4ヶ月のお嬢さんを先天性風疹症候群で亡くされた女性のコメントも紹介されています。
グラフは2008年からの各月の横浜市内で報告された風疹患者さんの人数、流行のピークの時のグラフです。
当時院長もTV朝日のスーパーJチャンネルのインタビューにお答えしまし、報道されました。
妊婦さんが妊娠16週までに風疹に罹ると、赤ちゃんに先天性風疹症候群が発症してしまう恐れがあることが知られています。
先天性風疹症候群は、生まれつきの聴覚障害や視力障害(先天性白内障)、心疾患などにより、複数の臓器に及ぶ病気や障がいがみられますが、上記の報道によると、肝臓や脳の障害を持つ場合もあるとのことです。
風疹、子どもの頃に罹った、あるいはワクチンを打ったから大丈夫、と思っていませんか?
産婦人科クリニックさくらで調査した結果、
妊娠をこれから考えている、または妊娠初期に検査をお受けになった昭和43年から平成元年生まれの女性、415名の方たちの風疹抗体価は、抗体があっても感染する可能性がある16倍以下、で実に22%の方、5人に1人以上が風疹に罹る可能性がありました。
残念ながら抗体は年齢を重ねるごとに低下し、中には子供の頃に感染したり、せっかく予防接種を受けたのに抗体がなくなっている方もあります。実際に当院でも上のお子さんを妊娠した時には抗体があったのに、次のお子さんを希望されている現在、既に感染してしまうレベルまで低下していた方もいらっしゃいました。
この調査結果は日本生殖医学会でも発表しました。
一方、男性は子どもの頃にワクチン接種をされていないため、ほとんどの方が抗体を持っていません。
これだけの感染の可能性がある女性がいて、当時の流行形式は30、40代の男性が罹患し、妊婦さんの感染のパターンは、ご主人からの感染がほとんどでした。
これはこれからも再度大流行が起こる可能性が現在もあると言うことになります。
現在も当院は風疹だけでなく麻疹(はしか)、ムンプス(おたふく)、水痘(水ぼうそう)の抗体検査、必要に応じたワクチン接種を推奨しています。
横浜市の風疹助成も継続しています。
では、妊娠を考えている女性や妊娠初期の女性の周りのご主人達はどのように行動したらいいのでしょうか。
こちらの記事を是非ともお読み下さい。
当院では、
・奥様が妊娠中で16週未満の場合の男性と同居されているお子様、ご両親には風疹ワクチンを推奨します。
・不妊治療中、または今後妊娠を希望されている方には風疹などの抗体を測定の上、抗体価が低値である場合ワクチン接種をするか、最初からワクチンの接種をお勧めします。
・ただし、ワクチン接種後は、2ヶ月の避妊期間が必要です。
・また妊娠中の女性はワクチンは接種出来ません。
ワクチン接種したら2ヶ月避妊しなければならない、と言う点に抵抗のある方も少なくありません。
同じ様に避妊をしなければならないムンプスワクチンを接種し、2ヶ月後に無事に妊娠された方の言葉を紹介した記事もあります。
また現在風疹が注目されていますが、麻疹(はしか)もワクチン接種を行われていない世代があり、また風疹と同様に抗体がなくなっている方もいらっしゃいます。
妊娠中に麻疹に感染した場合、流産や早産、死産率がとても高くなります。
風疹の抗体検査を行う場合、併せて麻疹抗体の測定もお勧めします。
ここまで風疹について紹介しましたが、現在助成を受けられる風疹と麻疹の混合ワクチン、MRワクチンは生産量が減少し、入荷にこれまでより時間がかかっていますので、ワクチン接種には予約して頂いたほうが確実です。
クリニックの受付、または電話で予約して下さい。
(初出:2013年3月15日)
(補筆修正:2016年6月28日)
(補筆修正:2017年2月3日)
教えていただければ幸いです。
抗体検査は随時行えます。またワクチンの在庫は確保していますが、予約していただいた方が確実です。
是非ご一報下さい。
現在通院させていただいている者です。
ここにコメントすることが正しいのかわかりませんが、
感謝の思いをお伝えしたく書きました!
