2008年02月26日

子宮内膜症 「治療の適応」

良性疾患の進行については、子宮内膜症、再発時の治療で述べたように、悪性疾患が右上がりに増悪する一方であるのに対して、階段状、悪くなる時期と変わらない時期を繰り返します。

脱線しますが、上に書いた「増悪」、正しい日本語の読み方と意味は「ぞうお、憎むこと」ですが、医療界には医療専門用語と、医療スラング的に用いられたものが専門用語化したものがあります。
「増悪」はそのいい例で、「ぞうあく、だんだん悪くなること」として使っています。
私自身、大変面白く興味を持っていますので、また気付き次第ご紹介します。

さて、子宮内膜症は良性のがん、と称されていますが、良性疾患であることには変わりありません。

良性疾患の治療適応を示します。

良性疾患 〜治療の適応〜.jpg

この適応に沿って、子宮内膜症の治療適応について触れると、

・「症状がある」は、その疾患による症状などの弊害が生じている、という意味で、

 例えば、
  鎮痛剤が無効な月経困難症、排便痛、性交痛、慢性骨盤痛。
  内膜症が明らかに不妊の原因となっている。
などがあります。

・ 「近い将来、障害をもたらす可能性がある」。現在は無症状でも、近い将来、たとえば妊娠を希望した場合、妊娠した場合など、明らかに障害を生じる可能性がある場合。これには卵巣・卵管の高度の癒着が考えられる場合、大きなチョコレートのう胞、一般的には約5cm以上を大きい、と表現します。
また、大きさはがん化の指標にもなります。

・ 「大きい、または進行が速い」上の「近い将来の障害」に通ずるところがあります。これらは上の二つの条件に近い将来達する可能性が高い場合と判断されます。また進行が速い、とは障害をもたらす可能性が高いことと、今現在、悪性なのではないか、という疑問も生じます。

一般的な良性疾患の治療適応を提示し、子宮内膜症の場合、どのように考えるか、代表的な病態をあげましたが、全ての方に当てはまるわけではなく、またその方それぞれによって、治療方針が異なります。
子宮や卵巣・卵管といった生殖臓器の疾患は、妊娠の希望を踏まえて考えなければならず、大変多くのバリエーションがあり一概には言えません。

子宮内膜症に限ったことではありませんが、外来ではどんな症状に困っているのか、どんな所見があるのか、将来どうなる予想がされるか、ということとその方の状況を加味して、最も適した治療法を一緒に考えています。どうぞ思ったことを遠慮なさらずにお伝えください。


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posted by 桜井明弘 at 23:10| Comment(2) | TrackBack(0) | 子宮内膜症 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする