http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/surrogate_birth/
皆さんはどのように感じましたか?
ここからは、22日付で追記する内容です。
物事の善し悪し、ことに倫理観、価値観が絡んだ場合、容易に善悪を判断出来ないし、それを法律で制御することは困難です。
ただ、現実問題として、現に困っている患者さんがいます。
法として整備出来ない原因に議員の関心不足が残念ながらあるそうです。
果たして関心不足は議員だけでしょうか? 多くの国民に共通して言えるのではないでしょうか。
当事者が悩んだり、傷ついたりしているだけでは、この国は変わりません、多くの部外者も巻き込んだ論争がないと、法の整備、価値観の変遷が期待出来ないのです。
不妊治療とその倫理問題は、とかくタブー視されがちで、議論に挙がりにくいのは確かでしょう。しかし私はタブー視せず、多くの人々が積極的に議論すべきであると思います。
もし自分たちであったら、自分の子供がそうであったら、そう思えば、人ごとではありません。
私もこのブログを使って、少しずつ啓蒙が出来たら、と思います。
ラベル:代理出産
向井さんの件も大変な心労の中、よく戦っていると感心します。子宮を摘出した人に対して、「あなたが産んだ子供ではないので受理できません。」などという理由は余りにも惨いです。法律があるとはいえ、聞いた時は可哀想で泣きたくなりました。少子化問題に取り組む社会の流れに逆行しているばかりか、あらゆる方法で自らそれに取り組む人達の道を阻む間違った結論だと思いました。最高裁の結果がどうであれ、この件は向井さんの勝ち。戸籍がどうであろうと、あの夫婦の子供に間違いはないのだし、実の子供が欲しいという願いを叶えたのだから。
今回の長野県の例により政府が見直しを含め再検討、となった動きは当然の流れと思います。別に論議を呼んでいる子供のドナー問題などと比べると数段トラブルが少ないと思うのですが、、甘い考えでしょうか。
代理出産を選んでまで子供を持とうとする夫婦は貴重な存在でもあり、実現したのであればそのような環境に恵まれた幸運な人達ですね。私だったら・・・。他人の為となると、とてもその勇気はありませんが、肉親や親しい友人の為だったらできるような気がします。
一部、誤解を生じかねない、とコメントの削除を希望されたので、そのようにさせて頂きましたが、個人的にはそう言う優しい考え方があるんだ、と気付かされたのでそのままにしておきたかったです。
寧ろ、私が診療の際に発した言葉が、傷つけてしまったのではないか、と心配しています。
沢山の考え方、意見があります。ご紹介下さったインタビューに答えた赤ちゃんを抱いた女性、その人の意見にも共感する人もいるでしょうね。
倫理観、価値観が異なり、対立した意見もあるでしょう。どちらが正しく、どちらが間違っている、と言った「解答」は生み出せないかも知れません。それでも我々は議論を続け、何らかの解決策を見出さなければなりません。
今の日本は、不妊患者に対しての理解があまりにも無さ過ぎると感じています。
治療に保険が適用されない事をはじめとして、代理出産、卵子提供も国内では行えません。着床前診断も、基本的には不可ですよね。
私は数回のIVFの末、一度妊娠→7週で流産→ソウハ
という経験をしましたが、それも着床前診断を行っていたとしたら、ソウハなんて経験はしなくても済んだかもしれないと思う事があります。
結局は、「結婚すれば子供が出来て当たり前」という考えの方がまだまだ多く、何の問題もなく子供を授かった人には、不妊の人の気持ちは分からないのだと思います。
根津医師のような、患者への思いやりと、パイオニア精神を持った医者が今後も現れてくれることを心から望んでいます。