私たち夫婦が横浜市に引っ越してきて、1年4ヶ月になります。それまで、宮城県に暮らしておりました。あの3月には主人の夢だった職業に転職が決まり、さぁこれからだ!と、わくわくしていた矢先の震災でした。
勤めるはずの場所とは連絡が取れなくなり、路頭に迷っていた主人を救ってくれたのが横浜市でした。
4月から急きょ横浜で働けることになり、安心したのも束の間、3月11日に震災、4月1日から主人の新しい職業と初めての土地…。私はすぐに気持ちを切り替えられるはずがありませんでした。
私が生まれた石巻市の壊滅的な津波被害、全壊した祖母宅を目の前にした時のこと、連絡のつかない親族を探しに、震えながら主人と共に石巻へ行ったこと、石巻日赤病院で見た光景、今でも忘れません。
そんな状況の中、両親や祖母、親族を置いて、新しい土地でがんばろうとは到底思えませんでした。
でも、何度も何度もいろいろなことを考え、あの震災で命が助かったこと、仕事があることに感謝し、横浜にくる決意しました。横浜へ来てからは主人も私も仕事に没頭するしかありませんでした。結婚してからずっとずっと、子どもがほしいと願ってきましたがこの1年だけは、新しい命と向き合う勇気がありませんでした。結婚後、2回の流産を経験したことも勇気が出ない原因のひとつだったと思います。
ただ、職業柄私も主人も毎日子どもと関わっているので少しずつ子どもたちから勇気と希望を与えられ、私たちの子どもに会いたい、素直にそう思えるようになりました。しかしここからが問題でした。順調に生理のこない体、流産の心配や痛さを思い出す恐怖…。病院探し、先生探しから始めなくてはなりませんでした。右も左もわからない土地、親族も友人もいない場所、頼りになるのはネットの口コミくらいでした。病院の理念、先生の考え方、数えきれないほど探し、なめるように読み、たどりついた先がクリニックさくらでした。
恐る恐る通ってみると(笑)
明るいスタッフさん、看護師さん、そして先生方。
不安は一気に吹き飛びました。先生のお人柄やオープンな診療、話を聞いてくださる姿勢、説明のわかりやすさ、本当に安心しております。先日初めて主人も先生や看護師さんにお会いし、すぐに安心したようです。
いつも本当にありがとうございます。診療中はなかなかお伝えできませんが、心から感謝しています。
我が子を抱ける日はまだ先かもしれませんが、頑張っていける気がしています!
最近は通院が楽しみのひとつになり、すっかり前向きな気持ちです。故郷の復興と新しい命の誕生を信じてやっていこうと思っています。今後ともよろしくお願いいたします。
コメント欄にこのような長文、大変失礼いたしました。
確かにここに書いて頂くコメントではないのですが(微笑)、このような有り難いコメントを頂く欄もないので、このまま載せて頂きます。
身に余る嬉しいお言葉、我々医師一同、またスタッフ一同真摯に受け止め、明日からの診療、再度気持ちを引き締めてまいりたいと思います。
治療では辛いこと、悲しいこともあると思います。そんな時にもより添える医療を提供したいと思っています。
何でもご相談下さいね。
これからも宜しくお願いします。
風疹に罹っている疑いがある場合、保険適応となりますが、罹ったことがあるか? は予防医学の観点から自費検査となります。
本文中にありませんが、当院では
・風疹抗体 3,000円
・麻疹抗体 3,600円
・風疹、麻疹抗体セット 4,000円
です。検査が医者さんのご協力により、セットでは価格を抑えることがで来たので、せっかくであればセット検査をお勧めしています。
いつも有益な情報、ありがとうございます。
うちのクリニックのブログからもリンクさせていただきました。
今後ともよろしくお願いします。
妊娠中の風疹や麻疹罹患の怖さを、我々産婦人科医が一人でも多くの方に知ってもらうべく、啓蒙していかなければなりませんね。
これからもお互い頑張りましょう。
麻疹、風疹の抗体が共にないようなので夫婦でワクチンを受けに受診しようと思います。
ご夫婦で抗体検査はお受けになったのですね?
赤ちゃんに影響があるのは妊娠中のお母さんの感染です。
ですので、赤ちゃんのことだけを考えれば、奥様のワクチン接種だけでも構わないのですが、ご主人も感染は避けたいですよね、是非ご夫婦でお受け下さい。
現在ワクチンは原則予約をして頂いております。詳しくは本文中に書きました。
また妊婦さんが感染する経路として、やはりご主人からの感染が主なようです。是非妊娠を考えている方のご主人にもワクチン接種をお願いしたいと思います。
皆さんのお力が必要です。
是非拡散、情報伝達にご協力をお願いしたいと思います。