まず最初は様々な内科疾患の中でも、意外に多い、糖尿病や甲状腺の病気、これらは妊娠の経過にとても影響のある疾患です。
今現在、これらの病気に罹っている、治療している、または罹ったことがある方、妊娠を担当していただいている先生から許可されていますか?
これらの病気が重い状態、不安定な状態では、妊娠が許可されていないこともあります。
あえて先生に妊娠してよいか、お聞きにならないと、指導されていないこともありますので、一度確認してみて下さい。
糖尿病は比較的早期に発見される病気でもあります。
検診やドックなどで、血糖値、または尿糖をみることが少なくないからです。
不妊治療を行っていたり、赤ちゃんを考えている方で、こういった検査をお受けになっていない方は、是非とも一度血液検査をお受け下さい。
現在では検査の前に特に食事の制限はなく、いえむしろ食事を摂っていないときには血糖値は下がっていることが多いもので、逆に普通に食事をした状態で「随時血糖」として検査した方が、糖尿病の発見に役立つそうです。
この検査で血糖値が100を超えていた場合、糖尿病でないか、精密検査が必要です。
精密検査は「ブドウ糖負荷試験(OGTT)」と呼ばれ、空腹時の血糖値と、その後ブドウ糖のサイダーのようなものを飲んだ後の血糖値を測定して診断します。
そのため数回の採血が必要です。
現在当院ではOGTTを行っていないため、かかりつけの内科の先生や、当院から内科の先生をご紹介し、検査を行って頂いております。
特に糖尿病を心配しなければならないのは、
・血縁のご家族に糖尿病の患者さんがいらっしゃる方
・BMIが25を超えている方
・多嚢胞性卵巣(PCO)と診断されている方
・これまで出産した赤ちゃんが、標準体重よりも大きく産まれた方
などです。
糖尿病であったり、妊娠中に糖尿病を発症した場合、インスリンというホルモンの作用で、赤ちゃんが標準体重より大きかったり、心臓の病気を発症することや、産まれた後で低血糖を起こすことがあり、妊娠中の合併症としてはとても重要な病気なのです。
妊娠を考えている方たちには、是非とも一度血糖検査をお受けになるよう、お勧めしています。