2019年03月20日

皮様のう腫の症状と治療

皮様のう腫はおおよそ直径5cmを超えると「茎捻転」を起こす確率が高くなる、とされています。

通常卵巣は子宮と骨盤壁に固定されていますが、腫瘍が発育すると固定された部分を「茎」とし、腫瘍部分が捻じれ、これを茎捻転と呼びます。固定された部分からは卵巣を栄養する血管があり、捻転することにより卵巣が血流障害を起こし、しばしば激痛を起こします。救急疾患としても知られ、捻転してから時間が経過すると血流が途絶えるため、やがて卵巣が壊死し、この状態になると卵巣は摘出せざるを得ません。

皮様のう腫は薬物療法がなく、よって、皮様のう腫は、5cm以下は経過観察、5cmを超えたら手術適応と考えます。この何センチ、というのは、施設によって考えが異なり、7cmとしているところもありますし、4cmでも捻転を起こして痛みがあれば手術の適応です。

手術は腹腔鏡下に行われることが多くなり、通常、皮様のう腫のみ摘出し、正常卵巣部分は温存する、のう腫摘出術が行われます。閉経に近くなっている場合はのう腫ごと卵巣を摘出します。

再発率はあまり高くありませんが、皮様のう腫は両側の卵巣に発生することが多く、数年立ってから反対側に見つかったりすることもあります。頻度は低いながらも、60歳代くらいから悪性転化することがあり、この皮様のう腫が悪性化した卵巣がんは治療効果があまりよくありません。

よって閉経後では、むしろ積極的に手術が勧められることもあります。

また最近話題となっている「抗NMDA受容体抗体脳炎」についてはこちらをご覧下さい

平成21年2月4日初出
平成31年3月20日補筆修正


posted by 桜井明弘 at 09:36| Comment(24) | TrackBack(0) | 産婦人科一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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