いよいよ12月22日、HPV予防ワクチン、「サーバリックス」が、国内で発売されることになりました。
サーバリックスの特徴を挙げると、
・ 子宮頸がんの原因ウィルスである、HPV(ヒトパピローマウィルス) の血清型16,18に対する予防ワクチンであること。
・ ワクチン接種は3回、半年にわたり行うこと。最初の投与から1ヶ月後、6ヵ月後に同じワクチンを接種します。
・ 接種対象者は、10〜16歳の女性から、45歳以下の女性を念頭にしています。HPVは性交で感染するウィルスなので、性交未経験の女児に投与することが当初の開発目的でしたが、上に挙げたHPVに未感染の方ならどなたでも予防効果を発揮します。また、16,18のいずれかに感染している方も、他方の感染を防ぐことができます。
・ 予防効果はほぼ100%に近く、子宮がん検診と組み合わせることで子宮頸がんの発症を無くすことができます。
・ 対象である全女性が接種した場合、次世代では少なくとも16,18による子宮頸がん発症が皆無となり、子宮頸がんで治療を受ける女性が激減することが推測されます。国際的には、全員が公費負担で受けられる国、所得に応じて公費で受けられる国などが多いですが、残念ながら日本では現在のところ公費負担の目処が立っていません。よって全員が自費負担でお受けいただくことになり、数万円の負担は決して安いものではありませんが、これによって子宮頸がんのリスクを限りなく減少させる、ということは、ある意味では先行投資、万一罹患したときの肉体的、精神的、経済的ダメージを考えると、価値はあると思います。
当院でも同日より投与開始の準備を進めており、すでに数名の方から依頼されております。
ご質問等、診察室でも、スタッフにも、気軽にお声をおかけください。
・2009年12月18日一部修正
上記記事の中に「接種対象者は9〜16歳」としていたのですが、日本産科婦人科学会、日本小児科学会、日本婦人科腫瘍学会の「ワクチン接種のステートメント」に掲げられていた年齢で、今回承認発売されるサーバリックスは、上に修正したように「10」歳からを対象としていましたので、訂正します。