昨年2008年は、前半は原油の高騰に翻弄され、後半に入ってから瞬く間に米国の不況に引きずられるように、我が国もアジア各国、欧州も景気の停滞、悪化が深刻な問題となりました。経済通の意見では、ここ数年は経済が安定しない、との予測です。日本の政界も同様で、本年に入り、政権交代やますますの混迷が起こるかもしれません。
医療をめぐる問題も二転三転し、4月から始まった新しい診療報酬体系の中でも、後期高齢者医療制度が早くも破綻し、国の医療福祉政策の基本的な方針の欠落から、医療現場も右往左往しています。医療機関が規範とし、従わされている厚生労働省、社会保険庁の不祥事も続発しています。
昨年の年頭所感でも書いたように、地球温暖化、環境問題も益々我々の生活に直結した深刻な事態であり、それぞれが地球や日本の将来を見据えて、真摯に取り組まなければならないことが多いです。
年始に報道されたように2008年の人口動態統計の年間推計によると、日本の人口が2年連続減少するようです。出生数(生まれた赤ちゃんの数)は109万2000人で、前年比2000人増と2年ぶりに増加したのはわずかながらも明るいニュースですが、一方で亡くなった方の数は前年比3万5000人増の114万3000人で、出生数を5万1000人上回り、人口減少幅が前年を大きく上回り、過去最大となりました。
産婦人科クリニック さくらでは今年、下の3点を重点課題として1年間取り組んで生きたいと思います。
・ よりよい医療サービスの向上
・ 生殖医療への取り組み、妊娠率の向上
・ 環境問題を含めた社会貢献
現在いくつか取り組みを行っていますが、医療サービスでは、携帯電話やPCを通じた予約システムの導入や、携帯電話用のHPを準備しています。
また年内発売される予定のHPVワクチンについても、婦人科医療の観点から、子宮頸がんの原因となるHPV感染の予防、ひいては子宮頸がんの撲滅のために積極的に導入、啓蒙を行なっていきたいと思います。
さらに普段より考えている、患者さん皆さんにどのような医療サービスを提供できるか、これまで以上に検討していきます。
生殖医療は当院の医療の柱の一つです。これまでと同様、より身体に優しい方法で、妊娠率の向上が図れるか、努力を続けていきます。新たな医療機器の導入も検討しております。
上にあげたようにわが国は人口減少時代に突入しました。成熟国家がやがて人口減少に陥るのは歴史の常ではありますが、一方で一人でも多くの不妊症に悩む方にお子さんが授かるよう、われわれ生殖医療従事者の努力・医療技術向上を続けていくことは社会的義務と考えます。
医療現場で用いる診療機器、医療材料の管理は、その安全性の向上のため、多大なエネルギーロスを伴います。いかに地球環境に優しい方法を導入するか、これも本年の課題とします。さらに環境問題だけでなく社会問題を大きく視野に入れ、どのような社会貢献が行なえるか、考えて行きます。
身近にできることから、大きな問題まで本年の所感として掲げましたが、本年も産婦人科クリニック さくらをよろしくお願いいたします。
ラベル:年頭所感
今年もよろしくお願いいたします。
今後のことはまだ悩み中で、先生のところへお伺いできずにいます。
新たな医療機器の導入、どのようなものなのでしょうか。
妊娠率の向上、期待しています。
今後のこと、考えに行き詰ったら結論が出なくても遠慮なくいらしてください。お話が伺えたら、とも思います。
新たな医療機器は決定してから公表するつもりでしたが、子宮鏡です。子宮内膜ポリープなどの不妊因子に対して、低侵襲で行える治療法です。
これは後ほど記事にしたいと思います。
確かに最終的には診てみないと意見が言えない、というのが、ブログでの相談の限界です。
ご都合がつきましたら是非いらしてください。その際にはR.Tさん、て名乗ってくださいね。