2014年11月07日

難治性の多嚢胞性卵巣(PCOS)にコエンザイムQ10が有効

多嚢胞性卵巣、略してPCOSは、排卵障害を主体とする病気で、そのため月経不順、無月経、無排卵、不妊症など、様々な女性のトラブルの原因となります。

不妊治療では、いろいろな種類の医薬品が用いられますが、その代表はクロミッド(クロミフェンクエン酸塩)で、これまでPCOS以外の排卵障害を含めた不妊治療に、最も多く服用されている、と言っても過言ではありません。

さて、クロミッドの効果は人それぞれで、効果の低い方から、反対に卵巣を刺激する効果が強すぎる方もあります。どちらも困るのですが、効果の低い場合は、つまり排卵をしないこと。これでは妊娠することが出来ません。

当院では、
・男性ホルモン(テストステロン)が高い場合=アルダクトン
・インスリン抵抗性がみられる場合=メトフォルミンまたはグリスリン
・他に温経湯(うんけいとう)という漢方薬
などを併用する方法で、クロミッドの効果を高めようと工夫していますが、なかなか効果がみられないことがあります。

上記のようにクロミフェンが効かない状態を、「クロミフェン抵抗性」と呼びますが、PCOS患者さんにクロミフェンとコエンザイムQ10を併用効果がエジプトで発表されました。

この併用効果で改善されたのは、
・発育卵胞数の増加(高度生殖医療では有用です)
・子宮内膜が厚くなる(クロミフェンの副作用で内膜が薄くなることがあります)
・排卵率の上昇
・妊娠率の上昇
が報告されました。

また、PCOSでは肥満が合併することがあり、肥満のPCOSの方がクロミフェン抵抗性の強いことが多いですが、この併用法では肥満の有無にかかわらず効果がみられたそうです。

クロミフェン抵抗性の場合、クロミフェンの服用量を増やしますが、増やすと子宮内膜が薄くなってしまう副作用が出ることがあります。
またクロミフェンを増量しても排卵しない場合は、hMGとかFSHといった注射剤の排卵誘発剤が必要になりますが、コストや通院回数も増えてしまいます。
さらにPCOSの問題として、クロミフェンを増量したり注射剤を用いたり、と卵巣刺激を強めて行くと、ある一定の強さから過剰に反応する、卵巣過剰刺激症候群の発症リスクがあります。もちろん、多胎妊娠のリスクもです。

抗酸化作用を持つビタミン様の物質、コエンザイムQ10の併用は、誘発剤効果を高めることが期待でき、つまり弱い刺激でも排卵させることが出来るかも知れません。

当院で扱っているサプリメントでは、コエンザイムQ10は「ARTサポート」に50mg含まれています。またARTサポートには精子の運動能や卵子を良好にするL-カルニチンが400mg、L-カルニチンは脂肪燃焼効果もあるため、肥満の方には一石二鳥かも知れませんね。

ART0222.jpg


posted by 桜井明弘 at 07:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 生殖医療(不妊治療)一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。