2007年07月23日

排卵誘発剤 〜注射剤;r-FSH、u-FSH、hMG〜

高度生殖医療のラインナップでお示しした、r-FSH、u-FSH、hMGについて述べたいと思います。

本稿は、高度生殖医療に限らず、一般生殖医療にも深く関係します。

内服の排卵誘発剤(クロミッド、フェマーラ)で排卵が認められない場合、排卵は正常に起こっても妊娠に至らない場合、また高度生殖医療の採卵で、たくさんの卵子を得たい場合に注射剤が使われます。

FSHとは、「卵胞発育刺激ホルモン」のことで、もともと下垂体から分泌されているものです。これを薬として使うことで、より効果の大きい「排卵誘発」をすることができます。またエストロゲン分泌が盛んになるため、子宮内膜が厚く作られます。

注射剤は従来「hMG製剤」と呼ばれてきましたが、今日では注射剤の中には「hMG」「u-FSH」「r-FSH」の3種類があります。「r-FSH」は今年4月、新しく保険適応となりました。

r-FSH 
リコンビナントとよばれる技術を用い、尿由来ではない、100%純粋なFSHの製剤で、現在国内では「フォリスチム」という薬剤のみが保険適応になっています。下のu-FSH製剤と比べて、若干コストがかかりますが、純粋で夾雑物がありません。LHは「LHサージ」で知られるように、排卵させるホルモンですが、r-FSHには「LH」が全く含まれないため「卵巣過剰刺激症候群」「多胎妊娠」の発生率が低下します。一方で単独で使用した場合の排卵誘発効果が弱いため、「クロミッド」や「フェマーラ」と組み合わせ、より身体に優しく有効な排卵誘発を行います。

u-FSH 
尿由来のFSH製剤で、下のhMG製剤と比べて、「LH」の含有量が極めて少ないです。「LH」は排卵前の卵胞期に投与されると強い卵巣刺激があります。u-FSHはr-FSHと同様に「卵巣過剰刺激症候群」や「多胎妊娠」の発生率を低下させます。、「クロミッド」や「フェマーラ」と組み合わせる方法は、やはりr-FSHと同様です。

hMG 
以前よりあった注射の排卵誘発剤です。製剤によりLHの含有量が異なるため、なるべくLHの量が少ないものを用います。たくさんの卵子を採卵するためには最も効果的ですが、「卵巣過剰刺激症候群」の発生に注意しなければならず、また「胚移植」を行わない、タイミング法、人工授精(AIH)では、多胎妊娠のリスクが高くなります。

この記事をお読みになり、お使いになっている製剤に対する疑問や不安な点など、何なりとご質問下さい。
posted by 桜井明弘 at 20:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 生殖医療(不妊治療)一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする