どうして産婦人科医に? は機会を別にして、今日は産婦人科医として一番の喜びを書きたいと思います。
誰でも自分の技術や能力を正当に評価されることは嬉しいことです。これまで培ってきた努力が実ったと実感出来ます。
産婦人科医は、分娩に立ち会う、喜びの瞬間を分かち合うことが出来ます、これは他の科の医師では決して経験出来ない素晴らしい体験です。勿論、昨今の産科医療、分娩時のトラブルなど、予期し得ないことが瞬時に訪れるため、喜びばかりか緊張の連続でもあります。
不妊治療を行っていて、やはり患者さんが「妊娠反応が陽性でした」「基礎体温が高いままです」と妊娠していらっしゃる、これもその患者さんの長い間の願いですから、これまでの治療の甲斐があった、ご苦労があったなあ、と喜びを素直に出してしまいます。
中でも私が一番嬉しいのは、手術を行った患者さんが、妊娠され、どんどん赤ちゃんが大きくなり、やがて出産される、この過程を共有出来ることです。
現在の勤務では、婦人科治療だけでなく、産科診療も行っているため、また分娩に立ち会うこともあり、こういう患者さんの出産は、長いお付き合いもあり、感動も大きく、医師としてのやりがいを感じます。
勿論自分ではない医師が手術しても結果は同じであったかも知れませんが、その時自分が治療に当たらなかったら、この患者さんのこのときはなかったかも知れない、と一人考えるのです。
何だかいつもとかく暗い話題になりがちなブログなので、以前に頂いたコメントを読み返しながら、こんな日記を綴ってみました。
http://cl-sacra.seesaa.net/article/21797758.html#comment
おめでとうございます。
他の科のお医者さんでも、患者さんが長い治療の末に元気になられたときや手術が成功したときなど、特に喜びを感じられるのかなと思います。
でも産婦人科が他の科と違うのは、先生方の努力の成果が、一つの命としてこの世の中に生まれてくることですね。患者さんとともに歩んできた結果が、形あるもの、命あるものとして目の前に存在することのすばらしさは、産婦人科に携わる方にのみ与えられた大きな喜びだろうと思います。
そして一緒に喜んでくださる先生がいらっしゃるからこそ、患者は希望を持って治療やお産に臨めるのだと思います。
クリニック開業で、ますますお忙しいことと思います。先生を必要としている患者さんたちのために、お体にはくれぐれもお気をつけください。
出産の時もなかなか産まれなくて、入院中不安な毎日を過ごしていたんですが、色々相談に乗ってもらって、心強かったです。 残念ながら、いざ出産という時は立ち会ってもらえなかったけれども、外来を終えてすぐに駆けつけてくれて、握手をしてくれたことがとっても嬉しかったです。
他の先生が手術したとしても結果は同じだったかも? とは私は思いません。 技術的にも一人一人みんな違うと思うし、気持的にも、より丁寧にやってあげたいとか、より完治してもらいたいとか思ってやってくれた結果が良い方向に行くのではないかと思うのです。 うまく言えませんが、桜井先生に手術してもらったおかげで、私の内膜症ももう四年もおとなしくしてます。 本当に感謝してます。ありがとうございました♪
ちえさんの幸せそうな様子は涙が出るほど羨ましく、昨日初めてグニュっと「ちえこ」が動くのが分かった時は何て表現したらいいのか分からない感情が湧き、泣きそうになってしまいました。「足」だったそうです。これが自分のお腹で動いたらどれだけ愛しく感じるのでしょうか。
でも海外駐在をしたりずっと仕事に燃えてたちえさんは、これからマタニティブルーになったりするのを心配しています。「会社を休んですぐ助けに行くからね!」などと言っていますが、実際そんな時、何をしてあげられるのか、、初めての出産でどれだけ不安な事か。年上なのに、何のアドバイスも出来ないのが歯痒くて恥ずかしいです。少しでも彼女の役に立てたらと思うのですが、ただ「無事、可愛い女の子が産まれますように!」と祈るばかり。昨日の最終日も、頑張れ頑張れとお腹を撫でまわしてきました。かなり情け無いですね。。
先生ならこんな風に幸せや不安を共有するだけではなくて、助けることができる。勿論その大変さは言うまでもありませんが、やっぱり産婦人科医は私の憧れ。妊婦さんと同じくらい羨ましいです。
A.O.さんは、ご自分で何も出来ない、と書いてらっしゃいますが、A.O.さんのような方が近くに、職場にいらっしゃるだけで、その妊婦さんはどんなに心強いことか、きっと感謝していますよ。
我々の職場でもそうですが、妊婦さんの存在って、職場では難しいことが色々ありますね。
100%喜びとして受け入れてあげられなくてはならないし、そういう職場作り、社会作りをしたいものです。
同時に不妊治療を受けている方にも同じように理解を求めたいです。仕事を持ち続けながら治療を受けたり、なかなか周囲に治療を受けていることを話しにくいですが、特別な治療、という目で見るべきではないと思います。