6月は、新しく開始した女性健康外来、キャンペーンを行いました。
多くの方にお受けいただき、皆さんの健康意識増進に少しはお役に立てたかな、と思います。またお受けいただかなかった方にも、検査の意義やラインナップを、少しでも知っていただけたかと思います。
女性健康外来は、通年お受けになれます。これまで産婦人科クリニック さくらに通院していたものの、こういったアプローチで健康チェックをしなかった方も、今後もいつでもお受けいただけるので、ぜひ診察室で、またはスタッフにご相談ください。
さて、桜井加那子医師が書いたように、20代、30代の癌死のトップが子宮頚がんであることに大変反響をいただきました。
子宮頚がんは、もう何度も書いてきましたが、検診を受けることにより、いかに前がん病変で捕らえるか、または早期がんの状態で診断をつけるかが重要です。
HPV感染、と言う点から、現在のところ有効な予防法がなく、やはり検診が第一です。
外来診療をお受けいただいていると、お気づきかと思いますが、よく我々からの質問・説明に「前回の子宮がん検診はいつですか?」「1年以上経ってますから検査をお勧めします」「前回6ヵ月後に再検査、とありましたね、そろそろ6ヶ月になりますよ」というのがあります。
ご本人が忘れないように、結果説明の際には次回の検査予定を告げていますが、検査時期を迎えても検査がもれてしまうことがあります。ご本人も忘れてしまっていることがありますよね。
そこで今月はこういった検査の漏れがないように、皆さんも、われわれも再確認をしましょう。子宮頚がん死トップ、正直恐ろしい現実です。
HPV検査については、型判定で説明しましたように、一つ一つのHPVの型を判定するもの、高〜中等度のHPVがあるかないか、を判断するもの、低リスクのHPVの有無を判断するの3種があります。発がんが一番怖いので、高〜中等度があるかどうかを見る検査が最も多く行われています。
ただし、これらの検査は、現在では保険適応がなく、自費で行われています。
産婦人科クリニック さくらでは、今月の子宮頚がん再確認キャンペーンに伴い、一部価格改定を行い、一人でも多くの方にHPV検査も行っていただけるよう便宜を図りました。
・HPV(高〜中リスク):8,000円→4000円
・HPV(低リスク):8,000円→4000円
・HPV型判定:12,000円
子宮頚がん検査で一度でも疑陽性、すなわちclass III以上の判定をされたことのある方にはお勧めです。また最近では、これまでと同様に細胞診を行い、加えてこのHPV検査を行うと、子宮頚がん発生の発見が早くなる、とされ、自治体による子宮頚がん検査にも取り入れられているところがあります。
HPV検査も子宮頚がんの細胞診の検査と同様、子宮頚部を綿棒で擦過するだけです。
いただいたコメントですが、こちらのほうが適していると思い、勝手ながら移動させていただきました。
感染期間ですが、お話したHPVの種類によって異なるようです。高リスクのいくつかのHPVでは前がん病変、がん化が比較的早く、低リスクのHPVだとゆっくりのようです。
また、男性への感染ですが、確実に感染はしますが、男性では低リスクのHPVが尖圭コンジローマの原因となりますが、がん化はありません。
女性のほうが損をする病気ですね、これも。
次回外来でも、こちらでも分からない点、お聞きくださいね。