卵巣機能不全や排卵障害が理解されにくいのは、原因疾患と病態、症状がごちゃ混ぜにされやすいためです。これは産婦人科医の中でもよくあります。
卵巣機能障害の症状、原因は多岐にわたりますが、卵巣機能障害の程度は以下のようになります。またこの程度の違いを理解することが卵巣機能不全の理解につながります。
正常⇔黄体機能不全⇔無排卵⇔無月経
一概に卵巣機能不全といっても上記の黄体機能不全から無月経まで程度が異なり、右に行くほど重症度が高いです。
たとえば症状として、不正性器出血がありますが、黄体機能不全であれば黄体期(高温期)の不正出血が、無排卵であれば排卵が遅れることによる不正出血や、一見月経と間違える、数ヵ月ごとの出血が見られることがあります。
これらの病態を把握しておくことは重要です。卵巣機能の改善や増悪もおおよそこの順に治っていく、または悪くなっていく傾向があるからです。
たとえば無排卵に対する治療として有名な排卵誘発剤、クロミッドを使ったとします。無排卵は改善でき、全くの正常になることもありますが、黄体機能不全が残ることもよくあります。
ですから我々も、患者さんも今回の周期がどのような状態にあるのか、どこまで改善されているのか、把握することが病態と治療の理解につながることになるのです。
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・排卵障害・卵巣機能不全
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現在ご好評いただき継続連載しているのは「健康維持 Q&A」です。この季節によくいただくご質問にお答えする形で書いています。
2008年07月11日
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