2010年が明けました。
昨年は、いつもの診療に加え、夏から秋にかけ、映画「ジーン・ワルツ」の医療監修に参加できたことが、もっとも大きなイベントでした。映画撮影の場で、楽しいこと、初めて知ったこと、映画製作のスタッフ皆さんが熱心でとても魅力的な現場だったこと、プロとして感心させられた役者さんたちと交流がもてたことなど、よい経験をさせていただきました。反面、普段の仕事は、少しだけ休診させていただいたことを除けば、ほとんど平常どおりだったので、時間、体力の面できつかったことも事実です。
さて、2010年、今年はどんな年にしようか、と年末から(実は普段からですが)、いろいろと練っておりました。
まず、今年3周年を迎える診療の面では、第一に生殖医療における妊娠率の向上を掲げたいと思います。
昨年末から、これまでの診療実績を検証してきています。はじめに高度生殖医療から、妊娠実績を再検討し、どのような方法が一番妊娠に近いのか、例えば卵巣刺激法や胚移植法、凍結法など、さまざまな観点から見直し、これまで患者さんに教えていただいた診療データを、患者さん皆さんに還元したいと思います。つまり、Best Methods of ARTを追求していきたいと思っています。
高度生殖医療の次は、一般生殖医療、と、徐々にその枠を拡げていきます。
診療での次の目標は、昨年末に使用可能となった、HPV予防ワクチン、「サーバリックス」の普及です。一人でも多く子宮頸がんとなる患者さんを減らしたい、と言う共通目標を持つ医師、パラメディカル(看護師や医療事務など)、MR(製薬会社の薬剤情報提供者)さん達と、ワクチン普及に新しい方法がないか、模索しています。我々と一緒に普及に力を貸していただける方がいらっしゃったら、ぜひお願いをしたいと思います。
また、医療サービスの点から、1月から外来枠の拡大を行います。これまで第2、4火曜日は、桜井加那子医師の診療のみでしたが、國井優衣子先生に応援を頼み、診療の幅を拡げます。改めてご紹介しますが、少しでも皆さんの待ち時間を減らせるよう、また1分でも皆さんの診療に時間が取れるよう、考えて行きます。
その他、不妊診療では、以前から計画しているカウンセリングの導入です。段々具体化してきているのですが、もう少し我々の勉強と、体制の工夫が必要です。
個人的には、クリニックでの診療を休ませていただいている火曜日、これまでは賛育会病院で腹腔鏡を中心とした手術に出張していましたが、4月からは、同病院に加え、母校である順天堂大学の練馬病院にも出向し、荻島部長をはじめ、後輩たちと手術する機会を増やし、後進の育成にも努力していく所存です。
また練馬病院では、新たに子宮がんの手術に腹腔鏡を導入し、一人でも多くの患者さんが、低侵襲の手術をお受けになれるよう、考えています。
さらに現在、不妊治療専門サイトを作成しています。12月には公開する目標でやってきたのですが、今年になってしまいました。公開する際には、皆さんに改めてお知らせします。
最後に、クリニックでは、これまでと同様に、患者さんからいただいたご意見、ご批判を元に、さらなる医療サービスが提供できるよう、考えて行きます。
社会の動きの中で、今年も重要なキーワードとなるのが、「エコ、地球環境の保全」です。お気づきの方もあるかと思いますが、当院ではスタッフ一同、環境に気を遣い、「もったいない」と言う精神を大切にしています。
また、エコビジネス、とでも言いましょうか、これまでは自分の生活やクリニックにおいて、身の回りでできることをやってきましたが、次はもう一歩踏み込んで、新しい環境の役に立つ仕事が創められたら、と考えています。いろいろな案は頭の中にあるのですが、実現するまでには多くの障害もあり、たくさんの方の協力をお願いしなければなりません。
以上、欲張った年頭所感ですが、自分では2010年の目標と位置づけ、努力していきたいと思っています。
昨年は、大変お世話になりありがとうございました。
一年前にこのブログに出合い、それがご縁で、桜井先生に内膜症の手術をしていただきました。私は本当に良いタイミングで先生と出合い、治療できたと思います。
病気になった事は悲しい事ですが、こんなに勉強になったと思った一年は今までなかったと思います。桜井先生のおかげだと思います。
団塊ジュニアと呼ばれる年代のせいか、見回すと、内膜症や赤ちゃんが欲しいけれど授からないという女性がけっこう多い事に気づきました。一人で悩んでいる人が多いです。婦人科疾患、不妊や不妊治療についてもっと気軽に普通に話せる世の中になれば良いのに、と思います。
今年は治療もですが、もっと勉強したいと思っていますので、桜井先生、今年もいろいろ教えてください。
先生のページを拝見する度、毎回思うのは「私は幸運だった」ということです。
昨年はつわりと嘔吐下痢症、インフルエンザにかかり、散々な年末年始でしたが、今年は平和な一年のスタートを迎えることが出来ました。早いもので、上の娘も今年の5月で3歳になり、下の子も5ヶ月です。生後1週間GCUでお世話になりましたが今のところは健康です。
子どもたちが育っていく未来が安全安心な時代であることを祈りつつ、”いのち”について親として伝えていかなければいけないと暗いニュースを見るたび考えさせられています。
私のエコは…節水、撲滅食材の無駄使いです。これからも頑張ります。
先生、今年もどうぞよろしくお願い致します
お二人とも、ご自身の治療や、様々なメディアに接することで、大きく社会に目が向けられていますよね、大人だなあ、と感じました。
R.Tさんが書かれたように、不妊症も含め、婦人科疾患が広く議論される社会、私も目指しています。
またふじこさんがお母さんになって実感されているように、次世代に伝える大切なものを持っているのにも肯かされました。
エコロジーにも気を遣っている人、とても増えましたね。出来ることからでいいと思いますし、出来ることをやる、その心構えがきっと地球の維持に役立つものと思います。