2012年01月07日

「体外受精培養液に高濃度化学物質 胎児への影響が懸念」の報道と当院の培養液について

体外受精培養液に高濃度化学物質 胎児への影響が懸念

昨年末に上記の様なニュースが流れたのをご存知ですか?

厚生労働省研究班の調査で、化学物質「フタル酸エステル類」が体外受精培養液に高濃度に含まれていると記事にありました。

驚かれた方も多かったのではないでしょうか?

その後の続報が待たれますが、産婦人科クリニック さくらでは、現在高度生殖医療で使用している培養液の製造メーカーに早速問い合わせをしました。

それらの回答をまとめると、、

今回検出された化学物質は医療用血液製剤由来であり、かなり低濃度(ppbレベル、10億分の1)なのですぐに胎児に影響を及ぼすレベルではないとのことで、現在一般に用いられている点滴製剤などよりも、ずっと低レベルだそうです。

なお、厚生労働省から、各メーカーへの指示などは出ていないそうです。


この報告は、すでに昨年4月頃にあったようですが、なぜ今さら?

一つには、今週末、京都で行われる日本臨床エンブリオロジスト学会で、研究結果の発表もあるようですが、その内容がメディアに伝えられたのかもしれません。

メディアではどの分野の情報も同じですが、誇大して報じられる傾向が強いです。

とは言え、当院では、医療安全を求めるスタンスから、これからも最新の情報を取り入れつつ、より安全な体外受精培養液を選んでいきたいと思います。

ご質問がありましたら診察時に遠慮なくお聞き下さい。


この記事は、当院の培養士と調査、執筆いたしました。

posted by 桜井明弘 at 00:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 高度生殖医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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