今年の子宮美人化計画、第1弾は、「妊娠前のトータルチェック」です。
今不妊治療に取り組んでいる方、これから妊娠を考える方たちに、妊娠前にご自身の身体をチェックする提案です。
主に妊娠してからの合併症を防ぐ目的に、以下の項目をあらかじめチェックしておきましょう。
主に内科的な疾患、精神・神経疾患、そして婦人科疾患に大別されます。
内科的な疾患で、糖尿病や甲状腺の病気は妊娠中に赤ちゃんの異常を引き起こしかねません。
血圧が高いと「妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)」になりやすく、またBMIは適正体重をみるものです。
BMI、って聞いたことがありますか?
ご自分の体重(kg)を身長(m)で2回割り算します。
例えば、体重45kgで身長150cmの方は、
BMI=45kg÷1.50m÷1.50m=20 この方はBMI 20と計算できます。
やせ過ぎていても、体重が多くても妊娠しにくく、BMI 17.5未満のやせすぎの方や、25以上の体重が多い方では妊娠率が低下し、30以上では妊娠中のトラブルが明らかに多くなっています。
体重は女性にとって悩みの種。増やしたい方も、減らしたい方もそう容易ではないことは十分分かりますが、これから赤ちゃんが欲しい、を一つのきっかけに、生活習慣を見直してはいかがでしょうか。
それは食生活や運動習慣はもちろん、仕事の量や内容にまで及ぶかも知れません。
精神疾患では「うつ」や「パニック障害」などでおくすりを服用されている方、今は服用はしていないけど、と言う方も、是非主治医の先生に妊娠したいことを伝え、現在の精神状態で妊娠をしてよいか、許可を頂いて下さい。
小さな頃から「てんかん」の診断をされている方もあります。服用しているくすりの種類によっては赤ちゃんに異常が出ることもあります。同じように妊娠したいことを伝えて下さい。
婦人科疾患は、まず子宮頸がん検査を必ず行いましょう。
卵巣のう腫や子宮内膜症、子宮筋腫、あるいは子宮腺筋症がないかもチェックします。
これらの疾患がある場合、妊娠を考えて良いか、手術も含めた治療が必要となることもありますので、相談が必要です。このブログでも改めて執筆していきたいと思います。
年齢の因子もとても重要です。年齢とともに妊娠率が低下してしまうことはようやく周知されてきましたが、妊娠率の低下とともに流産率の上昇もみられます。
41歳以上で妊娠を考える方たちには、別途お知らせしていきます。
また妊娠を考え始めたら、基礎体温をはかりましょう。自然に妊娠できたらいいと思われるかも知れませんが、妊娠しにくくないか、また妊娠した日がいつなのか、とても沢山の情報が得られます。
風疹、麻疹の抗体検査、またはワクチン、成人してからの有無もチェックしましょう。
ともに妊娠してからの感染は、赤ちゃんの異常を起こしたり、流早産の原因になるため、妊娠前に抵抗力を付けることが必要です。
成人してからの感染やワクチンは感染する心配はないと思いますが、子供の頃の感染、ワクチンによる抗体(抵抗力)は、すでにもうないことも少なくありません。
すぐにお子さんを希望しているわけではない、少し経ってから欲しい、場合は、風疹、麻疹がともに感染予防できるMRワクチンの接種をお勧めします。
詳しくは診察室でも説明していきますし、遠慮なくご質問下さい。
これらを総チェックするための新しい問診票を現在早急に作成し直しています。完成後は改めてお伝えします。
妊娠前のトータルチェックの項目が結構多い事にびっくりしました。
妊娠を急ぎたいので出来る検査は早めに受けていこうと思います。
原因不明不妊も多いと聞きますが、全体の何パーセントくらいが該当するのでしょうか。気になります。