ある商品を開発する、市場に流通するものを創り上げる、その素地を準備する、誰も思いつかなかったアイディアを出す、現在の技術を結集してベストなものを創り上げる。
出来たものを批判したり、頭ごなしに決め付けることは、後知恵、誰にでも出来ます。凄いのは、何と言われようと、実現した努力と能力、発想だと思います。
前置きが長くなりましたが、今週は、日本で初めて体温計を発売した、それも大正10年というから驚きです、(株)テルモの企画室、女性体温計の開発チーム、そして研究を担当される研究開発センターの方々にクリニック見学に来ていただき、さらにこの体温計のプレゼンテーションから、開発経緯、新商品への意気込みやテルモ社の次世代医療への取り組みを伺いました。
私のようにクリニックの一医師として日々診療にあたる立場と、新しい商品開発、企画立案をする立場では、「作る」と「使う」の違いがあり、話をしていて大変参考になることが多く、また楽しかったです。
さらに一流の大企業の開発チームですから、最先端技術を伺ったり、いかによりよい商品を開発し、健康福祉に寄与しようかというお考えに大変共感しました。
その中の話の中心であった女性体温計、テルモ社では「婦人」体温計と言わないんだそうです、一人でも多くの方に使って欲しい、体温をつけるわずらわしさから開放されるよう様々な工夫がなされていました。
基礎体温をつけましょう、は、当ブログでも桜井加那子医師から書き込んだことがありますが、生理不順や不正出血があるから付け始めよう、は勿論ですが、順調な今の体温も大変重要です。例えば上に挙げたような症状が出た場合、正常と思っている時期も本当に正常なんだろうか、と参考になります。生理は順調だけど、もしかしたら排卵をしていないのではないだろうか、基礎体温は排卵の有無、排卵後のホルモン状況を見ることができます。
症状が現れたときの体温があると、こういう病態です、と説明がつきやすく診断が早い、治療も早く始めることが出来ます。
我々治療に当たる立場からすると、このメモリー式の体温計に表示されるグラフでは詳細が分かりにくく、診療にいらっしゃるときには3か月分くらい、大変だったら1ヶ月でも表にして持ってきていただけると助かります。
ご自分で表を作るのが大変であれば、こんな便利なサイトもあります。日付と値を入力すれば表を作ってくれますので、プリントアウトすれば簡単ですね。
それでも健康で順調な生活の中で毎朝測って表にするのは大変だと思いますので、こういうメモリー式は役に立ちますね。
メモリー式の体温計にメモリーされたデータをさかのぼって表にするのは、いっぺんには大変でしょうから、データをPCやWeb上に取り込めるようなシステムがあったらいいですね、と話すと既に開発中だそうです。
その他、新しい発想のコンセプト商品とでも言いましょうか、沢山見せて頂き、楽しかったです。
また研究開発センターの方々はテルモという最先端医療を担う技術開発をする社でも、製品を作っていくお仕事ですから、発想から想像、製品化までを実現する部署。相当大変でしょうが、それだけに作っていく喜びはひとしおだと思います。
そのテルモの最先端医療を垣間見ることが出来、また医療現場の医療技術、看護時術の研修センターがあるそうです。このMedical Pranexは是非見てみたい施設。秋に見学に行かせて頂けることになりました。またそこで受けた刺激をブログに、日々の診療に活かせたら、と思います。
(私は、朝、日にちと基礎体温を携帯の発信履歴に毎日入れて、何日か分をグラフにしています!!)
毎日当然のように使っている体温計。開発の方のご努力をかいま見ることができました。
体温を携帯に入力、は愛読者さんの工夫でしょうか。皆さん継続には工夫をされているようですね。
何か面白い提案があったら、是非教えてください。