先日、賛育会病院で行っている腹腔鏡下手術に、オリンパス社のご好意により、ハイビジョン内視鏡のシステムをお借りして手術することができました。
ハイビジョンの画像は一般のテレビでもお分かりのように、くっきりと鮮明。臓器や血管の細かい部分がはっきりと見えます。縒(よ)り糸といわれる縫合糸の縒り目が必要以上に見えました。
また特徴的なのは、被写界深度がとても大きいことで、アップにしたり、遠めにしたりするたびにピントを微調整する必要があったこれまでの機器に比べて、圧倒的にストレスのない手術が行えました。
術者の手術のやりやすさは、すなわち患者さんのメリットです。リスクを回避し、手術時間の短縮、ひいては麻酔時間の短縮、出血量の減少が望めます。
鮮明な画像は情報量が多いため、目が疲れたりというデメリットがあると思っていましたが、このシステムではそのような心配はまったくありませんでした。
難点はやはり高価な点。視覚機器をそろえるだけで、600万円強がかかります。これまで使用してきた機器を転用できればいいのですが、新しくフルセットそろえるにはきっと大台に乗ってしまいます。
とはいえ、内視鏡下手術は患者さんへの低侵襲という点からもこれからどんどん導入されるでしょう。同社もこれからの標準機器としてデジタルハイビジョンのシステムを拡げて行く方針だそうです。
その後、まずまずのようで、安心しています。
術前検査当日は、内服薬の影響はありませんから、ご安心ください。
さて、麻酔についてですが、基本的には全身麻酔と、賛育会病院では術後の疼痛緩和目的に硬膜外麻酔を併用しています。
麻酔についてもいつか取り上げたいと思います。