2008年10月28日

カンジダ腟炎(外陰腟カンジダ症) 〜感染経路と症状〜

婦人科外来診療で、おそらくもっともポピュラーで、診る機会の多い疾患です。
そのため、お問い合わせも多いので取り上げました。

カンジダ、とは、真菌(かび)の一種で、健康な身体でも常在菌として存在しています。特に、肛門周囲や直腸内には多いとされています。他にも腋の下など、温かくて湿度のある場所は、よく検出されます。

たいてい湿度が高く、気温の高い、初夏から今くらいの秋口まで感染が多いですが、年間を通して発症がある、とも言えます。

健康な女性がカンジダに罹患して悩まされるのは、腟炎、外陰炎を起こして現れる「かゆみ」「おりもの」です。

かゆみは腟の入り口、を中心に、腟内、肛門に及ぶことがあります。時にかゆみは長期間に及び、外陰の皮膚が最初は赤みを帯び、長くなると掻いてしまうことにより皮膚の肥厚、白色を帯びてきます。この頃には治療も長期化する可能性があります。

おりものは「ぽろぽろとしたかすのような」「酒かすみたいな」と言う自覚が典型的ですが、細菌と混合感染すると必ずしもそうではなくなります。

罹りやすい方があります。妊婦さん、糖尿病患者さん、免疫抑制剤を使用している方、抗生物質使用後の方です。いずれも腟内の正常細菌叢が乱されるためです。

カンジダに罹ると、「性病ではないか(誰かから感染されたか)」「不潔にしていたからか」という質問を必ずと言っていいほどされますが、ともに「違います」と答えられます。上に書いたように、「健康な身体でも常在菌として存在」しているからです。

性病ではないのですが、パートナーも持っている可能性があるため、実際にはうつされている可能性もないとは言えず、パートナーは普通の石鹸洗浄で再発が防げることがあります。が、カンジダは性行為でしか感染しないSTIと異なります。名前が似ているためか、クラミジアと混同されていることも多いようです。

また稀ではありますし、重症化することはほとんどないのですが、妊婦さんが罹ると赤ちゃんへの感染も起こり得ます(鵞口瘡)。
産道で分娩時に感染すると考えられていますが、赤ちゃんの重症化は少なく、簡単な薬物療法で治りますので、特別な心配は要らないと思います。

関連記事は、
カンジダ腟炎(外陰腟カンジダ症) 治療と再発予防

カンジダ外陰腟炎にかかりやすい疾患

です。併せてご覧ください。
posted by 桜井明弘 at 01:34| Comment(5) | TrackBack(0) | 産婦人科一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私の職場も最近また多いです。洗浄する患者様だけで7名程昨日もいらっしゃいました。

今の職場は、毎日エンペシド膣錠挿入し、まめに洗浄し、培養検査後菌がなくなるまで徹底的に治します。前職の職場は、週一のオキナゾール膣錠で症状なくなれば治療終了してました。
どっちがいいの?っていつも疑問です。
早く知りたいです。
Posted by maedomari at 2008年10月28日 06:44
先生、こんばんは。

早速記事を載せていただき、ありがとうございます。

今日も適度に薬をつけましたが、今はほとんどかゆみがなくなりました。

カンジダのひどい症状の経験があるだけに、二度とあのかゆみとおりものは経験したくないです。

私も最初は性病じゃないかと思いました。今はPCで何でも検索できますがその当時はまだもってなかったので、友達にも相談出来ないし、婦人科に行くのは抵抗あったし、市販のかゆみ止めを使ったらさらに悪化させてしまったんですね。

早期に受診すれば治療もかゆみも短期間で終わるのに、特に婦人科に行ったことがない方にとっては、性病かもしれないと疑いながらの婦人科初受診は精神的にもダメージが大きいです。

他の科と違って、何か症状があっても行きにくいのが婦人科ですが、かかりつけの婦人科があればこのような時も相談しやすいと思うので、女性は早いうちに一度は婦人科に検診に行くべきだなぁ〜とつくづく思いました。実際、子宮筋腫もその後みつかりましたし。

今回はよりによって、休みも保険証もないときに!?とあせってしまいましたが、違ってほっとしてます。

主人の保険証はきたので、私のもそろそろくると思いますので、来週伺います。

ありがとうございました。。


Posted by Yukari_n at 2008年10月28日 22:26
maedomariさん、こんばんは。
季節的な傾向もありますが、不思議と多い日と全く見えない日がありますね。

腟錠の使い方ですが、書かれたどちらの方が効果が高いか、言い切れませんがほとんど同等だと思います。そうすると患者さんのコンプライアンスの良い、後者が現実的だと思いますが、前者のような治療の方が丁寧に治療をされている、とおっしゃる患者さんもあるので、患者さんに選んでいただいたほうがいいのではないでしょうか。

Yukari_nさん、症状が落ち着いてよかったですね。来週いらっしゃったときにまたお話を聞かせてください。
Posted by 桜井明弘 at 2008年10月29日 02:55
先生、こんばんは。
今日、病院へ行ってきました。

二週間薬を飲んでから三日後の昨日の晩に軽い出血がありまして、生理を確認しました。
二日目ということもあり、病院で診てもらいました。「出血量からして今日が1日目と考えていいでしょう、5日目からクロミッド1錠を5日間飲んでください、膣炎も大丈夫です」と言われました。
「ルフ」ではないそうで、2錠にすると無排卵の効果を高めてしまうので1錠にしましょう、とのことでした。
3回ぐらいは1錠で経過を見て、それでも授からない時にはまた考えましょうと言われ正直ホッとしました。

先生、本当にありがとうございます。
カンジタ膣炎の事も先生の日記の中で正しい知識を得ることができました。思えば、風邪をひき、2週間ぐらい抗生剤を飲んだり飲まなかったりを続け、かなり抵抗力がなくなっていました。それが原因で身体に信号が出たのかもしれません。動きやすいジーパンばかり履いていたので最近は少し服装も変えようかなと思っています。ムレ予防の為にも。

ルフの事についても詳しく本当に分かりやすく説明してくださるので納得できました。

次回はまた2週間前後に診察してもらう予定です。前回は生理が始まって13日目に診察してもらって翌日タイミングということだったので、今回は15日の土曜日に行こうかなと思っています。
行く日はもう少し遅くした方がいいのでしょうか??予約制ではなくなったので自分でもよく分からず判断しています。
先生、今後もどうぞよろしくお願いいたします。


Posted by ふじこ at 2008年11月05日 00:33
ふじこさん、こんばんは。
今回の診察は、順調そうで何よりです。

「今回は15日の土曜日に行こうかな」が何日目にあたるのか分からないのですが、13日目に受診できなそうであれば、前倒しして受診するのが、排卵を見逃さないコツだと思います。
Posted by 桜井明弘 at 2008年11月09日 00:44
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/108710148

この記事へのトラックバック