2007年06月11日

第20回不妊カウンセラー・体外受精コーディネーター養成講座

以前に第19回の養成講座に参加したことを書きましたが、今回は第20回。

参加する度に新しい考えに触れることができ、勉強になります。

その中でも今回特に考えさせられたのが、「ハイエイジの女性が治療をやめる時 ー私がカウンセラーの場合ー」というディスカッション形式の講演でした。
それと「不妊治療とケアを取り巻く倫理的課題」という教育講演。

前者で話題になった、治療をやめるとき、きっかけ。医師から治療を止める頃と勧められたり、自分で納得いくまで治療し、自分で止める時を選択する場合と。そんなとき、カウンセラーはどのようなサポートができるのか、といった内容でした。
実際にいつ止めるのか、何歳で止めるのか、どの治療をしたら止めるのか、と選択肢は様々で、また患者さんの考え、価値観があるため、やはり一概には言えません。私も日常診療で、大変難しい問題である、と思っていました。

倫理面の話題では、やはり代理出産や卵子提供。
献血、輸血は医療行為として市民権を得ている。また骨髄移植や生体肝移植も同様。
同じ臓器の提供や細胞の提供である代理出産、卵子提供がなぜいけないのか、また、ほんとうに門戸を開くべきなのか。

前にも書きましたが、やはり世論の醸成がまだまだだと思います。国民のコンセンサス、と言っても、すぐに話題にされなくなってしまっては、ディスカッションも進みません。
現実に困っている人達を目の前に、色々な立場、考えを議論し尽くさなければならないと思います。


posted by 桜井明弘 at 00:35| Comment(4) | TrackBack(1) | 生殖医療(不妊治療)一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
先生、こんにちは。
何が正解、というのが無いので、治療のやめ時は本当に悩みますよね。また実際に治療をやめてからは、自分はこの先どうしたら良いのか、今まで子どもがいる人生を想定してきた人にとっては、非常に思い悩む課題だと思います。
私の場合は、治療断念後、養子縁組という道を選びました。そして先月、一生子どもを持つことはないと思っていた私の所へ、玉のような可愛い赤ちゃんがやって来てくれました。私達夫婦と、「その子」との間に血縁関係はありません。でも、子の無い夫婦と、育てる親のいない子ども。互いが無いものを求め合い、家族を作り上げていく。そんな「家族のカタチ」があっても良いんじゃないかと思います。
(特別)養子縁組は本来親の無い子どものための法律ですが、不妊治療の、その先の選択肢の一つとして、養子縁組を考えてみても良いのではないかと思います。
Posted by 横浜住民 at 2007年06月11日 10:30
横浜住民さん、こんばんは。
書き込み有り難う御座いました。
「今まで子どもがいる人生を想定してきた人にとっては、非常に思い悩む課題」という言葉、とても深く重く考えさせられます。
妊娠は難しい、とか、治療の断念を勧めること、医師として簡単に口に出すことなどしませんが、今後も、一層慎重に患者さんのお気持ちを汲まなければならない、と教えられました。

横浜住民さんの治療経過については、一緒に診察させて頂いてきたので、尚のことご心境をお察しします。よくぞ決断されましたね。そして、可愛い玉のような赤ちゃんを無事迎えられたこと、我がことのように嬉しく思います。
横浜住民さんの家族のカタチ、私にはとても素敵に見えます。
血縁があっても心が通わない家族にひきかえ、家族の形態、つながりが様々であっても不思議には感じません。

不妊治療、よりも広く、赤ちゃんが欲しいカップルとした場合、選択肢の一つとして、養子縁組はあると思います。カウンセリングの中でも、最近はとても多くディスカッションされています。

是非次回の診察では、お子さんをお連れ下さい。横浜住民さんの幸せな姿を見たいと思います。
Posted by 桜井明弘 at 2007年06月11日 23:38
桜井先生こんにちは。
この問題は、私自身もまさに今直面していることで・・・非常に身につまされます。
でも、いくら自分が不妊で悩んでいても、代理母や卵子提供を受けるという選択だけはしない、ということは決めています。
医療者として、あの採卵の痛み(まだ自分は受けたことないですが、患者さんを見ていると)や、妊娠・出産のリスクを他人任せにしていいのか?という疑問が払拭できないからです。
卵子や代理母を容認する意見の人たちは、本当にそのリスクを理解できているんでしょうか?献血や骨髄移植(これもリスクはあるんですが)とは比べ物にならないリスクだと思うんですけどね・・・。
私の場合は、もうちょっとトライしてみるつもりですが、もし子供に恵まれない場合は、横浜市民さんのような選択ができたら素敵だなあ・・・と考えています。
Posted by aco at 2007年06月13日 12:11
acoさん、書き込み有り難う御座いました。
普段の楽しい会でacoさんと他愛もない話に花を咲かせていますが、acoさんの直面している、と仰るこの問題に、まさにプロフェッショナルからのご意見として伺いました。私も同様のプロフェッショナルとして、この生殖医療の現場におりますが、産婦人科の女医さん達のご意見として、acoさんのご意見は代表的な気がします。
勿論、診療サイドと患者さんのサイドでは、同じものを見ても表と裏の可能性もありますが、こういう考えの方々もいらっしゃる、と言う例だと思います。
どれが正解で、どれが不正解、は絶対にないでしょう。個人の立場、価値観が余りにも異なるからです。

私も根本的には、他者にリスクを負わせる治療の正当性について、まだ最終的な結論を持ち合わせていません。
前にも上にも書きましたが、単純明快に決めることができない、でもこんなにも大切なことを、それぞれの考えをぶつけ合う機会が余りにも少なすぎると思います。もっともっと話し合いを続けなければなりません。
Posted by 桜井明弘 at 2007年06月14日 00:54
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Tracked: 2007-08-18 23:56
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