一昨年から昨年まで、風疹が大流行し、妊婦さんが感染して、先天性風疹症候群の赤ちゃんが全国で44人も出生しました。
また現在23歳以降の男性は、制度の問題で風疹ワクチンを接種していないことが多く、赤ちゃんを考える世代の男性はまさに風疹への抵抗力が無い、と言えます。
昨年までの風疹の流行も、7割以上が男性の感染で、妊婦さんの感染もほとんどがそのご主人からの感染だったとのことです。
妊娠中に感染すると赤ちゃんが先天性風疹症候群を発症してしまうことから、長く女性のみが風疹ワクチン接種の対象となっていました。
しかし、当院のデータでも、ワクチンの効果は一時的で、年々その抗体価(免疫力)が低下する可能性があります。
つまり、妊娠する女性はワクチンを打ったものの、妊娠を考える現在、既に抗体が低くなってしまっている可能性、そしてそのご主人はワクチンを打っていないので、簡単に風疹に罹ってしまう可能性があります。
ここからタイトルの答えです。
最近奥様がワクチンを打ったとしても、中には免疫が付かない場合もあり、赤ちゃんへの感染を防ぐためには、是非、ご夫婦でワクチン接種を行って下さい。
また、風疹は発疹が消失するまで感染力があり、ご主人も罹ってしまったらお仕事に行けないことになります。
さらには、ワクチン接種はご自身、奥様、産まれてくる赤ちゃんのためだけではなく、社会的な役割もあります。
風疹に限らず、流行性の病気は、そもそも流行らなければ罹る心配が無い。
流行を少しでも軽くするには、一人でも多くの方がワクチンを接種し、罹らない人を増やすことです。
アレルギーや持病など、様々な理由からワクチンを打てない方もあります。
こう言った方たちも流行を防ぐことで守ってあげることが出来るのです。
尚、女性が風疹ワクチンを接種した場合には、2ヶ月間の避妊期間が必要ですが、男性が接種しても避妊期間はありません。
妊娠前に抗体検査とワクチンをお勧めする、4つのウィルス性疾患について、まとめたブログ記事は、こちらをご覧下さい。
(初出:2014年7月7日)
(補筆修正:2015年3月6日)
ラベル:風疹