新聞などでご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。
コーヒーを飲む量に比例して子宮体がんの発症率が低下する、という厚生労働省研究班の報告です。
9府県の40〜69歳の女性約5万4000人を05年まで追跡調査したもので、約15年間に117人が子宮体がんを発症したそうです。ここで子宮体がんの発症率を計算すると0.2%。15年で0.2%の発症率です。
発症率の低い疾患ながらも対象者が大変多い調査で、統計の取り方に誤りがなければ、このデータは科学的根拠あり、と判段できます。
以下上記サイトから引用。「コーヒー摂取量と発症率との関係を調べると、コーヒーを毎日1〜2杯飲むグループは、週2日以下しか飲まないグループに比べ、子宮体がんの発症率は4割少なかった。毎日3杯以上飲むグループは6割も少なかった。緑茶の摂取量も調べたが、発症率に関連はみられなかった」
子宮体がんの増加は食生活、生活スタイルの欧米化、が原因ともされていますが、コーヒーを飲むと発症率が下がる、とは意外でした。
「子宮体がんは、女性ホルモン「エストロゲン」や血糖値を調節する「インスリン」との関連が指摘されて」いますが、「コーヒーを飲むと、エストロゲンやインスリンの濃度が下がることが知られている」そうです。子宮体がんはエストロゲン依存性、といってエストロゲンの分泌が多いほどリスクが高く、逆に抗エストロゲン療法が子宮体がんの治療に用いられるほどです。インスリン分泌が異常な方でエストロゲンが高い病態(多嚢胞性卵巣)も知られていますので確かにインスリンも関係がありそうです。
乳がんも同じくエストロゲン依存のことが多く、乳がん発症に関してはどうなんだろう、と疑問を感じました。
子宮体がんにならないためにコーヒーをたくさん飲みましょう、といったキャンペーンにはならないと思いますが、興味深い調査結果だったと思います。
コーヒーの摂り過ぎで胃を荒らしたりもしますから、くれぐれも過剰摂取には気をつけましょう。
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ずっと以前新聞で、コーヒーをよく飲む女性は着しょう率が下がる、つまり妊娠しにくいという記事を読みました。
関係はあるのでしょうか?
コーヒーと着床率についての記事を見つけられなかったのですが、新聞で報じられるものがすべて科学的に裏付けられているわけではありません。
この記事も、私が見ても直ちにコーヒーを飲みましょう、といったキャンペーンにはならないと思うように、コーヒーの作用の一面を表したに過ぎず、ただコーヒーも悪い面ばかりではないのだな、と言った興味を抱きました。
妊娠や腺筋症の治療も、ご自身で何か努力を、と思われると思います。少しでも良くなろうとするお気持ちを応援したいと思いますが、治療効果がある、として医師が勧められるものがなかなか無いのも現状です。