この記事を読んで、まだ若い患者さんが、「HPVの検査を一緒にして欲しい」と仰ったのを、とても嬉しく思えました。
これまでの子宮頸がん検診は、がんが出来る部分、子宮頸部を綿棒などで擦過し、剥がれ落ちた細胞をプレパラートに塗布、アルコール固定して検査していました。
今年2月より導入した新しい子宮頸がん検診は、子宮頸部をブラシで擦過し、これをアルコールのボトル内に振り落として検査会社に提出します。

メリットは、これまでの検査で5%位に見られた「不適正検体」を著しく減少させることが出来ます。
デメリットは検診時に見られる不正出血がこれまでよりもやや多くなることです。
他にコストがかかることですが、4月より保険適用が認められ、これまでと比べ患者さんの負担は、1回50円多くなります。
また、この検体を利用して、同時にHPV検査(子宮頸がんの原因となる高リスクHPVの有無)を行うことが出来るため、お勧めしています。
オプションとしてHPV検査(高リスク)は、4,000円(税別)の自己負担となります。
これは以下に述べる次の検診までの期間を延長させることが出来るメリットがあります。
またオプションとしてHPV検査を行わなかった場合でも、がん検診の検査結果が「ASC-US(細胞の異型あり)」の場合、後日検査料を別途請求させて頂きます。
子宮頸がん検査はベセスダシステムという方法で結果が出されるようになりました。
従来、肺や子宮などのがん検診(細胞診)では、これまでパパニコロー分類による結果で表示され、Class IからVまでの5段階に分類されていました。
これが子宮頸がん検診ではベセスダ、と言う結果で表され、
・NILM(細胞の異常なし)
・ASC-US(細胞の異型あり)
・ASC-H(より高度の異型あり)
・LSIL(前がん病変、軽度の異形成)
・HSIL(高度の異形成)
・SCC(扁平上皮がん)
のような表記となりました。
そして、
・NILMで高リスクHPVが無い場合、次の子宮頸がん検診は3年後。
・NILMで高リスクHPVがある場合、またはASC-USで高リスクHPVが無い場合は、次の子宮頸がん検診は1年後。
・ASC-USで高リスクHPVがある場合は、精密検査である「コルポ診」が必要。
・ASC-H以上もコルポ診が必要となります。
つまり、HPV検査を行わず、NILMの結果であれば、1年に1回の子宮頸がん検診を行えば良いことになりますし、4,000円のオプションでHPV検査を行い、HPV陰性でNILMであれば、次回は3年後の子宮頸がん検診で良い、となります。
また、自分が発がんの原因であるHPVを持っているかどうか知りたい、とおっしゃる患者さんも、当院では少なくありません。
これに伴い当院で行っている子宮頸がん検診についてまとめました。
詳しくは診察室、スタッフにお気軽にお問い合わせ下さい。


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(2014年2月17日 初出)
(2014年3月1日 補筆修正)
(2014年7月6日 補筆修正)
(2015年2月5日 補筆修正)
(2015年4月4日 補筆修正)