平成、の由来は平成の年号に医学部を卒業した医師が集まっている、と言う意味が込められています。
今はもう18年ですから、一番経験年数が長い先生ももう18年目に入っている、と言うことになりますが、一般的な医師の経験年数で分けると前3半期に当たるでしょうか。
日本における不妊診療に携わった先生方、草創期の先生方は、産婦人科では既にどの方も大御所的な存在。第2世代は国内の名だたる名門クリニックの院長先生方、第3世代はこれから各大学の教授クラスに就任される学会などで重鎮となられている先生方。平成卒業の医師は、いわば第4世代に所属するのではないか、と、この会を取り仕切られる国立成育医療センター・周産期診療部不妊診療科の中川浩次先生の言。
先月末に第10回の研究会が六本木ヒルズで行われ、各施設の排卵誘発(卵巣刺激)法を検討するテーマでした。
各施設毎に先生方の経験や理念、そして新しい知見が盛り込まれた、大変有意義な会となりました。
新しいところでは、これまで尿由来であった卵胞刺激剤のFSHが、リコンビナントの製剤に切り替わりつつあり、これを用いた方法。
http://allabout.co.jp/children/sterility/closeup/CU20040530A/
また、体外受精における採卵時に排卵後であった、というのは、そもそも卵細胞が採取されませんので、高度生殖医療における大きな問題点でしたが、これを防ぐGnRHアンタゴニストを併用する刺激法が各施設で行われています。
このように、常に新しい話題や、興味あるテーマを取り上げながら、各施設の交流を図り、最終的には不妊に悩む患者さん達への還元が計れることを目指しています。
私も第8回で、シンポジウムで発表した内容を、この会で発表させて頂きました。
http://cl-sacra.seesaa.net/article/27774912.html
そのご縁で、その回から毎回参加させて頂き、いつも新しい刺激に満ち、楽しい研究会を満喫しています。
これからも、もっともっとこの会に参加される医師、コメディカルが増え、お互いの良い刺激となることを願って止みません。
また、私自身の診療においても、よりよい診療を確立すべく、良いものをどんどん吸収し、やがては、患者さんと研究会の皆さんにお返ししていきたいと思います。
リコンビナントFSHが、早く保険適用されることを願っています。
効用についても、個人差があるとは思いますが、今まで日研やヒュメゴンではあまり良い結果が出なかった方でも、フォリスチムを試してみたら、卵が沢山採れた、という話をちらほら聞きます。
素人としては、「遺伝子組み換え製剤」という所がちょっと引っ掛かりますが(とは言え、今までは閉経後の女性の尿でしたからね)、治療の選択肢が増えたという事は、大変嬉しく思います。
先生のブログは、医学的な事を、素人向けにとても分かりやすく書かれているので、いつも楽しみに拝見させて頂いております。
数年経つと、自然淘汰が起こり、良い薬のみが継続して使われます。
リコンビナントFSHについても、悪い話は聞きませんし、きっと残る良い薬だと思いますが、そこでは費用対効果があるでしょう。
何より、今は患者さんの負担を少しでも軽減できるよう、保険適応を願ってやみません。