2014年11月16日

植物性エストロゲンの摂取は妊娠に有効?? 〜大豆製品、などの過剰摂取〜 2014年6月25日補筆修正

不妊治療をお受けになっている患者さんからも、時折聞かれるご質問です。

妊娠のためにエストロゲン作用のある食品やサプリメントで、妊娠に良い、とされているものです。

大豆イソフラボン.jpg

・マカ
・イソフラボン
・ザクロ
などです。

イソフラボンは、例えば、納豆、豆乳、きな粉などの大豆製品にも多く含まれています。

マカはサプリメントなどの食品として、ザクロも最近では様々な商品が販売されていますね。

これらは植物性エストロゲンと、まとめられており、卵巣や脂肪組織から分泌するエストロゲンとは異なるものの、エストロゲン作用を持っています。

それらのエストロゲン効果が上手く作用することもあるのかも知れませんが、外来でよく遭遇するが

・不正出血(時に排卵障害に起因します)
・無排卵、あるいは排卵が遅れる
また、閉経後なのに乳房が張る、などで、特に不妊治療患者さんでも排卵が遅れることがよく見られます。

諸検査を行っても、特に子宮に器質的な異常(子宮筋腫や子宮内膜の病気)もないのに、時に貧血を来すほどの過多月経、また、閉経後でも不正出血がたびたび見られることがあります。


2006年の2月に食品安全委員会から、ちょっと異例と感じられる発表があり、新聞などでも報道されました。
簡単に言うと食品に含まれる大豆製品の過剰摂取により、大豆イソフラボンがエストロゲンという女性ホルモン作用を持っているため、閉経前後の女性にとって、また妊婦さんや乳幼児にとって悪影響がある可能性があるそうです。


エストロゲンの作用は、主に子宮内膜や乳腺を標的とします。
不正性器出血や過多月経、乳房の緊満が現れたり、少し大袈裟に言えば、視床下部ー下垂体ー卵巣の月経調整システムに異常を来す、つまり生理不順、更には子宮体癌、乳癌の発生、または促進。

詳しくは
http://www.fsc.go.jp/iken-bosyu/pc_isoflavone180309_4.pdf
↑ちょっと専門的かも知れません。

分かりやすいのは
http://www.nikkeibp.co.jp/archives/421/421862.html

10年ほど前によく外来で遭遇したのが、ザクロ。ジュースなどでブームになりましたね。
当時不正出血のある女性、特に閉経後の方が多かった記憶がありますが、ザクロにも植物性エストロゲンが含まれており、やはり過剰摂取で、エストロゲン作用が起こります。

女性ホルモンは適度であればお肌に良く、閉経後の骨粗鬆症、高脂血症に役立つかも知れません、そこが大豆イソフラボンなど植物エストロゲンを勧める健康食品推進の味噌(かけことば?)になっているようです。

私は大豆摂取反対ではありません、納豆、味噌汁、大好きですし、お餅にきな粉がなかったら寂しいです。

健康志向は凄く大切なことです、が、いきすぎると思わぬ弊害が生じます。殊に大豆など日本古来の伝統的な食品でも、このようなことが起こるんですね。何事も適度、が最も良いように思われます。

(2013年11月13日補筆修正)
(2014年6月25日補筆修正)


posted by 桜井明弘 at 01:00| Comment(12) | TrackBack(0) | 産婦人科医の医療日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
大豆イソフラボン思わぬ落とし穴ですね。

最近、話題になっていて、健康に良いものと思っていたら、逆に悪いものにもなり得るのですね!  幸い取りすぎるほど大豆は食べませんが、(納豆は好きだけど、味噌汁は手抜きで時々旦那に寂しがられます。)なので大丈夫だと思いますが、ダイエットしなきゃなんて普段から思ってるから、サプリメントに手を出さなくて良かったー なんて・・・

過去に、まだ二十代後半の頃、子宮内膜増殖症の疑いがあり、ちょっと怖い思いをしました。 当時、大豆イソフラボンは流行っていませんでしたが、食事の欧米化が進んできて、油物や肉類の取りすぎに気をつけるようにと指摘を受けました。   

最近では若い人でも子宮体がんになる人が増えてきてるようで、食生活にも気をつけなければなりませんね。  

この話を早めに知る事ができて良かったです。 妊婦や子供にも、過剰摂取は良くないのですね。 気をつけます。   ちなみにざくろジュースもブームの頃、女性には良いんだよ〜 なんて言われて、ざくろハイなんぞ飲んでたような?

それにしても、先生の納豆大好き! と言うのがイメージとちょっと違うなーと・・・   男の人はあまり納豆好まない人多いと思っていたので、ちょっと親近感わきました。   
Posted by Futabin at 2006年10月29日 01:31
そう言えば。大豆イソフラボン話題になりましたね。すっかり忘れてました。私納豆好きで、食べていますが、過剰摂取ではないと思いますが。食品って、良いと言われたり、NGだったりと、難しいですね。
Posted by ふーちゃん at 2006年10月29日 15:29
大豆イソフラボンは、不妊患者の間でもよく話題に上ります。

先生もご存知だとは思いますが、不妊関係の掲示板で良く話題になるのが、排卵や、高温期を維持するのに良い(?)食べ物などです。

具体的には、大豆イソフラボンをはじめとして、コエンザイム、ザクロエキス、黒ゴマきなこ、バナナ(夜食べると良いらしい?)、グレープフルーツジュース、ルイボスティ、たらのき茶、マカ・・・などなどです。

