2016年09月12日

麻疹の流行、再び

ニュースでも取り上げられている麻疹(はしか)の感染について情報を更新します。

スクリーンショット 2016-09-06 13.37.36.png

先月幕張メッセで行われていたライブに、麻疹に感染していた19歳の男性が参加していた、とか、関西空港で職員に麻疹の集団感染がみられているとか、今とても話題となっています。

当院にいらっしゃる患者さんからも不安の声が聞かれます。

この麻疹感染の問題点についてまとめると、

・麻疹は感染力がとても強い。
・妊婦さんに感染すると高率に流産、早産、死産を起こす。
・麻疹の十分な抗体を有していない(感染する可能性がある)のは、妊娠を希望する女性の約20%にのぼります(産婦人科クリニックさくらデータ、2013年)

麻疹は風疹と並んで、妊娠中に感染することが懸念されています。
 風疹は妊娠の中期、16週くらいまでに感染すると赤ちゃんに先天性風疹症候群を発症させる可能性がありますが、麻疹は初期は流産、中期以降早産、子宮内胎児死亡(死産)となる可能性が高く、また風疹よりも感染力が強いため、抗体を持たない妊婦さんにとっては、とても怖い感染症とも言えます。

これまで当院では風疹とともに、妊娠を考えている女性に麻疹の抗体価測定、およびワクチン接種をお勧めしてきました

現在日本での麻疹の流行パターンは、ほとんどが東南アジアなどの海外旅行で感染する、と言うものです。
幕張メッセでの男性もバリ島で感染、西の玄関口である関西空港には様々な国際線が乗り入れ、そのうち東南アジアからの入国者も当然いるわけです。

感染力が強い麻疹、抵抗力がない方が2割に達し、この方達が感染し、脳/神経系の合併症を起こすことも心配ですが、抵抗力のない、またはなかなか抵抗力がつかない妊婦さんに感染させてしまうことが心配です。


それでは、私たちはどうしたらいいのでしょうか。

これから妊娠を考えるカップルには、改めて抗体検査を行い、抗体の有無をみる、抗体がない、あるいは低値であったらワクチン接種を行うことをお勧めします。
また抗体は年々低下することが分かっています。「子どもの頃に感染した、ワクチンを接種した」というのはほとんど意味がありません。現在抗体がなければ再感染するからです。
これまで検査した方も、再度チェックして下さい。

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(初出:2014年02月13日)
(更新:2016年09月06日)
(更新:2016年09月12日)


posted by 桜井明弘 at 04:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 産婦人科一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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