2011年05月25日

誘発剤と人工授精「効果なし」

読売新聞の健康欄に記事が出ていました。
英国医学雑誌に投稿された論文を紹介し、明らかな異常がない場合の排卵誘発剤や人工授精は、それを用いない、行わなかった場合と比べて妊娠率の向上が見られない、というものです。

以前にブログでも「不妊治療のステップアップ 〜原因不明不妊〜」で触れましたが、正常排卵を有する(排卵遅延もない)正常月経周期の方にクロミッドなど排卵誘発剤を使う、精液の所見が正常でフーナーテストでも異常がない場合に人工授精を行う、といったステップアップに疑問が投げかけられていますが、改めてこの点を明確に成績に出したようです。

産婦人科クリニック さくらでも、原因が明らかではないにもかかわらず妊娠にいたらない、原因不明不妊である場合、数周期の治療の後にステップアップを呈示することがあります。「排卵誘発剤を使ってみますか?」「人工授精を行ってみますか?」のようにお話します。上記の論文にあるように妊娠率が格段に向上するわけではありませんが、方法を変えるととたんに妊娠できる方もやはり少なくありません。
よってわれわれは、方法の選択肢の一つとして呈示します。選択するのは患者さんである皆さんですし、その選択をお二人の価値観を尊重しつつサポートいたしますので、何なりと遠慮なくご質問ください。
posted by 桜井明弘 at 00:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 生殖医療(不妊治療)一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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