子宮がん検診、初めて受診された方の子宮頚がん発見率は、再受診の方のなんと9倍にも上る、と「ちば県民保健予防財団」(千葉市、藤沢武彦理事長)の解析で分かったそうです。
一方で、記事によると初めて子宮がん検診を受ける「受診者数は全体の1割に低迷している」そうです。
つまり、子宮がん検診、9割の方が複数回受診しているのに、初めて、と言う方が少なく、また以前にも受けた方はやはりこれまで異常が見つからなかったため、がんが見つかることは多くは無く、一度も受けていない方には9倍も子宮がんが潜んでいる、と言うことです。
と記事を解説しながら、自分の経験でも思い当たることがありました。
「婦人科とは縁が無かった」とか「お産の後は婦人科受診する機会が無かった」と言う方。不正出血や性交後出血、痛みを感じて来院され、診察すると一目で子宮がんと分かるほど進行しているような場合。
検診を受けていればここまで進行するより前に、いえ、通常であれば前がん病変である子宮頚部異形成の段階で発見できたのに、と思ってしまいます。
昨年の開業以来、地元横浜市の患者さんを診療するようになってからも、健康意識の高い地域で皆さん気を遣ってらっしゃる、大きな病気を持っていない健康な方が確かに多いとは思うのですが、都内の患者さんと比べると、検診受診率が低いと感じました。
横浜市の子宮がん検診サービスをご存じない、または受診年齢を勘違いされている方も多く、それこそ産婦人科クリニック さくらで初めて受けられる方も沢山いらっしゃいます。
記事からの引用を続けます。
「調査対象は、(中略)27万4985人。(中略)3年間で85人に子宮がんが見つかり」「初回受診者の発見率は0・144%で、再受診者(0・016%)の9倍もがんが見つかった」「初回受診者数は(中略)受診者全数の11%しかいなかった」
「実施主体である市町村は過去にがん検診を受診した人にのみ個別に受診を呼びかけ、それ以外の人には、広報紙などで検診日程を掲載するだけの例が多いことが背景にある」
この最後の部分、これも大変重要な部分です。上に書いたように、横浜市の子宮がん検診ですが、実際には市や区の広報誌に掲載されているだけなのが現状で、自ら調べる手だてがほとんどない、ですから他の件で受診された際に、こんながん検診があります、と勧められて初めて受けるのでしょうね。
この点、記事にあるのと全く同感で、私も行政の広報に責任の一端があると思います。
再び記事から。「国は20歳以上の女性を対象に2年に1回、子宮がん検診の受診を勧めているが、全国の平均受診率は18・9%(05年度)に過ぎない。藤沢理事長は「がん検診は、未受診者に検診の意義や日程を知らせる工夫こそ大事だ」と話している」。私も全く同感で、そのためこのブログでも、クリニック内でも、皆さんに告知しているのです。ただ、この文にある2年に1回、は医療財政上の問題でこの間隔に設定されていますが、がんを未然に、前がん病変、または早期がんで発見するためには、1年に1回の検診が必要です。
そう、検診が受けられるのも、我々が必要、と考えているのも、20歳以上なんです。
耳にした噂ですが、17歳の子宮頚がん患者さんが発生したそうです。
最近は,随分子宮がんに関する啓蒙もすすんでいる気はするんですが,まだまだなんですね.
ウイメンズヘルスという観点からは,普段行く機会が少ない婦人科よりも,プライマリケアを担う僕ら内科医が,日ごろから女性患者さんに子宮がん健診の啓蒙だったり,月経困難症に対する対応だったりを,お話したりするほうがいいんでしょうね.
なるべく,その取っ掛かりになるような話は患者さんにしてはいるのですが,今後とも,いろいろ教えてください.
また,患者さんもよろしくお願いします.
週一、お目にかかっていますがこちらではお久しぶりです。
本当に、子宮癌・卵巣癌の若年化に驚いています。
初期の手術であったり、根治術であったり、とにかく若い方が多くいらっしゃるようになったなと思います。
自分と同じような年の方がいらっしゃると、悲しくなります。
そうゆう私は、5年位前に受けたきり癌検診を受けてないなぁ・・・と。
何とかの不養生ですね。(笑)
今年の健康診断では、スメアも同時に申し込みました。
皆さんも、私はまだまだと思わずに検診を受けてほしいですね。
先生のように女性医療に対する理解の深い内科の先生は決して多くないと思います。専門ではない、と背を向けられることが多いのではないかと思いますが、先生のようなお考え、婦人科医としてはとても心強く思います。
実際、先生の患者さん、先生に様々な悩みを相談するうちに、じゃあ婦人科に、という流れになってご紹介いただきますよね。検診目的にいらっしゃる方から、結構重い疾患を抱えてる方もいらしたり。
内科、婦人科、などと縦割りに診療するのではなく、地域で柔軟に連絡しあって一人ひとりの患者さんのためにこれからもタイアップ、お願いします。
おかあさん、こんばんは。
やはりそう思いますよね、10年前、もっと前と比較して、明らかに子宮頚がん、その前がん病変である異形成の患者さん、増えましたよね。
今後の患者さんの低年齢化、ますます心配ですが、ちょっと朗報もあります。すぐにアップしますね。