ところで少し本題とは逸れるかも知れませんが、最近気になるのが、不妊の方をターゲットにした、健康食品やサプリメントを扱うお店(含ネットショップ)の乱立ぶりです。

私は賛育会の他に、加藤レディスクリニック(KLC)にも通っているのですが、自宅(横浜)近くで有名なその手のお店に、藁をも掴む思いで訪れた事があります。

すると驚いたことに、多くのお店では、「KLCバージョン」と称した、サプリ等のセットが売られていたのです。なかなかの商売上手ぶりに感心してしまいました。

具体的には、採卵周期、移植周期、ちょっとお休み周期と分かれていて、その中で更に「生理期」「卵胞期」「排卵期」「高温期」によって、飲むサプリも変わってくるという仕組みです。

何軒か行ってみたのですが、どこも先生(?)の説明にも納得することが出来なかったので、私は購入しませんでしたが、こういったものを飲んでいらっしゃる方は多いそうです。
実際に続々とお客(患者)さんがいらしていたし、掲示板でもよく話題に上ります。

私も健康食品については否定はしませんが、やはり何事も適度、が最良のようですね。
Posted by 横浜住民 at 2006年10月29日 17:30
大豆イソフラボンですか。
女性は身体にいいと聞くとそればかり取ってしまいがちな傾向がありますよね。
そこにある落とし穴を知らずに・・・

今回のこともそういう感じなんでしょうね。
私も納豆好きですし、夕飯の時にお味噌汁がないとさびしいですけど、
私なんか余計に取り過ぎちゃいけないんですよね!?
やはり何事も程ほどが一番なんですね。

それにしても先生のお餅にきな粉が無いとというのは、またまたいつもとは違った一面が見えたという感じです。

それと先生!ここのブログを私のブログからリンクしてもいいですか?
私のブログはこことは全く関係ないようなことばかりなのでお教えできないのですが、
私のところは結構女性が見ることが多いので、
先生のブログは色々と参考になると思うので・・・
(ダメならダメで遠慮なしに断ってくださいね)
Posted by furukawa at 2006年11月01日 22:35
取り急ぎ、furukawaさん、リンク大歓迎です。私としても、多くの方に見て頂き、沢山のご意見を頂いて、よりよいクリニック作り、より良いブログが出来たらいいな、と思っておりますので。
Posted by 桜井明弘 at 2006年11月02日 02:25
ありがとうございます。
早速、リンクさせて頂きます。

先生、あんまり夜遅くまで無理しないでくださいね。
Posted by furukawa at 2006年11月02日 22:17
皆さん、コメントお寄せ頂き、有り難う御座います。
改めて、女性の健康意識の高さに驚いています。

大豆を作ってらっしゃったり、大豆加工製品に携わってらっしゃる方からは、怒られそうですが、通常のエストロゲンとは異なる、と言う意見もあるようです。

繰り返しますが、根っから反対しているのではなく、昨今の健康ブームをみると、やはり影響力って大きいな、と思います。ネットで流されていたり、活字になったり(新聞でさえ)、TVで見かけると信憑性が高く思いますが、専門家からすると首をかしげるものも多々見受けます。
とはいえ、健康志向はいいことだとは思っています。

furukawaさん、リンク有り難う御座います。
差し支えなければ、リンク先を教えて下さいますか。
反対にこちらからfurukawaさんのブログに訪れる方もあると思います。コメントを頂く時に、「ホームページアドレス」欄にご自分のブログのアドレスを入れて頂けたら、それだけでリンクになりますし。
Posted by 桜井明弘 at 2006年11月03日 01:10
こんにちわ!
mixiで先生のコメントを見て以来、ブログを見に来ています。
姉が鷺沼におりますのでたまプラと聞いて反応しています(^^)

さて、mixi内の[PMS・月経前緊張症]というコミュに『イソフラボンについて』というトピがありましたのでこちらのページを紹介しておきました。

mixiで先生にメッセージを送ろうと思ったのですが・・・・ スミマセン。お名前がわからなくなってしまって・・・(ーー;)
たしか低用量ピル推進委員会でお見かけしたと思うのですが。。。
Posted by 竹蹴る黒猫 at 2006年11月29日 03:47
マカのエストロゲン作用の話ですが、先生にご指摘頂くまで、少しでも妊娠につながればと真面目に飲み続けていました。。商品の広告は当たり前ながら負の情報は出さないものですね。
サプリメントとはいえそれだけ身体に効いていたとするならば、今回摂取をやめたことで、良い方向に転じられれば良いと願っています。
Posted by Yoga at 2014年06月28日 18:26
Yogaさん、コメントありがとうございます。

ところで、Yogaさんはマカを飲み続けて、何か良い作用を実感されましたか?
Posted by 桜井明弘 at 2014年06月29日 09:23
「体に良いものだ」と効果が必ず訪れる(訪れて欲しい)、と願いながら摂取していたため、あくまでも感覚的なものですが、マカのみを摂取中は肌がきれいになった、疲れにくくなったことでしょうか。。
摂取をやめて、急激に疲れを感じやすくなったということもありませんが…。
Posted by Yoga at 2014年06月29日 20:43
Yogaさん、ありがとうございます。
年齢など、ご自身のエストロゲンの分泌量にもよりますが、例えば閉経後であればエストロゲン分泌がない状態なので、やはりお肌の効果も実感されると思います。疲れについても同様かも知れません。

月経がある年代の方で、月経不順になってしまうようであれば、止めた方がよいと思います。

なかなか医学的に効果を実証するのも難しいんですけどね。
Posted by 桜井明弘 at 2014年06月30日 10:07
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