よく診ているはずの妊婦さんのお腹なのに、造作で同じようなものを作ろうとすると、意外と難しく、百戦錬磨の美術スタッフも苦労していました。
撮影所に初めて訪れた私は、助監督の廣田さんをはじめとして、美術スタッフの方々からの質問や準備に要する物品、診察室のセットを打ち合わせ、その合間に妊婦さん役の桐谷美玲さんのお腹をチェックしました。
実感したのは、妊婦さんのお腹はその妊婦さんのならではの大きさで、体型の異なる役者さんが装着するととても違和感があります。桐谷さんはとてもスマートなので、やせてらっしゃる役者さんの場合は、お腹の横の部分を削って造らなければならない、など、気づかされたことも多かったです。
スタッフの方にクリニックまで迎えに来ていただき、撮影所の守衛さんの門をくぐるのは、なんとも言えず気持ちのいいものでした。
まだこの頃は撮影開始前で、私の打ち合わせが終わると、「翌日の診療に差し支えるといけませんから」、と気を遣っていただき、23時ころには帰宅の途についたのですが、撮影スタッフの皆さんは、撮影開始前だからこそ、準備に追われ、若いスタッフの方々の中には、撮影所にほとんど住んでいる(!)人もいました。
ラベル:桐谷美玲