インフルエンザは、現在では非常に簡便なキットが多種類開発され、咽頭ぬぐい液や鼻腔ぬぐい液で、3〜15分ほどで院内で診断が出来ます。
以前は流行状況を背景に、症状から診断するしかありませんでしたが、非常に効果のある抗インフルエンザ薬が開発されたため、いかに早くいかに正確に診断できるかが重要となりました。抗インフルエンザ薬については、「タミフル」が話題になったばかりですので、後で触れたいと思います。
インフルエンザ、罹ったかな?と思われたら、のどを綿棒でこする、または鼻の穴をこする、といったことで診断が出来ます。自分の経験からはのどよりも鼻のほうが抵抗が少ないですね。
検査は保険適応されますので、3割負担の方で自己負担800円強です。
陽性の判定でインフルエンザ診断が確定しますから、感染拡大を予防するため、休職、休学、となり、内服薬の処方、となるわけです。
内服薬はほとんどの方に効果があり、内服した翌日くらいから解熱、諸症状の緩和がみられてきます。
ラベル:インフルエンザ
秋の終わりから冬にかけての時期に風邪の症状があって医者へ行くと、すぐインフルエンザの迅速診断検査をされ、陽性に出るとタミフルなどの抗インフルエンザ薬が処方される、というのが日本では当たり前のようになってしまいました。しかし、これは国際的なスタンダードに添った医療とは言えません。
厚生労働省は「インフルエンザは風邪とは違う怖い病気である」という大宣伝をしています。確かに、高熱や感染力の強さという特徴はありますが、インフルエンザもウイルス性の風邪の一種に他なりません。抵抗力の落ちた高齢者などでは命取りになる場合もありますが、ほとんどの人の場合は、特に治療をしなくても数日で自然に治ります。
脳症の恐怖が必要以上に強調されていますが、インフルエンザ脳症は日本だけ多いという特徴があり、インフルエンザそのものと言うよりは、解熱剤の乱用に原因があるのではないかと考えられています。
迅速診断は、保険適応で検査費用800円と言われると安いように感じるかも知れませんが、風邪症状があってインフルエンザの可能性がある人全てにこの検査を行なったら、全体ではその医療費はもの凄い金額になります。医療費抑制が叫ばれているこの時代に、インフルエンザに限ってだけは必ずしも必要のない検査代や薬代を湯水のごとくに使うのは、問題があると考えます。
確かに日本は「インフルエンザアレルギー」大国(この場合のアレルギーは本来のアレルギーではなく、過敏、の意味です)だと思います。
現在書いているアップ予定の原稿、「妊娠とインフルエンザ」では、ちょっと脱線してそこに触れています。
産婦人科では特に妊娠と関連した質問が多く、既に多くのお問い合わせを頂いておりますので、ブログでお答えする形にまとめています。