・ 高度生殖医療(体外受精)
・ 腹腔鏡下手術
もちろん卵管性不妊は、その状態により絶対に妊娠しない、という因子ではありません。つまり相対不妊のため、自然妊娠ができないとは限りません。
主に卵管周囲に形成された癒着性の組織が卵管障害をもたらしますが、体外受精は卵管を経由しない、卵管で起こる受精を体外で行う方法で、本来卵管切除後の患者さんに行う不妊治療法でした。
現在でも原因不明不妊や男性因子による高度生殖医療よりも、卵管因子のほうがおおむね妊娠率が高いです。
腹腔鏡下手術は子宮や卵巣の疾患に対して行われる、低侵襲の身体に優しい手術法ですが、卵管の病気に対しても治療の適応があります。むしろ開腹手術よりも手術野を拡大して見ることができ、また微細な手術手技を用いることができるため、卵管の治療は腹腔鏡が適している、とも言えます。
卵管の病気、当初は子宮外妊娠に対して行われた卵管切除術、そして卵管を温存する卵管線状切開術、卵管周囲の癒着を剥離したり、卵管采を形成する術式が行われています。
卵管因子の患者さんに腹腔鏡を行う場合、卵管をきれいにする、元通りにする、という目的で行うわけですが、手術で目的を果たせる場合と、卵管周囲の癒着が重い場合、手術で完全にきれいにすることができないことがあります。やわらかい腸が癒着していたり、癒着がひどく卵管が元に戻せないことがあるのです。また手術後に術後癒着を形成することもあります。
よって卵管因子で腹腔鏡を行っても、残念ながら治療効果が無いこともあるのです。難しいのは、術前の検査、内診や超音波、クラミジア抗体や子宮内膜症の腫瘍マーカー、CA125などの血液検査で、あらかじめ癒着の程度を予測はできるものの、最終的には手術をして卵管の状態を診る、手術をする、術後の経過を追跡することで、はじめて手術を行った価値が評価できます。
手術を行うことへの抵抗や麻酔への不安、入院の可否もありますし、妊娠に対する価値観を考慮しながら、治療の方針を相談して決めています。
お聞きしたいことは色々あるので、次回の診察の時にまたお伺いします。
ひとつだけ、入院は何日間ですか?
腹腔鏡下手術の入院日数ですが、施設により違いはあるものの、概ね4日から7日くらいと思います。
3日くらいで済む場合もあります。
またご質問下さいね。
内容を考え、コメントをこちらに移させていただきました。
病院も見つかったようで、良かったと思いますが、卵管が障害された場合、この記事にもありますし、ひろさんがご自身で調べられたように、体外受精や、手術的な卵管形成を行います。
また分からないことなど、ご質問下さい。
よい治療をお受け下さいね。