2012年12月28日

排卵検査薬 〜排卵に関するいくつかの誤解〜 2012年12月28日再アップ

市販の排卵検査薬でタイミングをはかっているのですが、妊娠しないんです

今周期、排卵検査薬がいつも陰性なんですが、排卵しているんでしょうか

いつも検査しても排卵検査薬が陽性になるんです、私、どこか異常があるのでしょうか

こう言った質問を、しばしばお受けします。
実は今日いらした患者さんからも質問されたので、4年ぶりに再度アップします。

そもそも排卵検査薬とは、どのような検査試薬なのでしょうか。

排卵期にLHサージが起こることは記事にしましたが、このLHが尿中に分泌されることを利用した検査試薬です。

排卵の前日(36-40時間前)、血液中に、下垂体から分泌されるLHというホルモンが急激に上昇します。これをLHサージと呼び、これを検査することにより、排卵日を知ることが出来ます。
しかし、毎周期、排卵日を正確に検査できる方もいらっしゃいますが、上にあげたように、せっかく排卵検査薬を買って使っても、うまく排卵が分からない、という方も少なくありません。

そもそも、尿中のLHを測ること自体が、我々からすると、信憑性に乏しい部分があるので、排卵日が分からなくてもすぐに異常、と考える必要はありません。
尿は、腎臓から血液中の老廃物や不要な水分が分泌(濾過)されて作られます。
その中に含まれる、LHもそうですが、その濃度は尿の濃度に比例します。
つまり、尿が濃ければ、LHも濃く出ますし、薄ければ検査薬が陰性になります。

それでは、我々生殖医療に携わるものからみた、排卵予測検査の信頼度は、どのような順番になっているかというと、

血中のホルモン値
超音波所見
尿中LH反応(検査薬)
基礎体温

の順ですが、毎日排卵を知るために採血し続けるわけにも行きませんし、超音波で予測してもLHが分泌されなければ真の排卵日は分からない、日々つけてらっしゃる基礎体温もこれらの検査データを裏付ける大切な目安になる、というように、検査をなるべく少なく、効率よく、そして信頼性の高い予測とするため、総合的に判断します。

もちろんまだ妊娠を考えたばかりの方では、血液検査を行うにはためらいもあることもありますので、患者さんのご希望で検査を行い、得られたデータでなるべく予測するようにもしています。


画像 1543.jpg

↑クリックすると大きくなります。


・補筆修正いたしました。
D3診察 〜高度生殖医療の実際〜

ラベル:排卵検査薬
posted by 桜井明弘 at 13:00| Comment(1) | TrackBack(1) | 産婦人科一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは桜井先生返事遅くなりました、みてなかったから書けませんでした心配かけてすみませんでした。今は病院もみつかり今度行く予定です。最初に電話でメッチャいろいろきいたんですが自分なりに調べてたからかな?病院は親切でした値段等も、そのほかいろいろ教えてくれたから今は安心してます(^-^)またわからないこと会ったら、すみませんが教えてくださいm(_ _)m
Posted by ひろ at 2008年11月16日 22:32
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