甲状腺は喉にある、甲状腺ホルモンを分泌する臓器で、甲状腺ホルモンは簡単に表現すると、ヒトが生きていく、活動していく活力を与えるホルモンです。
甲状腺の疾患は、「若い女性」に多く、これはみなさん、妊娠を考える世代とほとんど同じです。
既に甲状腺疾患を診断され、治療をされている方もあるかと思いますが、この世代の女性であるため、大体妊娠をしても良い、とか、妊娠したら再度診察に来るよう指導されていることが多いです。
しかしながら甲状腺、特に目立った症状がないのに、ホルモン分泌が少なかったり、多すぎたりしている「異常」を起こしている人もいます。
特に甲状腺機能低下症は、「橋本病」によることが多く、
・排卵障害などの卵巣機能不全
・不妊症
・流産を起こしやすい不育症
の原因となり、また
・妊娠中に機能低下が悪化する
そしてお腹の赤ちゃんの発育にも悪影響がある可能性も言われています。
甲状腺機能をはかる検査は主に、
・FT3(甲状腺から分泌されるホルモン)
・FT4(〃)
・TSH(甲状腺を刺激するホルモン)
・抗TPO抗体(甲状腺組織を障害するタンパク)
です(多少項目の組み合わせが異なることもあります)。
FT3、FT4の分泌が低下している場合は、甲状腺ホルモンを服用しなければならないこともあります。
TSHの上昇は潜在的に甲状腺機能が低下していることを示していることも。
また抗TPO抗体は甲状腺機能を障害する可能性があります。
さらにこれらのホルモンが反対にFT3、FT4の上昇、TSHの低下が見られる場合は、バセドウ病などの甲状腺機能亢進を表します。
このように、妊娠する世代の女性に多く見られる甲状腺の疾患、これらは妊娠する前から妊娠、出産後も女性の健康をむしばむ恐れが少なくないのです。
当院では今年、「妊娠前のトータルチェック 〜子宮美人化計画 2013〜」として、これから妊娠を考える皆さまの甲状腺機能もチェックしています。