服用中の激痛は何だったのでしょう。
Posted by チビ太 at 2009年06月20日 23:50
チビ太さん、こんばんは。

ディナゲストの効用、というよりも、副作用で見られている不正出血ですね。ありうると思いますよ。

不正出血は低エストロゲン状態が持続するために起こる出血で、この状態が続くことで、無月経から少量の不正出血、多量の不正出血、とさまざまなことがありえます。

ルナベルの激痛は出血中のものでしたか? 通常の月経によるものよりも軽いことが多いですが、同等であったり、反対に強く感じられることもあるようです。
Posted by 桜井明弘 at 2009年06月24日 00:14
桜井先生こんばんは。ルナベル服用時は出血がない時が激痛でした。右の卵巣付近が捻れたような痛みで、生理痛並でした。生理痛より鎮痛剤の効き目が悪かったです。出血時の痛みは少しだけマシでした。私の予測では、ピルはホルモンを補充して体からのホルモン分泌を減らす療法ですよね?でも中にはホルモンを補充しても、ホルモン分泌が減らないで相乗効果で高濃度のホルモン状態になる人が、卵巣の収縮が活発になり、激痛に悩まされていることはないのでしょうか?
Posted by チビ太 at 2009年06月30日 00:49
チビ太さん、こんばんは。

チビ太のように、出血以外の時期に痛みが強く感じられる方も確かにいらっしゃいます。ただ、私もその理由を上手く説明することができません。排卵が抑制されている以上はホルモン(エストロゲン)が高い状態になることはないと思いますし、エストロゲンが卵巣収縮、、、以下の機序も考えにくいです。現在はディナゲストで症状は落ち着いてるとのことでしたね、明らかな服用期限はありませんが、ご年齢や副作用の面からも、担当の先生と相談なさってくださいね。
Posted by 桜井明弘 at 2009年06月30日 18:48
初めまして(*^^*)48歳で子宮内膜症になりホルモン治療でこのまま閉経に、もっていきましょうと、言われましたがホルモン治療は副作用がで鬱になったり骨粗鬆症になるのでピクノジェノールを飲み治したいと思い最近飲み始めたんですがピクノジェノールは血流がよくなるので閉経しようとしてるのにピクノジェノールのせいで閉経が長引いて
子宮内膜症も生理がくるたびもしかしたらひどくなるんじゃないかと心配になってきました(;o;)22歳くらいに鬱になったのでホルモン治療どうしてもしたくありません(;_;)ピクノジェノール漢方でどうにか閉経までならないでしょうか?(;_;)
Posted by みぃ at 2013年10月31日 03:01
みぃさん、こんにちは。
回答が大変遅くなりました。

ピクノジェノールは健康食品であり、子宮内膜症に対してどのような機序で改善効果があるのか分かりません。
また、摂取することで閉経が遅れる。。どうでしょうか、その辺りは販売会社や積極的に推奨している医療機関に聞いてみたらいいのではないでしょうか。

当院で扱っている治療法ではないため、情報が乏しく、回答が出来ません、申し訳ありません。
Posted by 桜井明弘 at 2013年12月03日 12:45
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