2008年04月19日

漢方療法 〜子宮内膜症の治療法〜

子宮内膜症によく使われる漢方薬に「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」があります。
当帰芍薬散は、主に虚証、どちらかと言うと痩せ型の方に使われる処方で、内膜症をはじめ、婦人科疾患には様々な効果があるとされています。月経困難症やPMS(月経前症候群)、不妊症、妊娠中の流早産予防などです。骨盤内の血流改善効果と考えられています。
その効用の中に子宮内膜症もあるため、実際に処方されたり内服中の方も多いのではないでしょうか。

漢方療法を行われている患者さんの中には、大変効果がある、内服してよかった、と実感されている方もあると思いますが、反対に漢方療法、全く効かなかった、と相談にみえる方も大変多いです。
漢方療法自体、効果発現までに1〜2週間の時間が必要で、効果判定には最低1ヶ月継続しなければなりません。

一方、EBMの観点からは、子宮内膜症に対する漢方療法は、それ自体にほとんど治療効果は証明されず、例えば子宮内膜症の主症状である月経困難症の改善効果はあるかもしれません。漢方療法は他の薬物療法などをサポートする治療で、他の治療と併用するものと位置づけることができるかもしれません。

他に内膜症では、「偽閉経療法の工夫 〜継続のための副作用対策〜」でも述べたように、偽閉経療法の副作用軽減の目的に「桂枝伏ュ丸(けいしぶくりょうがん)」を用いることもあります。

これら当帰芍薬散と桂枝伏ュ丸とともに婦人科3大漢方と称される加味逍遙散(かみしょうようさん)を用いる場合もあり、漢方の効果は証、体質にも左右されるため、ご自身にあったものを探し、試してみる必要があります。

産婦人科クリニック さくらでも漢方療法を行っている多くの患者さんがいらっしゃいます。お一人お一人に適した治療法を提示して行きたいと思います。


さくらトリートメントを担当している竹本昌栄さんのブログや、このブログで紹介しました、竹本昌栄さん、橘誠子さんによる「アロマテラピー講習会」、参加申し込み有難うございます。

(2009年8月18日補筆修正)
現在、さくらトリートメントでは、定期的に講習会を開いておりますので、こちらをご覧ください


posted by 桜井明弘 at 00:09| Comment(4) | TrackBack(1) | 子宮内膜症 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
桜井先生こんばんは。明日の受診で聞いてみたいと思っていたのですが、漢方で興味深い記事を見つけました。週刊朝日MOOKの最近の雑誌で、漢方養生法完全ガイドという本の中に、年齢による卵巣の機能低下に八味地黄丸が有効なことも、と記載がありました。昭和大学藤が丘病院産婦人科の大塚純子先生のコメントが載っています。もちろん漢方薬ですので、体質的に合う合わないは、あると思いますが、八味地黄丸というと、高齢の男性への処方というイメージが強い中、女性に使うのは驚きましたし、興味深いと思いました。DHEAも興味がありますが、今後使用するかたが増えて、先々、内膜症を100%悪化させないとも言い切れないと思うと、八味地黄丸ならそんな心配はいらない分、注目しています。
Posted by R.T at 2009年05月26日 21:59
卵巣機能低下に対する八味地黄丸の効果については、数年前から報告が見られ、数人の患者さんに使用経験があります。
実際に当院で処方させて頂いた方々で、このコメントをお読みになられている方もいらっしゃるかと思いますが、効果についてはまだ信頼できるデータに乏しい、と言うのが実感です。

一方でDHEAを使われている方に、確実な効果があるのを実感しています。

卵巣機能は年齢だけで一概に言えませんね。治療後の卵巣機能改善を待って、一度調べてみましょう。

ただ、妊娠を希望されている方でしたら、積極的に妊娠を考えるのが一番だと思います。
Posted by 桜井明弘 at 2009年05月27日 01:18
はじめまして。最近、子宮内膜症の診断を受けたものです。だいぶ進行しているし、この病気は治らない、甘いもんじゃない。といわれて、とてもショックでした・・。
担当医から、低容量ピルでの治療をすすめられましたが、セカンドオピニオンを受けるつもりで探していたところ、このブログにたどり着きました。
早速ですが、漢方治療も併用したいことを担当医にいったところ、「気休めかもしれないけど、希望するなら、この病気の場合、桂枝伏ュ丸だけど、飲んどく?」といわれました。
漢方というのは、体質等ヒアリングしてから決めるものではないのかな?と素朴に疑問を持ちました。
こちらのクリニックでは、漢方はどのような方針で処方されていますか?
セカンドオピニオンを受けさせていただこうかと思っています。
Posted by Non at 2009年08月07日 22:36
Nonさん、こんばんは。
大変難しい質問ですね。そもそも前提として、残念ですが、内膜症に対する漢方療法の効果が不確かです。
詳細は以下の記事もご覧ください。
http://cl-sacra.seesaa.net/article/82138815.html

漢方療法の専門知識は、東洋医学に属し、生半可な知識では対応できません。この点を「体質等ヒアリング」と表現されているのだと思います。
我々のような一般婦人科医も一通りの漢方治療について学び、実際に処方してみた経験があり、おおむね治療効果について実感していますが、Nonさんが望まれているような対応はできないかもしれません。

婦人科領域では、内膜症に限らず、月経不順、月経痛、更年期障害や妊娠中のトラブルなど、桂枝伏ュ丸をはじめとした幾つかの漢方薬を処方しますので、上記の点を踏まえた上で来院されることをお勧めします。
Posted by 桜井明弘 at 2009年08月08日 00:38
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